ナメコ


ナメコ (ハラタケ目モエギタケ科スギタケ属)
Pholiota nameko (T.Ito)S.Ito et Imail in Imai
(滑子)
 西日本の深山キノコの王様はナメコと言われている。私は豊岡周辺の低山を中心にキノコを見ているので、大量にナメコを採ったことがない。村岡や小代の人から大量のナメコを採った話を聞いてはうらやましく思っていた。

 この秋、氷ノ山山系へナメコ採取に連れて行ってもらう機会に恵まれた。11月下旬である。時期的にもう遅いかもと言われていたが、まだ残っていた。ブナ林のブナやミズナラなどの倒木朽木、発生の仕方が豪快である。倒れていない朽木では、手が届かないので口惜しい。倒木なら採取しやすく嬉しい。
 倒木の場合、ナメコのヌメリのため、木の葉の破片や腐葉土などのごみが付きやすい。だから、ごみの付いていないものだけ選んで、付け根を鋏で切って、直接袋で受ける。ごみの付いているやつは絶対に入れない。そうすれば、家で食べるときに掃除をしなくて速やかに食することができるのだ。これも大量に発生しているから出来るのであって、贅沢なことである。簡単にレジ袋半分ほど採取できた。

 野性のナメコのおいしさは、発生途中の小さな栽培品と比べ物にならない。ボリュームもあり、ヌメリ食感、歯ごたえ、味、香り、すべてにおいて数段勝っている。食菌としての優秀さについては多くを記載する必要はなかろう。
写真:平成21年11月29日 香美町村岡区