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オオヘビガイ

サザエにまさる“禁断”の味
オオヘビガイ
オオヘビガイ(盤足目ムカデガイ科)
 磯に行くとヘビがとぐろを巻いたように、あるいはうねうねと這うように、貝殻のようなものが岩にくっついている。オオヘビガイという巻貝の一種であるが、パイプ状の貝殻は螺旋を描くなど規則性が無く、種としての一定の形を持たない。潮間帯の岩に固着して生活し、潮が満ちるとクモが網を張るように粘液糸を水中に出して、それに付着したプランクトンを食べている。変な生き物である。
 ある本にこの貝が非常に美味で、カキよりも濃い味と書いてある。ずっと気になっていたが、ようやく挑戦する機会に恵まれた。
 岩にしっかりとへばりついているので、手では取れない。本体と岩の間にドライバーなどを合わせてたたいてやると、意外と簡単に脱落する。貝殻を破壊して身を引きずり出し海水で洗って刺身で食してみる。予想以上に美味である。
 僕はもともと貝類は好きなほうであるが、この貝については格別と言って良い。うまく言い表せないが、バイガイとサザエの中間みたいな味で、さらに旨味が濃いのである。肉の部分はこりこり、しゃきしゃきと良好である。肝の部分はアワビ、サザエのそれに近く、ねっとりと濃厚で苦味や生臭さはない。おそらくいろいろな貝類の中でもかなりの上位に位置するであろう。刺身もいいが茹でもすばらしく、甘く深い味である。
 しかし、ツブ、ニシなどと呼ばれる岩場の小型巻貝類と比べ、ほとんど食用の対象とされていない。採集には道具が必要で面倒で、大きさもアワビ、サザエとは比較にならないほど小さく、量を確保するのは大変である。さらに残念なことに潮の干満の差が小さい但馬の海では、生息場所が限られている。だからむやみに食べてはいけない。
 写真は外見と、身を取り出したところ。
NPO法人 コウノトリ市民研究所
主任研究員 稲葉一明
05,4,11掲載


サンインネコノメ


自分のBlogにも情報を載せたが、こちらでも情報提供してこの植物の認知を広めようと思う。
写真は日高町阿瀬渓谷で撮影したサンインネコノメ。今までホクリクネコノメと認識していた種である。専門家の調査でホクリクネコノメの品種のひとつとして1995年にサンインネコノメの和名で新種登録された。
学名はChrysosplenium fauriae Franch f.ferruginiflorum Wakab.et H.Ohba、関宮町大久保のタイプ標本がここに収録されている。
写真で示すとおり、萼(がく)裂片の色が薄茶色であることが、この部分が薄緑色のホクリクネコノメとの識別ポイントとなる。サンインネコノメの分布がどこまで広がっているのか気になるところである。今後山を歩くことがあれば、湿地でサンインネコノメを探してみて欲しい。

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ノビタキ初認


ノビタキ (Stonechat) スズメ目ツグミ科 Saxicola torquata stejnegeri
2000/4/8
2001/4/8
2002/4/6
2003/4/6
2004/4/4
2005/4/3
ここ6年間の私のノビタキ初認日のリストである。週末観察という制限があるので、実際の初飛来日とは最大一週間のズレが生じる可能性はあるが、こうして並べてみるだけでノビタキの渡りが実に精度よく繰り返されていることがわかる。
私は「4月6日はノビタキの日」と勝手に決めているのだが、上記の記録を見ても4月6日±2日の範囲で(今年は1日早いが)初認日が一致する。初認は1羽とか2羽とかを円山川河川敷で見るに過ぎないが、初認から1週間経つと一気にノビタキの数が増え、田んぼの水路沿いの草や杭の上でよく見られる。ここでの春の観察期間は2週間。彼らは急かされるように北に向かい、そこで繁殖活動を始めるのだ。豊岡盆地は彼らの通過地点。再び会えるのは9月中旬以降の南への渡り時期。つまりこのノビタキ、豊岡盆地の「春告げ鳥」であり、「秋告げ鳥」なのである。
写真:2005/4/3 豊岡市野上堤外


ヒオドシチョウ


タテハチョウ科のチョウは成虫で越冬するものが多い。春先の野山で美しいタテハチョウに出会うのは嬉しい。日高町の阿瀬渓谷でヒオドシチョウに出会った。
道に転がっていたイノシシの骨だけの死骸の側の足だけの部分に、このヒオドシチョウが止まって死汁を吸っていた。花の季節には少し早い山。チョウも動物の死骸に寄ってくるのを知って意外だった。
その写真を撮ろうと近寄ったらあっという間に逃げられてしまった。しばらく待って戻ってきたけど、警戒されて死肉には止まってくれなかった。


センボンイチメガサ

センボンイチメガサ
2004.10.2 豊岡市目坂
センボンイチメガサ ハラタケ目 モエギタケ科 センボンイチメガサ属
Kuehneromyces mutabilis (Schaeff.:Fr.) Sing.et A.H.Smith
千本市女笠
ホームページの新装に際し、但馬のキノコも新たなステージに変身しようと思う。
 まず、学名を記す。しかし僕には学名そのものが良く分かっていない。とりあえず図鑑に書いてあるとおり記す。
 つぎに、僕には同定不能のものについてもあげていくことにする。可能であれば、諸先生方のコメントをいただき、検討したい。
 また、4月1日付で、「但馬幼菌の会」を発足した。会員は、僕と、豊岡市日高町の但馬変人クラブ所属のF氏の二人である。幼菌の会のH先生のコメントを期待して「但馬幼菌の会」と命名した。
 F氏については、但馬変人クラブホームページで但馬のキノコについての情報を順次取り上げられていくことと思う。本会の活動により、今後但馬のキノコ相の解明が進むことを期待している。
  http://tajihenclb.web.infoseek.co.jp/index.html

 さて、新但馬のキノコの第一番目は、センボンイチメガサである。広葉樹または針葉樹の切り株などに束生、群生する傘の径3~6センチ程度のキノコである。食用キノコであるが、どの図鑑を見ても猛毒のコレラタケ(ドクアジロガサ)に似ているので要注意と書いてある。つばが明瞭でささくれもあるのでセンボンイチメガサに違いないと思うが、なかなか食べる勇気は無い。
 趣のある和名である。
 千本:たくさん群生する様を表す。
 市女笠:かぶり笠の一。菅(すげ)などで編み、中央に高く巾子形(こじがた)という突起を作った笠。市女が使用したのでこの名を生じたが、平安中期ごろには上流の女性の外出用となり、男子も雨天のときなどに用いた。
 市女:市で物を商う女
センボンイチメガサ2


ニュースレター 2005年4月号

コウノトリ市民研究所2005-4月ニュースレター
☆トピックス
○4月1日ホームページリニューアルオープン!
  新しい情報をお届けしやすい形で再登場いたします。
 ○今年もサントリー世界愛鳥基金の対象になりました。
  4月19日東京で贈呈式
 ○2005年度総会は5月8日です。
  13:00 コウノピアにて
 ○田んぼの学校 コウノピア9時半集合
  今年度も田んぼの学校やります。
  毎月第2日曜に「田んぼの学校」を実施します。
  
☆コウノトリ市民研究所4月の行事案内
 ○「タンポポ調査」
  日時:4月10日(日)9:30~コウノピア集合
  豊岡盆地のタンポポ調査。外来種、在来種の分布を班に分かれて調べます。
 
コウノトリ市民研究所も「タンポポ調査・近畿2005」に参加します。
  http://www.nature.or.jp/shoko/Tampopo/Kinki_2005/
  豊岡盆地には7種類くらいのタンポポがありそうです。今年は春が遅くて、
在来タンポポは、まだつぼみかもしれませんが、きっと外来タンポポはたく
さん咲いています。雨が降ったら説明会をします。
  
☆生き物関連行事のご案内
 ○白雲山登山、山菜取り(市民参加の森づくり事業)
4月17日 9時法花寺公民館集合、2時ごろまで
  詳細は豊岡市農政課まで
 ○円山川清掃
  日時 4月17日(日)13時より小雨でも決行いたします。 
  場所 豊岡市土渕 円山川運動公園付近(集合場所:円山川運動公園入口)
  清掃作業 午後1時15分~4時30分
  主催 円山川「菜の花の会」
  協賛 国土交通省近畿地方整備局豊岡河川国道事務所
  お問合わせ先 ・岡本昭治 0796-23-4091
  
☆2005年度コウノトリ市民研究所の年間行事予定
 ○田んぼの学校 コウノピア9時半集合
  毎月第2日曜は「田んぼの学校」を実施します。
  田んぼやその周辺で遊んだり、生き物調査をします。
  お昼は鍋をします。食べて解散。
  コウノピアに9時半集合。
  児童は参加費一人100円。保護者同伴。
 4月10日(第2日曜)タンポポ調査
 5月 8日(第2日曜)田んぼ
 6月12日(第2日曜)田んぼ
 7月10日(第2日曜)田んぼ・川
   8月14日(第2日曜)休み
 9月11日(第2日曜)郷公園でバッタ
10月 9日(第2日曜)郷公園でアカトンボ
11月13日(第2日曜)里山
12月11日(第2日曜)里山
 1月 9日(第2日曜)野鳥調査
 2月12日(第2日曜)食べる会
 3月12日(第2日曜)アカガエル調査
 ○豊岡盆地の生き物調査
   タンポポ調査 4月~5月(4月10日など)
  ホタル調査(予定) 5月~6月
  河川魚類調査(予定)7月~8月
  ビオトープ生き物調査
   豊岡市内の転作田ビオトープの生き物調査も予定しています。
   順次ご案内します。
 ○その他
  通常総会 5月8日13:00 コウノピアにて
☆情報局からのお知らせ
4月1日ホームページリニューアルオープン!
  新しい情報をお届けしやすい形で再登場いたします。
<コウノトリ市民研究所ホームページ情報> http://kounotori.org/
 ●「ながぐつ観察記」 タイコウチ タンポポ調査近畿2005
 <毎日新聞「ながぐつ観察記」連載情報>
  3月13日掲載  3月30日掲載
 ・掲載希望の方は事務局までご連絡ください。
☆事務局からのお知らせ
*会費未納の方は、行事参加の折に納入してください。
 行事へはなかなか参加できないが、活動の趣旨に賛同し協力会員となりたい
 と言う方は、下記へ会費を振込みいただければ幸いです。
 金融機関名:但馬信用金庫 本店
 口座番号:普通口座 0666057
 口座名義人:特定非営利活動法人コウノトリ市民研究所 代表理事上田尚志
*インターネットアドレスをお持ちの方は、メーリングリストに加入してください。
このニュースレターもネット配信いたします。加入についてはホームページを参照し
てください。 http://kounotori.org/
*コウノトリ市民研究所の行事は自己責任で対応願います。
 行事での事故等について市民研究所では責任がもてません。すべて参加者の自己責
任でお願いします。


リニューアルオープン

2005年度の活動が始まりました。これにあわせ、コウノトリ市民研究所WEBもリニューアルします。ページコンセプトは従来どおりですが、スタッフサイドのメンテ性向上のためにBlogを導入しました。
今まで同様、よろしくお願い致します。


2005年Webリニューアル準備

誰でも見やすく、トップページを印刷すれば全体が見渡せる、というコンセプトのもとに2001年にオープンしたこのサイト。2005年度より思い切って全面改装を行うことにしました。
今まで特に意識してきたことは、古いブラウザでもちゃんと表示できて情報が正しく伝わるということ。しかし、ここにきて、もうIE4だのNN4.7だのを意識して我慢のページ作りをすることもないだろうと割り切るにいたりました。
そのきっかけとなる新技術がBlogです。ひとつのBlogを複数スタッフで共同メンテすることで、手間いらずの、体裁のよい、データベース管理のできる、そんなページ作りが可能となります。
プロトタイプは2月3日節分の日にスタッフにプレリリースしました。公開までの間、すこしずつチューニングして仕上げてゆくことにします。また、3つあった画像掲示板(生き物ニュース、コウノトリみーつけた、交流広場)は1本にまとめて話題の分散を防ぎます。コウノトリみーつけたはネタも切れましたし、いよいよ放鳥が始まりホンモノが空を飛びますので、役目を終えたと判断します。街で見かけたコウノトリオブジェは、引き続き新しい掲示板に投稿してもらえばと思います。


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