上田 尚志 一覧

田んぼの学校・奈佐路

谷間にある、とても環境のよいビオトープです。水の管理がしっかりと行われています。ここにコウノトリの巣塔も立っています。

植物は、ヒシが多く、コナギ、クログワイが目立ちました。

雨が降り、子どもたちは少なめでしたが、大人も入れて40人ぐらいになりました。途中かなり雨あしが強まりました。

ドジョウが多く、ゲンゴロウ類もたくさんいます。クロゲンゴロウ、シマゲンゴロウ、コシマゲンゴロウ、マルガタゲンゴロウ、ハイイロゲンゴロウの5種類。ガムシ類は、ガムシ、コガムシ、ヒメガムシの3種類。タイコウチ、ミズカマキリ、オオコオイムシ、マツモムシと定番が出そろいました。変わったところでは、アカザがまぎれ込んでいました。取水口からだと思います。


ツチガエルがいました。まだ、上陸したばかりです。オタマジャクシもいました。これもツチガエルだと思います。ツチガエルは遅くまで産卵し、オタマは越冬することもあるそうです。遅くなると、田んぼの水温があがるというリスクがあり、普通のカエルは7月のはじめには、上陸します。夏場の田んぼの水はお湯のようになっています。
ツチガエルが平地の田んぼに住めないのは、水温が高すぎることも一因だと思います。今回のビオトープは谷川から水を引いており、水がよく循環しています。


アカガエル調査続報

2月のアカガエル調査の続報です。


<卵塊数(一部追加)>
文化館の溝                   4
西の谷ビオトープ(文化館裏)     295
東の谷ビオト-プ(公開ゾーン)    262
東の谷展望台へのビオトープ    314(ヤマアカガエルの死体1)
東の谷観察サイト裏の池     150 (たくさんの卵塊が集合している)
西の谷と東の谷の中央のビオトープ   0
西の谷 299、東の谷 726  合計1025 となりました。

1卵塊に2000個としても、2000×1000=2000000 200万の小さなオタマジャクシが生まれるということですね。このオタマジャクシを資源に、多くの動物たちが生きていきます。

少し見にくいですが、この個体は目の後ろの線が曲がる。腹側に大きな斑点が多い、などの特徴からヤマアカガエルと判断しました。この個体がいたビオトープでは例年ヤマアカガエルの子ガエルが見られます。しかし、ほとんどの卵塊はニホンアカガエルのものと考えています。初期の卵塊を手ですくった時のまとまり感?、周辺での越冬個体にニホンアカガエルが多く見られること、オタマジャクシの段階で背中に斑点が出るものが多いこと、上陸したばかりの子ガエルにニホンアカガエルの方が多いこと、などが根拠です。


円山川下流域の冬鳥観察会

2010.01.31 
コウノトリ市民研究所、コウノトリ湿地ネット、但馬野鳥の会 共催 (参加 約30名)
 豊岡盆地にやってくる冬鳥の観察会。水田にはコハクチョウやマガン、河川にはカモ類、河川敷にはノスリなどの猛禽類がやってきます。それぞれが、餌やねぐらを求めてやってくるわけですが、適した環境が無いと素通りしてしまいます。マガンやコハクチョウがその良い例です。冬季湛水田が広がるにつれて、まだ少ないですが越冬する個体が増えています。
 河川敷のような原野環境も猛禽類の狩場として重要です。円山川の下流域はとても貴重な環境です。

コウノトリの郷公園に集合し、最初は円山川の堤防(立野)に上がる。
ここで、カモ類を見る。以前は出石川に集中していたカモ類は禁猟区が広がったため、円山川に広く分散するようになった。
マガモ、コガモ、ヒドリガモ、オナガガモ、ハシビロガモ。
コウノトリが水田側の電柱に2羽。

冬期湛水田に移動。
コハクチョウが10数羽。スコープで見るとくっきりとしてとてもきれいだ。このまま越冬する可能性が大きい。コハクチョウの越冬は冬期湛水が始まるまでは、見られなかったので、明らかにその効果といえる。
マガンが3羽いた。マガンは秋に豊岡盆地には一時的に立ち寄るケースがほとんどだが、この時期に見られるのは、最近になってから。コハクチョウと共に落穂などを食べる。

円山川に沿って下り、ひのそ島。
カモ類が多い。カワウもいる。カイツブリ、カンムリカイツブリが出現。島の周辺にミサゴがいる。ミサゴは魚をダイビングで捕らえるワシ・タカ類。トビによく似たノスリの姿も見られる。湿地でコウノトリが餌を探している。

楽々浦に到着。
ここは以前よりカモ類が少なくなったが、円山川下流域の禁猟区が広がり、分散したためだと思われる。
マガモ、カルガモ、ヨシガモなど。また、ホシハジロ、キンクロハジロ、スズガモなどの海のガモ類が見られる。

最後はハチゴロウの戸島湿地。
昼寝中のヌートリアを観察。
ここで29種の鳥を見たことを確認して解散。
冬鳥は豊岡盆地の水辺環境の1つの指標です。多くの冬鳥が飛来する環境になるといいですね。
湿地で餌を探すコウノトリが見られたのはうれしいですね。


田んぼの学校11月

11月は落ち葉拾い・薪づくりなど
参加者30人
ドングリや落ち葉を拾ったり、ネーチャーゲームをして遊びました。
アベマキのドングリを探しました。
もう遅いかと思いましたが、案外たくさんありました。大きなドングリを見つけた人もありました。
シイの木もありますが、少ししか落ちていません。落ち葉の中からニホンアカガエルとアマガエルが出てきました。

途中で目を閉じて自然の音を聞く。カラス、水の音、・・・。

早めに帰って、焼き芋。砂丘で育ったサツマイモ。甘くておいしかったですね。
郷公園の柿とシイの実を食べて、恒例の鍋。良い天気で楽しい1日でした。


田んぼの学校10月

10月18日晴れ
アカトンボ調査 参加者60名
いつも秋には参加者が減るので、少人数の調査かなと考えていましたが、予想を超える参加者がありました。
朝から晴れて、霧も出てないので、絶好の調査日和かと思いましたが、少し風が強かったようです。郷公園内と前の水田の調査をしました。

風が強い日は建物の近くに多くみられます。最初、芝生広場でトンボとり。

ビオトープまで歩きました。調査員の大半は幼稚園以下の子どもたちでしたが、がんばりました。

東のビオトープは、予想よりアカトンボは少いようです。池のように水が溜まっていると産卵しにくいのでしょうか。

種類分けはかなり難航しましたが、何とか結果がまとまりました。
アキアカネ(♂)28(♀)83  ナツアカネ(♂)17(♀)10  ノシメトンボ(♂)0(♀)6  キトンボ1
計 145匹でした。
カンパチの鍋はサツマイモが甘くてとてもおいしかったです。


アベマキのドングリ

コウノトリの郷公園でアベマキのドングリをたくさん拾いました。あまり落ちていないので、大収穫でした。

アベマキのドングリはどうしてあんなに大きくてもじゃもじゃの帽子をかぶっているのか、今日答がわかりました。あれはきっと隠れ蓑です。帽子ごと落ちてドングリを隠します。そして、その下で根をだします。帽子から出てしまったドングリは、よく目立つので、すぐに見つかって食べられてしまいます。ただし、リスに運ばれて、忘れられたものが芽を出すというのもありましたね。

大きな帽子で隠れています。

裏返すとしっかりと根が出ています。隠れ蓑説、どうでしょうか。


アカマダラコガネ


コウノトリの巣から見つかったので話題になったアカマダラコガネ。兵庫県では絶滅種といわれていた。実際には、但馬でも近年発見されている。里山の自然の中で、生活する虫の1つだ。

オレンジと黒のまだら模様。なかなかかっこいい虫だ。


モリアオガエルの産卵


ビオトープではモリアオガエルが産卵を始めた。シュレーゲルアオガエルより少し遅れて産卵期に入る。中には地表近くの草の上に産卵しているものもいる。

最近、成体になかなか出会えない。以前は、卵塊のある木の幹をたどっていくと、すぐに見つかったのに。枝をゆすってみると、緑の物体が水面に落ちた。小さな木の実が落ちたように見えたが、近くで見ると、底の泥に半分埋まったカエルがいた。手にとって見ると、眠そうな目をしていた。

こちらはアマガエル。昼間から元気いっぱい。大きなペットボトルに入れてしばらく観察した。アマガエルはアオガエル科とは別のアマガエル科。姿は似ているが、別グループ。


カエルの産卵

文化館の裏のビオトープでカエルの卵を見つけた。この時期だと、トノサマガエルかウシガエル。昨年トノサマガエルの実績があるので多分そうだと思うが、かなり発生が進んでいる。トノサマガエルの卵塊は、アカガエルほど見つからない。

ビオトープではニホンアカガエルのオタマジャクシが大きくなった。顔をアップしてみると、トノサマガエルとかなり似ている。


田んぼの学校

タンポポ調査、春の野草を食べる
4月19日 晴れ 参加者100人以上
タンポポ調査では過去最高の参加者数。鍋と野草を食べる会が少し心配。それにしても、この時期に、これだけ参加していただけるのは、スタッフとしてはうれしい。
コウノトリの郷公園の前でスミレの観察をした後、長い列になって、出発。ここでは、コンクリートの隙間に生えるヒメスミレを見る。農道に出ると、アリアケスミレ、ツボスミレがある。さっそくセイヨウタンポポも出現。

やがて、紫色の濃いスミレ(種名)、シロバナタンポポも道端にみられる。オオイヌノフグリ、オランダミミナグサ、ヒメオドリコソウ、ウマノアシガタ、ヘビイチゴ、オオジシバリ、ホトケノザ、カキドオシなど、いろいろな春の草花が咲いている。

小遠足ぐらいの距離を歩き、集落の一番奥まで来ると、やっと日本の黄色いタンポポに出あえる。棚田ののり面のあちこちに、咲いていた。


ヤマザトタンポポを見て、元気のある人は、さらに奥のクシバタンポポを観察した。ヤマザトタンポポは花の色がレモンイエロー。セイヨウタンポポのようにぎらぎらした黄色ではないので、少しやさしい感じがする。


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