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祥雲寺巣塔で初繁殖

kounotori160213-1 2016年2月12日、朝から祥雲寺巣塔のペアの様子が気になりました。オスが枯草を集めて巣内に運び上げたり、メスが長い時間伏せる様子から、産卵が始まったのではと感じました。昼休みに西自然観察路に入り、尾根の先端から観察を始めました。オスが長い時間伏せていて、下の田んぼで採餌していたメスが巣に戻ったところがこの写真です。巣台がしっかりしているせいか、巣材の枝の量はかなり少ないです。産座はしっかり形成されています。

kounotori160213-2 近くを別のコウノトリが接近し、2羽が警戒のクラッタリングを見せました。メスの足元に卵が1つあるのを確認し、下山後、コウノトリの郷公園に報告を入れました。郷公園職員による追確認が行われ、公式に1卵確認が発表となりました。

その日のうちに、繁殖巣塔へ近づかないよう立て看板が設置され、来園者の協力を呼び掛けています。
繁殖ペアは昨年まで、西に隣接する庄境巣塔(三江小学校校庭内)で子育てをしていましたが、今期になって祥雲寺巣塔で繁殖行動を見せるようになりました。J0012メス7歳×J0021オス6歳です。

抱卵期間は約1ヶ月、続く育雛期間は約2ヶ月。順調にゆけば3月下旬にはヒナが生まれ、5月下旬には巣立ちを迎えます。祥雲寺巣塔周辺は、たくさんの野外コウノトリが集まる場所であり、毎日たくさんの来園者の往来があります。ストレスの大きい祥雲寺巣塔での繁殖は難しいとされてきましたが、今回、このペアが繁殖を始めたことで今後の経過が注目されます。

来園・来館の皆様には、繁殖巣塔に近づきすぎたり、長時間レンズを向けたりといった行為を避け、このペアができるだけ安心して繁殖を続けてゆけるよう、ご配慮をお願い致します。なお、コウノトリ文化館では、館内から営巣状況をスコープで観察してもらえるよう準備をしています。


あなたのまちにコウノトリが飛来したら

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放鳥開始から10年が経過し、コウノトリ野生復帰は新たな局面を迎えようとしています。
豊岡盆地内での自然繁殖の段階から、これからは、豊岡盆地以外の新天地に繁殖地を求めてゆく段階に差し掛かっています。

コウノトリは、もともと繁殖地のロシア・アムール川流域と越冬地の中国・揚子江流域の間を行き来している渡り鳥です。渡りの本能を持った豊岡由来の野外コウノトリは、定着する前の若い個体が単独やグループで、日本国内のあちこちに長距離移動しています。

飛来先のいくつかは、コウノトリの新たな繁殖地として、コウノトリ自身が選択する可能性があります。全国から飛来情報が届きますが、飛来時にどのように対応すればよいのか、このたび、兵庫県立コウノトリの郷公園からガイダンスが発表されました。以下のリンクからPDFのパンフレットをダウンロードしてご利用下さい。

コウノトリ飛来時の対応パンフレット

また、飛来したコウノトリの脚に色の付いた足環が見えたり、その組み合わせが判別できる場合は個体識別が可能です。全国のコウノトリ飛来情報のほとんどは、目撃者の皆様による足環情報に頼っています。

以下のリンクで、足環カタログをダウンロードしてご利用下さい。

コウノトリ足環カタログ

コウノトリの飛来を目撃されたときは、ぜひ、コウノトリの郷公園までお知らせ頂くと助かります。ご協力をよろしくお願い致します。

兵庫県立コウノトリの郷公園
〒668-0814 兵庫県豊岡市祥雲寺字二ヶ谷128番地
TEL (0796)23-5666 FAX (0796)23-6538