2005年08月 一覧

ヤマセミ

ただいま渓流漁見習い中

ヤマセミ(Greater Pied Kingfisher)
ブッポウソウ目カワセミ科 Ceryle lugubris
 カワセミはすっかりおなじみだが、同じ仲間のヤマセミはそう簡単に見つかる鳥ではない。この鳥の姿や生態をすぐにイメージできる人は、きっと自然系に興味のある人に違いない。
 カワセミが「川」ならヤマセミは「山」という生活区分の連想は間違いではない。しかしヤマセミは意外にも大きな河川の中流域でも見られる鳥だ。渓流の鳥という先入観に固執しないほうがよい。
 カヌーで川下りすると、静かな淵の上にかかる枝からハト大の白い鳥が下流に向かって飛び立つ。私のヤマセミとの出会いは大概がカヌーの上からである。地上から近づける場所でヤマセミを観察するのはなかなか難しいのである。
 私がヤマセミの写真を初めて撮ったのは6年前。カヌーで見つけたポイントに何度も通いつめて、ようやく川向こうに現われたときは感動した。その翌年も別のポイントで撮影し、それを最後にヤマセミ写真とは縁遠くなった。
 先月初めのことだ。谷道を遡りながらヤマセミとすれ違った。車から降りて捜索すると、堰堤の前後で数羽のヤマセミを観察できた。堰堤の深みでしきりにダイビングを繰り返す2羽は巣立ったばかりの幼鳥。観察中魚取りには一度も成功しなかったが、すぐにも一人で生き抜くための力を身に付けるだろう。
 ヤマセミは非常に警戒心の強い鳥で撮影が難しいが、ここの幼鳥はとても友好的だった。堰堤下のネムノキの木陰で休憩するヤマセミのやんちゃ坊主に、レンズ越しに「頑張れよ」とエールを送った。
文と写真 NPO法人コウノトリ市民研究所・高橋 信
※2005年8月28日掲載


臨時田んぼの学校福田地区05,07,31

臨時田んぼの学校 福田ビオトープ 05,07,31
 
 参加者:約50人
 福田地区のコウノトリ祭り。
 朝はあいにくの雨で。田んぼの学校や魚つかみなどはいったん中止となった。
 僕は時間ができたのでコウノトリの写真を撮りに行ったのだが、しばらくすると田んぼの学校のリクエストが多いので昼からすることになったという連絡が入った。

 結構な人数になりました。
 記録された生き物は、上田さんお願いします。
 福田地区のコウノトリ祭りもお昼、前からは雨も上がり大盛況。
 コウノトリレンジャーも初お披露目でした。


野上ビオトープ05,08,20


野生コウノトリの採餌2
野上ビオトープ 05,08,20
 八五郎は8月になっても野上ビオトープをよく利用している。
 今日観察していると1時間半ほどの間にドジョウを4匹と、カエルやその他よく判らないものを食べていた。結構餌があるのだ。
 バッタ類も良く食べている。これ、ショウリョウバッタ


コウノトリの採餌


野上ビオトープ 05,08,05
 野上のビオトープは一時期水が落とされていて、雑草対策が採られていたが、真夏になってからしっかりと水が張られて、待ちかねていたように八五郎が利用するようになった。
 最近、出勤前に八五郎の観察をしているが、この日ようやくドジョウを食べているところを確認し、かろうじて写真に収める事ができた。
 一緒にいるチュウサギ?のほうは、もっと上手にねらいを定めて省力的にドジョウを捕っている。コウノトリは餌を捕るのが下手で、かなり偶然に頼った捕り方だ。
 6月のオタマジャクシの多い時期だけでなく、8月に入ってからもビオトープを利用しているというのは、僕としてはうれしいことである。


ニュースレター 2005年8月号

コウノトリ市民研究所2005-8月ニュースレター
☆トピックス
 ○コウノトリ試験放鳥9月24日
  いよいよコウノトリの放鳥がカウントダウンに入りました。
  9月24日午後2時ごろにコウノトリの郷公園から5羽がハード
  リリースされる予定です。
  また、8月5日でハチゴロウが豊岡にやってきて丸3年になります。
「第3回コウノトリ未来国際かいぎ」参加申し込み等は
  豊岡市役所コウノトリ共生課まで(市のホームページからもできます。)
  
 
☆コウノトリ市民研究所8月の行事案内
 ○「六方川調査」
  日時:8月21日(日)9:30~コウノピア集合
  六方川の生物調査をします。濡れてもいい服装で着てください。
  現地まで車で乗り合わせて移動します。(県環境政策課委託事業)
 
☆生き物関連行事のご案内
○「里山の生き物観察」
  日時:8月9日(火)10:00~15:00 コウノピア集合
  コウノトリの郷公園の里山の自然観察をします。午前中は水辺、午後は雑
  木林の予定です。昼食と水筒などが必要。
参加費が大人1000円、子ども500円
参加申し込みが必要です。案内ビラはコウノピアにあります。
(但馬の自然を語る連絡会と県民局環境課主催)
 ○竹野スノーケルセンター関係
  8月9日(火)~8月10日(水) 
  エコツアー 魚になろう スノーケルキャンプ(宿泊はキャンプ場)
  1泊3食付き・税込み 大人8300円 小学生(4年生以上)6800円
  スノーケル教室2回、ナイトハイキング、朝の観察会など。
  泳げない人でも大丈夫。入湯税は別になります。
☆2005年度コウノトリ市民研究所の年間行事予定
 ○田んぼの学校 コウノピア9時半集合
  毎月第2日曜は「田んぼの学校」を実施します。
  田んぼやその周辺で遊んだり、生き物調査をします。
  お昼は鍋をします。食べて解散。
  コウノピアに9時半集合。
  児童は参加費一人100円。保護者同伴。
 4月10日(第2日曜)タンポポ調査
 5月 8日(第2日曜)田んぼ
 6月12日(第2日曜)田んぼ
 7月10日(第2日曜)田んぼ・川
 8月14日(第2日曜)休み
 9月11日(第2日曜)郷公園でバッタ
10月 9日(第2日曜)郷公園でアカトンボ
11月13日(第2日曜)里山
12月11日(第2日曜)里山
 1月 9日(第2日曜)野鳥調査
 2月12日(第2日曜)食べる会
 3月12日(第2日曜)アカガエル調査
 ○豊岡盆地の生き物調査
   タンポポ調査 4月~5月(4月10日など)
  ホタル調査  5月~6月
  六方川調査  8月21日(日)
  福田ビオトープ調査 6月26日、7月31日
   順次ご案内します。
☆情報局からのお知らせ
<コウノトリ市民研究所ホームページ情報> http://kounotori.org/
 ●「テーマ別フォトコラム」
 ●「活動記録」田んぼの学校 臨時田んぼの学校
 ●「ながぐつ観察記」 イシガメ ハンゲショウ
 <毎日新聞「ながぐつ観察記」連載情報>
  7月10日 7月24日 掲載
 ・掲載希望の方は事務局までご連絡ください。
☆事務局からのお知らせ
*会費未納の方は、行事参加の折に納入してください。
 行事へはなかなか参加できないが、活動の趣旨に賛同し協力会員となりたい
 と言う方は、下記へ会費を振込みいただければ幸いです。
 金融機関名:但馬信用金庫 本店
 口座番号:普通口座 0666057
 口座名義人:特定非営利活動法人コウノトリ市民研究所 代表理事上田尚志
*インターネットアドレスをお持ちの方は、メーリングリストに加入してください。
このニュースレターもネット配信いたします。加入についてはホームページを参照し
てください。 http://kounotori.org/
*コウノトリ市民研究所の行事は自己責任で対応願います。
 行事での事故等について市民研究所では責任がもてません。すべて参加者の自己責
任でお願いします。


野生コウノトリ豊岡飛来三周年記念


コウノトリ(コウノトリ目 コウノトリ科)
 野生コウノトリが豊岡に飛来して丸3年が経過した。このコウノトリはオスである。8月5日に来たのだからハチゴロウという愛称も定着してしまったようだ。
 彼はコウノトリの野生復帰を進めるこの地域の人々に多くの示唆を与えてくれた。田んぼや河川敷にビオトープを作れば、そこに舞い降りて「こういう場所がよろしいのである。」と教えてくれる。最初の冬には独身の癖にひとりで巣を作って、「早く仲間を放鳥するように。」と強く催促した。最初はケージの屋根に巣を作り、どこにでも作るのだなあと関係者を驚かせたが、3回目には松ノ木の上に巣を掛け、「やはりアカマツの方がよろしい。」と里山の再生を促した。
 彼は三江小学校のヒマラヤスギに止まって、授業を急きょコウノトリの観察に変更させ、地元の子供たちを大いに喜ばせた。子供たちが通学する横の田んぼで餌をついばみ、40年以上以前の風景を復活させた。また、市民研究所の行事で田んぼの学校などを行っていると、しばしば様子を見に上空を舞ってくれた。サービス精神が旺盛である。
 さて、僕はもともとコウノトリなどには興味が無い人間であった。コウノトリよりもキノコやカニなどの方が重要である。しかし、最近コウノトリが好きになって来ている。あることがきっかけで、仕事でハチゴロウ追跡調査する機会に恵まれた。じっくりと見れば見るほど美しい鳥である。大空を舞う姿は雄大でしびれるものがある。僕は仕事が終了してからも休みの日には観察するようになった。
 彼はとても頭が良く、観察者の顔を覚えている。5回目ぐらいになると、完全に僕の顔を覚えてくれた。この間などは、遠くからじっと見詰め、僕であることを確認すると軽く会釈をしてくれた。認めてもらえると嬉しいものである。
 いよいよ9月24日に放鳥が行われる。豊岡に住む人たちも実際の野生コウノトリを見たことのある人はまだまだ少ないだろう。しかしこれからは豊岡の景色が変わっていくことに気がつくだろう。ふと見上げると大空をゆったりとコウノトリが舞っている。田んぼを見るとコウノトリが餌をついばんでいる。円山川の堤防を行けば、浅瀬にコウノトリがたたずんでいる。
 コウノトリを好きな人がどんどん増えていけば良い。あちらも人間のことが嫌いではなさそうです。
NPO法人 コウノトリ市民研究所
主任研究員 稲葉一明
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昨年3月、『「美しい」が未来の原点』というタイトルで本コラムにハチゴロウを書いた。豊岡市民として長年ケージの中のコウノトリを見慣れているはずなのに、その美しさに気づかせてくれたのは野生のハチゴロウだった。
白き美しい鳥と一緒に暮らすこと。その無垢な喜びを胸に抱くことから、豊岡の街づくりは始まって行くのではなかろうか。豊岡の空を舞うコウノトリを見て、ひとりでも多くの人が「美しい」と感じてくれることを願っている。
高橋信
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 八五郎の飛び回る場所が決まってしまって面白くない。だって、訪ねてきてくれないんだもの。私のところに来てくれたのは1度だけ。南の空を見ると高いところを白い鳥がくるくると回っている。鳥を見るのは素人だから自信がないが、じっと見ているうちにコウノトリと確信。八五郎は私の学校(八条小学校)の上を巡回してから、おもむろに妙楽寺の方に進路を変え、やがて鉄塔の上に止まった。高橋さんの職場の隣だ。きっと私達に挨拶に来たのだと思った。この時の写真は私の名刺に使われている。もちろん、フォトバイ高橋。
 さて、私はどうしたか?職員室に降りて、全校放送をした。一緒に眺めていると子ども達は「前にも見たで」と言うし、家に帰ると母がうちの上にも来ていたと言うし、あの頃はよかったなあと思う。でもまあ、10月になれば、別のが来るのだろうなあと期待している。
菅村定昌
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僕にとって八五郎の姿は衝撃的だった。彼は空の向こうから
ゆっくりと僕のいる方へやってきた。これがコウノトリか!大きな翼を
いっぱいに広げて優雅に舞う姿に、僕は素直に感動した。
野生復帰に向けたさまざまな努力と試みの意味が、そのときすぐに理解できた。
「あんなふうに空を飛んでみたいなあ」「そうかい。空から見る豊岡はなかなか
住みよいよ。大きな川や田んぼもあるしね。でもどうして他の仲間は飛べないの?
早く一緒に暮らしたいのになあ。」八五郎のそんな思いに、僕は野生復帰へ
の思いをより強くしたのだった。
竹田正義
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