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アケビコノハ


昆虫綱鱗翅目ヤガ科
 庭にムベが植えてある。常緑なので垣根にするのと、アケビに似た実が目的で植えた。しかし、受粉の関係かほとんど実が付かない。その代わり、毎年アケビコノハというガの幼虫が発生する。

 アケビコノハはガの仲間であるが、ケムシではなくイモムシである。ケムシはあまり好きではないがイモムシは好きだ。すべすべのお肌。

 アケビコノハの幼虫は宇宙生物エイリアンのような姿で、よく見ると美しい。成長するとかなり大きくなり、終齢幼虫はぼってりとしてさわり心地もなかなかである。シャチホコのようになってじっとしている。

 コバルトブルーの斑点も美しいし、目玉模様が迫力である。蛇の目に似ているので、食べに来た鳥をこれで威嚇するらしい。庭に沢山鳥がやってくるが、アケビコノハは毎年すくすくと育っており、目玉が効いているのだろうか、鳥には捕食されていないようだ。

目玉模様は、両サイドに二つずつあり、前側のほうがはっきりした丸で、後ろ側は丸が欠けていたり力強さがあまりなかったりする。
個体ごとに形が違う。

庭の垣根に絡ませているムベは、実の収穫にはまったく役に立っていないが、冬場も葉っぱが落ちないので垣根の役には立っている。また、アケビコノハの観察のために植えるのも良いと思う。



(通草木葉)


市民フォーラム「外来種が増えて何が困るの?」報告

市民フォーラム「外来種が増えて何か困るの?」
日時:2010年2月28日(日)13:00~16:30
場所:豊岡市民会館 大会議室(4階)
主催:コウノトリ生息地保全協議会(コウノトリ市民研究所、コウノトリ湿地ネット、コウノトリ環境経済コンソーシアム、但馬野鳥の会、豊岡市)
後援:国土交通省 近畿地方整備局豊岡河川国道事務所
<プログラム> 13:00 開会あいさつ 13:10~14:20 基調講演 細谷和海氏(近畿大学農学部 環境管理学科 水圏生態学研究室 教授) 「ブラックバスはなぜ悪いのか」 14:30~16:10 報告 報告1 稲葉一明氏(兵庫県森林動物研究センター 専門員) 「ヌートリア・アライグマの生態と対策」 報告2 佐竹節夫氏(NPOコウノトリ湿地ネット 副代表) 「コウノトリの餌場づくりへ ~外来種駆除に苦闘中~」 報告3 日下慎二氏(国土交通省豊岡河川国道事務所 建設専門官) 「円山川の外来種、アレチウリを中心に」 報告4  浅見佳世氏(株式会社里と水辺研究所、兵庫県立大学 准教授) 「猪名川の外来種対策の実際(植物を中心に)」 16:10~16:30 質疑応答


司会進行は上田代表理事

細谷和海氏 「ブラックバスはなぜ悪いのか」

稲葉一明氏 「ヌートリア・アライグマの生態と対策」

佐竹節夫氏 「コウノトリの餌場づくりへ ~外来種駆除に苦闘中~」

日下慎二氏 「円山川の外来種、アレチウリを中心に」

浅見佳世氏 「猪名川の外来種対策の実際(植物を中心に)」
参加者は約50名ほど。
我々一般市民の単純な疑問が本フォーラムのタイトルであるが、その疑問に明快な解が示されたかといえば、少し釈然としない部分も残る。
今回のフォーラムで再確認したことは、結局以下のようなことだろうと思う。
(1)生物多様性の観点から、外来種の勢力拡大は今すぐ阻止すべきである。
(2)外来種が将来的にどんな悪影響を及ぼすのか今は分からない。
  細谷氏の言う「フランケンシュタイン効果」のリスクを減らすのが、現代人の責務である。
ひとつひとつの発表はよくまとめられていて、よい勉強の機会となった。
次回があるとすれば、研究サイドと市民サイドを交えたパネルディスカッションのような形式が有意義なのではないかと思った。


アカガエル調査続報

2月のアカガエル調査の続報です。


<卵塊数(一部追加)>
文化館の溝                   4
西の谷ビオトープ(文化館裏)     295
東の谷ビオト-プ(公開ゾーン)    262
東の谷展望台へのビオトープ    314(ヤマアカガエルの死体1)
東の谷観察サイト裏の池     150 (たくさんの卵塊が集合している)
西の谷と東の谷の中央のビオトープ   0
西の谷 299、東の谷 726  合計1025 となりました。

1卵塊に2000個としても、2000×1000=2000000 200万の小さなオタマジャクシが生まれるということですね。このオタマジャクシを資源に、多くの動物たちが生きていきます。

少し見にくいですが、この個体は目の後ろの線が曲がる。腹側に大きな斑点が多い、などの特徴からヤマアカガエルと判断しました。この個体がいたビオトープでは例年ヤマアカガエルの子ガエルが見られます。しかし、ほとんどの卵塊はニホンアカガエルのものと考えています。初期の卵塊を手ですくった時のまとまり感?、周辺での越冬個体にニホンアカガエルが多く見られること、オタマジャクシの段階で背中に斑点が出るものが多いこと、上陸したばかりの子ガエルにニホンアカガエルの方が多いこと、などが根拠です。


市民フォーラム「外来種が増えて何か困るの?」

*皆さま
 *市民研から協議会に提案して以下のフォーラムを実施することになりました。
 たくさんの方に来ていただけたら幸いです。
市民フォーラム「外来種が増えて何か困るの?」
と き  2010年2月28日(日)13:00~16:30
ところ  豊岡市民会館 大会議室(4階)
 「外来種が増えて大変だ」という話をよく聞きます。でも、花壇の花の多くは、外国生まれの花たちです。
道ばたには、セイヨウタンポポ、オオイヌノフグリ・・・と外来種が普通に生えています。
 身の回りにあふれる外来種を見ていると「外来種が増えて何か困ることがあるの?」と素朴に思います。
こんな疑問に答えるところから始めて、具体的な対処策までを教えていただく会を企画しました。どうぞ気軽にお越し下さい。
<プログラム> 13:00 開会あいさつ 13:10~14:20 基調講演 細谷和海氏(近畿大学農学部 環境管理学科 水圏生態学研究室 教授) 「ブラックバスはなぜ悪いのか」   今、円山川では、緊急治水対策と並行して自然再生事業が行われています。 自然再生では湿地をたくさん作って魚の再生産も狙っています。外来魚の影響はないのでしょうか?魚たちの生態系を健全に保つにはどうすればよいのでしょうか? 14:30~16:10 報告 報告1 稲葉一明氏(兵庫県森林動物研究センター 専門員) 「今、円山川のアライグマ、ヌートリアは、・・・・」  ヌートリアは蔓延、アライグマも見られるようになって来ました。円山川水系の現状と今後の懸念について話していただきます。       報告2 佐竹節夫氏(NPOコウノトリ湿地ネット 副代表) 「ハチゴロウの戸島湿地、外来種と闘う!!」(仮題)   外来種の見本市?戦いの最前線、ハチゴロウの戸島湿地の日々は、・・・       報告3 国土交通省豊岡河川国道事務所より 「円山川の外来種、アレチウリを中心に」   浅見佳世氏(株式会社里と水辺研究所、兵庫県立大学 客員准教授) 「猪名川の外来種対策の実際(植物を中心に)」   猪名川ではすでに市民による外来種駆除が始まっています。その活動を中心に円山川の植物の特徴も併せて話していただきます。 ※先着70名様に外来種関連の小冊子を3種類、無償配布します!


田んぼの学校2010.02.21 アカガエル調査

カエル調査 32人
とてもよい調査ができました。
郷公園内の公開ゾーンのすべてのビオトープを数えました。
約900個の卵塊を確認。
2000個体ぐらいの成体がいると考えられます。
成体はヤマアカガエルの死体1のみ。
本当は祥雲寺の田んぼを調べたいのですが、小さな子どもたちには無理がありますので、郷公園内にしました。冬期湛水がアカガエルの産卵にどのような影響があるのか、興味があります。たぶん、祥雲寺では、効果は限定的。
アナグマとシカ肉のブレンド鍋は、おいしかったです。
1時間ぐらいかけて、ビオトープの水漏れを応急修理しました


ヤマブシタケ


ヤマブシタケ (ヒダナシタケ目サンゴハリタケ科サンゴハリタケ属)
Hericium erinaceus (Bull.) Persoon
(山伏茸)
 外見に特徴があるキノコである。傘を作らずに、ヒダでもアミ目でもなく針を垂らしたような形になっている。若いときは真っ白で徐々に肌色になる。傘からヒダではなく針を垂らすキノコはいろいろあるが、傘を作らないでいきなり針を垂らしていることころがこの仲間の特徴である。
 ヤマブシタケという名前の由来であるが、山伏が蓑を背負った形に似ているから、、、、と思っていたが、山伏が着る衣の胸飾りに似ているからというのが正しいようだ。山伏が胸につけているあのボンボンさんのことだ。
 秋、広葉樹の枯れ木に発生する。固めのスポンジ状で、握ると水が滴り落ちた。多少苦いものもあるようだが、私の食べたものは温和な味、特においしいということもないが普通に食することが出来た。
 このキノコは漢方薬で使われており、「D-トレイトール」などの抗酸化物質を沢山含んでおり、薬効優秀であるらしい。少し怪しい健康食品?として、乾燥粉末や錠剤など販売されている。「血液中の脂質量を調整し、血中糖分量を削減する効果の可能性がある」とか、「βグルカン含有量が高いことで知られている」とか、「SOD数値が高く全食品の中でもトップクラスである」とか、ヤマブシタケに含まれる成分の「ヘリセノン」は、「認知症の特効薬として近年注目されている」とか、「免疫力を調整するきのこ」とか、なにやらよく分からないが、さまざまな効果があるようなことが書いてある。しかし医薬品ではないので具体的な効用を書いては違反になるのだろうし、わざわざ「規定により具体的には書けないので良しなにご賢察願いたい」とまで親切に説明してあったりする。
 ある健康食品サイトによると「ヤマブシタケは日本や中国の深山幽谷で、稀に発見されるキノコ」だそうだ。確かにあまり見かけないキノコではあると思う。ただし、僕はコウノトリの郷公園の山でも見たので、深山幽谷にしか発生しないことはないであろう。ちなみにこのキノコは栽培可能で、豊岡市内でも栽培されていたことがある。

 その姿、名前、さまざまな薬効が期待できる成分、、、、心と健康の不安な現代において、野生キノコと縁のない方々には健康食品として粉末や錠剤を購入する人もいるんでしょうね。
 山伏茸 (山伏のようなキノコ)
 写真:平成20年11月3日 豊岡市 コウノトリの郷公園内の山中


円山川下流域の冬鳥観察会

2010.01.31 
コウノトリ市民研究所、コウノトリ湿地ネット、但馬野鳥の会 共催 (参加 約30名)
 豊岡盆地にやってくる冬鳥の観察会。水田にはコハクチョウやマガン、河川にはカモ類、河川敷にはノスリなどの猛禽類がやってきます。それぞれが、餌やねぐらを求めてやってくるわけですが、適した環境が無いと素通りしてしまいます。マガンやコハクチョウがその良い例です。冬季湛水田が広がるにつれて、まだ少ないですが越冬する個体が増えています。
 河川敷のような原野環境も猛禽類の狩場として重要です。円山川の下流域はとても貴重な環境です。

コウノトリの郷公園に集合し、最初は円山川の堤防(立野)に上がる。
ここで、カモ類を見る。以前は出石川に集中していたカモ類は禁猟区が広がったため、円山川に広く分散するようになった。
マガモ、コガモ、ヒドリガモ、オナガガモ、ハシビロガモ。
コウノトリが水田側の電柱に2羽。

冬期湛水田に移動。
コハクチョウが10数羽。スコープで見るとくっきりとしてとてもきれいだ。このまま越冬する可能性が大きい。コハクチョウの越冬は冬期湛水が始まるまでは、見られなかったので、明らかにその効果といえる。
マガンが3羽いた。マガンは秋に豊岡盆地には一時的に立ち寄るケースがほとんどだが、この時期に見られるのは、最近になってから。コハクチョウと共に落穂などを食べる。

円山川に沿って下り、ひのそ島。
カモ類が多い。カワウもいる。カイツブリ、カンムリカイツブリが出現。島の周辺にミサゴがいる。ミサゴは魚をダイビングで捕らえるワシ・タカ類。トビによく似たノスリの姿も見られる。湿地でコウノトリが餌を探している。

楽々浦に到着。
ここは以前よりカモ類が少なくなったが、円山川下流域の禁猟区が広がり、分散したためだと思われる。
マガモ、カルガモ、ヨシガモなど。また、ホシハジロ、キンクロハジロ、スズガモなどの海のガモ類が見られる。

最後はハチゴロウの戸島湿地。
昼寝中のヌートリアを観察。
ここで29種の鳥を見たことを確認して解散。
冬鳥は豊岡盆地の水辺環境の1つの指標です。多くの冬鳥が飛来する環境になるといいですね。
湿地で餌を探すコウノトリが見られたのはうれしいですね。


田んぼの学校2010.01.17 里山観察、足跡や野鳥など、雪遊び


参加者約35名 晴れ

雪が沢山ある中でしたが、午前中は良いお天気で暖かかったです。絶好の観察日でした。
生態展示室で高橋主任研究員から本日観察できそうな鳥の説明を受け、みんなで東公開ゲージのほうへ向かいました。
その往復で、野鳥が15種類を確認、シカの足跡を見たりしました。

アオサギが冬季湛水水田の畦で並んで休憩していました。
セグロセキレイが鳴いていました。
東公開ゾーンではタシギがゆっくりと観察できました。


コウノトリも飛びました。

ジョウビタキのメスがいました。

遠くのほうで、ノスリがトビと追いかけ合い?をしてました。
ホオジロやシロハラもいました。
コウノトリ文化館に戻り、雪遊びをしました。ツララやそりで遊びました。

お昼は、ヨコワ、松葉ガニ、野菜などの入った大鍋と、カニやたらの白子などの混ぜご飯のおにぎりを食べました。
観察された野鳥は15種類でした。カラ類の混群が見れなかったり、種類は少なかったです。
アオサギ、クサシギ、タシギ、ノスリ、ハシボソガラス、ツグミ、ジョウビタキ、セグロセキレイ、キセキレイ、タヒバリ、コウノトリ、ホオジロ、トビ、ヒヨドリ、シロハラ


豊作のブナ


昨年(平成21年)4月にブナの開花について報告したが、昨秋は予想通りブナが大豊作であった。来日山頂付近のブナ林。9月21日である。
小さなイガの中に2~3粒ほどの実が入っている。

シバグリやシイの実を小さくしたような感じで、渋みはなく殻を割ってそのまま食べることも出来る。


豊作の年は大量に実が付くので、クマなどの大型獣にとっても貴重な栄養源になるようだ。

ブナというとかなり標高が高いところにあるので、簡単には見られないように思われるかもしれないが、林道整備で今では車で簡単に見ることが出来る。

 兵庫県の調査でも昨秋はブナ、ミズナラ、コナラが大豊作という結果が出ている。
http://www.wmi-hyogo.jp/tyuui/tyuui09_2.pdf
 確かにコナラなどのドングリ類も豊作で、山を歩くとドングリがざくざく状態のところが沢山あった。10月に有害捕獲されたシカの胃の中を見る機会に恵まれたが、ドングリが沢山入っていた。写真は10月11日、豊岡市内の里山。

 液果類も豊作だったように思う。

これはヤマホウシ、大粒でおいしかったです。

 これは10月12日、別の場所のヤマナシ。私が見た数本なのでサンプル数は少ないですが、みんな良く実が付いていました。 やはり昨秋はクマの出没が少なかったですね。


ナメコ


ナメコ (ハラタケ目モエギタケ科スギタケ属)
Pholiota nameko (T.Ito)S.Ito et Imail in Imai
(滑子)
 西日本の深山キノコの王様はナメコと言われている。私は豊岡周辺の低山を中心にキノコを見ているので、大量にナメコを採ったことがない。村岡や小代の人から大量のナメコを採った話を聞いてはうらやましく思っていた。

 この秋、氷ノ山山系へナメコ採取に連れて行ってもらう機会に恵まれた。11月下旬である。時期的にもう遅いかもと言われていたが、まだ残っていた。ブナ林のブナやミズナラなどの倒木朽木、発生の仕方が豪快である。倒れていない朽木では、手が届かないので口惜しい。倒木なら採取しやすく嬉しい。
 倒木の場合、ナメコのヌメリのため、木の葉の破片や腐葉土などのごみが付きやすい。だから、ごみの付いていないものだけ選んで、付け根を鋏で切って、直接袋で受ける。ごみの付いているやつは絶対に入れない。そうすれば、家で食べるときに掃除をしなくて速やかに食することができるのだ。これも大量に発生しているから出来るのであって、贅沢なことである。簡単にレジ袋半分ほど採取できた。

 野性のナメコのおいしさは、発生途中の小さな栽培品と比べ物にならない。ボリュームもあり、ヌメリ食感、歯ごたえ、味、香り、すべてにおいて数段勝っている。食菌としての優秀さについては多くを記載する必要はなかろう。
写真:平成21年11月29日 香美町村岡区


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