稲葉 一明 一覧

田んぼの学校20110220 冬の田んぼ、アカガエル調査


冬の田んぼ、アカガエル調査
晴れ、参加者12人
ようやく雪も溶けて来ましたが、コウノトリの郷公園の場所はやけに雪が残っています。祥雲寺は豊岡の中でも雪の良く積もるところですね。なかなか溶けない。
今回も、参加者は非常に少なかったですが、3家族でした。

いざ東公開ゾーンへ、アカガエルの卵探し。まだ山の斜面の半分くらい雪が堆積していて、今年はまだアカガエルは産卵できていないと思いましたが、大槻主任研究員が、卵塊のたまり場のようなところを一箇所発見しました。
卵塊で20ぐらいでしょうか。雪がまだ残る状態で、産卵場所は同じところに集中していました。


産卵後少し時間のたっているものや、まだ生み立てと思わしきものとがありましたが、いずれも卵の発生は進んでおらず、丸くて黒い粒です。
卵が見つかり子供たちも大喜びでした。

イトトンボヤゴや、ヒメゲンゴロウ、ゲンゴロウ類のヤゴ、ミズムシなども観察できました。

お昼は、カキなべを食べました。


スッポン


スッポン (カメ目 スッポン科Trionyx sinensis japonicus)

 野生のスッポンはあまり見かけないが、豊岡盆地にも棲息している。田んぼの学校で郷公園の前の鎌谷川でも見つかったことがあるし、六方田んぼで捕まえたこともある。スッポンは食用として各地で養殖されているが、野生のスッポンがどのくらい生息していて、絶滅の危険があるのかどうかはよく分かっていないようである。しかし、豊岡盆地ではしっかりと生息しているといってよいと思う。

 生息場所はイシガメやクサガメとほぼ一致するようであるが、これらのカメと違って甲羅が柔らかく、顔がとがっていて、間違えようがない。肉食であごの力が強く、一度噛み付いたら何があっても放さないと言われるように、うっかり噛み付かれると大怪我をすることもあるから注意が必要。力ずくで離そうとするとますます食いついてくる。水に浸けてやると逃げていくようである。

 スッポンは精が付く、コラーゲン豊富で美容に良いなどと、食用として妙な人気がある。私は養殖しか食べたことがないが、たしかに美味しかった。うわさでは野生のスッポンは養殖ものとは比べ物にならないほど効果が高いといわれているが、実際はどうなのであろうか。六方田んぼで甲羅25センチほどの食べごろの野生スッポンを捕獲した。真夏に水を張った休耕田にカエル等を食べに来ているのであろうか、湯のように高温の浅い水中に、緩慢な動きで2匹おり、そのうち1匹の捕獲に成功した。

 
 食するにはしばらく真水に入れて泥を吐かせるのが良いというので、家で飼育していたのだが、2週間もたつと愛着が出てしまい、つい餌をやったりして、とても食べることが出来なくなってしまった。仕方がないので元の場所に逃がしてやった。

 スッポンは、田んぼの中を進んでいき、一度だけ私のほうを振り返って、やがて泥の中にもぐって姿が見えなくなってしまった。
 
 いつか野生のスッポンを食べてみたいと思っている。


田んぼの学校2011.01.16 里山観察、足跡や野鳥など、雪遊び


参加者スタッフ入れて10名。 雪。
但馬北部は昨夜から大雪警報が出て、朝起きてみるとかなりの新雪、市街地で30~40cmの積雪。
車を出すのが大変でした。さすがに今日は参加者がいないのではないかと思いましたが、1組の親子の参加がありました。唯一の子供は、そりに乗って、お父さんが引っ張って出陣。親は大変だが子供は大喜び。

雪の中、東公開ゲージの方まで野鳥を見に行きましたが、鳥もほとんどいませんでした。
ホオジロ、ミヤマホオジロ、セグロセキレイ、タシギ、クサシギ、アオサギ、トビ、キジバト、カラス、などが確認できました。天候が悪いので、鳥もあまり姿を見せてくれませんでした。

人工巣等の上で、トビが何か食べているのが観察できました。獲物は何か確認できませんでしたが灰色の羽をむしってました。
文化館に戻り、雪遊びをして、ブリと大根の鍋を食べました。
なかなか身動きの取れない大雪の中、田んぼの学校開校以来初の一般参加者ゼロになるかと思いましたが、何とか実施することが出来ました。


ニホンミツバチの分蜂


ニホンミツバチの分蜂
 豊岡市街地のある庭にミツバチの塊が出現した。日本ミツバチの分蜂である。
 ミツバチは一匹の女王バチと多くの働きバチが群れで巣を作って生活しているが、新しい女王バチが生まれると古い女王バチは働きバチを連れて巣を出て行き、新しい巣へ引越しする。その引越し作業中に沢山のハチが塊を作った状態になり、それを分蜂球という。

この状態は一時的なもので、先に働きバチが巣を出て、女王バチと合流し分蜂球となり、さらに巣を作るのに適した場所へ移動していくらしい。ニホンミツバチは、変に刺激してやらなければあまり人を刺さない。分蜂球を近くで観察していても、攻撃してくるような気配はない。だから、もし庭に分蜂球が出来たとしても大騒ぎする必要はない。そっとしておいてやるべきである。
分蜂球が出来たら、その近くに巣を作りやすいミツバチ巣箱的なものや、建物の屋根裏などちょっとした隙間があれば、巣を作る可能性がある。だから日本ミツバチの巣が出来たら困るのであれば要観察である。

 多くの場合は春から夏にかけて分蜂は起きるが、秋に出現することもある。写真は10月16日。飼育されているニホンミツバチの場合は、この分蜂が始まったら巣別れの群れを追いかけて分蜂球を確認し、それを捕獲して別の巣箱に入れて、巣箱を増やしていくようである。
 なお、飼育ミツバチの主流はセイヨウミツバチだが、ニホンミツバチを趣味で飼育している人もいる。但馬でも飼育している方はいらっしゃるようである。

ニホンミツバチは豊岡市街地でも普通に見られ、里山などで野生の巣もよく見かける。
写真
  分蜂球    平成22年10月16日 豊岡市大磯町
  石塔の蜂の巣 平成21年8月16日 豊岡市妙楽寺


ムキタケ


ムキタケ (ヒダナシタケ目キシメジ科ワサビタケ属)
Panellus serotinus(Pers.:Fr.)Kuhn.
(剥茸)

 晩秋、深山のブナ倒木枯れ木に群生する。柄は偏心生で、群生する様はヒラタケや毒菌のツキヨタケによく似ている。

ナメコと混在することも多い。また、毒菌のツキヨタケとも同時期に発生することもあるので注意が必要である。色は汚黄色、黄褐色、緑や紫色っぽいものなど多様である。
もっとも特徴的なのは、名前の由来であるように皮が剥きやすいということである。傘の表面は少しビロード状に微毛が生えていて、その皮が剥きやすいのである。皮の下にゼラチン質の層があるかららしい。

 優秀な食菌である。大量に収穫でき、倒木から数年間毎年収穫できる。ボリュームもあり、味は穏やか、程よいキノコ臭、少し土臭い香りが気になる向きもあるが、深山の香りである。表面は多少ぬめりもあるが、ごみは掃除しやすい。付け根近くにコケや小さな木の皮が一体的に付着している場合があるが、大量収穫できるのでざっくり除去すればよい。

 水分を多く含んでいる場合が多いので、手で水分を絞ってから鍋に入れると出汁を良く吸って美味。皮の部分に苦味があるので、剥いてから食すべきと書かれているものも多いが、私は剥かなくても気にならない。鍋で食べるときは、熱い汁が口中で噴出しやけどすることがあるので、ノドヤケとかノドヤキとかの地方名もある。

 晩秋深山の優良食菌としてナメコと並ぶ賞賛が与えられているようであるが、但馬ではナメコが優先され、やや評価は低いようである。
 
 写真は兎和野高原。汚黄色と紫の強いものと2つのタイプが判ると思う。どちらもムキタケ。


田んぼの学校2010.12.19 木の実や蔓や木切れで工作


田んぼの学校2010.12.19 木の実や蔓や木切れで工作
天気晴れ 参加者50人
開始の9時半には10人ほどだったが、最終的には45名ほど、スタッフ入れて50人の参加になりました。
子供連れの大阪方面からの飛び込み参加もありました。

ネイチャークラフトは展示室で行うので、観光客?の方も楽しそうなので参加できないかと問い合わせもあり、その場で参加される人もいるのです。リースづくりはクリスマスの前でもありいつも人気がありますね。材料持参の人もいてやる気満々。


大人も子供も非常に熱心で、なかなかの作品が出来上がります。

お昼は、カニ、ブリ、しし肉、地元野菜の大鍋と、カニエビご飯のおにぎり。


ツキヨタケ


ツキヨタケ (ヒダナシタケ目キシメジ科ツキヨタケ属)
Lampteromyces japonicus(Kawam.)Sing.
(月夜茸)
 ツキヨタケはキノコ中毒の一番多いキノコである。シイタケ、ヒラタケ、ムキタケという優秀な食菌によく似ているため、そこそこ野生キノコを食べている人でも間違って食べてしまうことがある。食べると美味らしいが、食後一時間ほどで嘔吐、腹痛、下痢、すべてが青く見えたり、ホタルのようなものが飛ぶように見えたりする。滅多に死ぬことはないが、死亡例もあるから恐ろしい毒菌である。

 夏から秋にブナ等に発生する。折り重なって発生する様子はヒラタケ、ムキタケに似ており、色はシイタケに似ている。傘は茶色で濃い色の斑点のようなものがあり、少し怪しい雰囲気である。

 傘を裂くと付け根の部分に黒いしみがあるので、このしみがあれば決定的である。しかし稀にしみが薄かったり見当たらないものもあるから複数を確認すべきである。幼菌では柄の上部に付くツバがはっきりしているのも特徴である。柄は偏心生。見慣れてくるとすぐにツキヨタケと分かるようになる。
 もうひとつ特徴なのは、名前の由来であるように、ヒダの部分が発光するので夜間見るとぼんやり光っているということである。
 ブナの倒木にぎっしりと重なり合って生えているものは壮観で、これがヒラタケであったらなあと思ってしまう。
 
 写真:平成22年11月2日 香美町小代区


出張田んぼの学校

今年度の出張田んぼの学校
今年度は5回です。地域でやるのも楽しいです。
田んぼの学校の常連の参加者の紹介で、地元で実施するというパターンもあり、少しずつ広がっていると思います。
府市場は手作りのうどんとセットでした。遊んで食べるという市民研方式でした。
田んぼや川で遊ぶという活動の普及に市民研も一定の役割を果たせていると思います。
1.6月13日 気比  公民館  田んぼ
2.6月19日 福住  公民館  川
3.6月24日 日高 弥布 日高小・共生課  田んぼ
4.8月8日 府市場  子ども会  川
5.9月25日 八代  公民館  田んぼ
3は、小学校の先生の研修会を兼ねてです。
5の八代は共生課を通していません。
昨年は中筋、奥小野にも行きましたが、今年は、地元で行われたようです。
公民館が地元の人たちと一緒に企画するという形がいいようですね。
<上田代表が対応>


スケバハゴロモ?(幼虫)


スケバハゴロモ?(幼虫) カメムシ目ハゴロモ科 (Euricania facialis)
(透羽羽衣)
幼虫である。スケバハゴロモの幼虫ではないかと思うが、もしかしたらベッコウハゴロモかもしれない。あるいは別種かよく分からない。

しっぽのようなタンポポの種のような、、糸状の蝋物質が特徴的である。
成虫になるとはっきりわかるのだが、その後羽化した成虫は確認できていない。しかし、スケバハゴロモの成虫は以前同じ場所で見かけたことがある。

スケバハゴロモは雑木林の周辺で見られるという。我が家の庭は、ミニミニ里山を目指しており、それなりにそれっぽくなっている。成虫と幼虫が同時に見られることも多いようであるが、草とりをしすぎてしまい、少し環境が適さなくなってしまったかもしれない。
庭にいる小さな不思議な生き物である。


田んぼの学校2010.08.15 里山探検


2010.08.15 里山探検
晴れ、参加者約20名
お盆の日曜日、しかも猛暑のなか、今日は参加者はスタッフだけかと思っていましたが、5家族の参加がありました。
熱風が吹く中、山を登りますので、熱中症が心配でしたが、何とか無事終わったようです。
私は途中で仕事が入ってしまい抜けましたが、以下上田代表のコメントを掲載します。
良い写真がある人は載せてください。
虫は少なかったですね。暑さのせい? 全国的に虫が減っているという話もあります。
今日確認できた種
ウバタマムシ、ルリボシカミキリ(死骸)、カマキリ、クルマバッタ、ミルンヤンマ、シオカラトンボ、ショウジョウトンボ、ギンヤンマ、オニヤンマ、キイトトンボ、ヒグラシ、ミンミンゼミ、カナヘビ、トカゲ、シマヘビ、サワガニ、クロアゲハ、シオヤムシヒキ
(目撃だけのものも含む)
小さな谷でも、ミルンヤンマ、サワガニなど、しっかりと渓流の生物がすんでいます。ビオトープより上流の工事した部分は、ひどい状況ですが。ここには、トビケラなど水生昆虫も面白い種が確認されていますし、ムカシヤンマも多いですね。今日はいませんでしたが、タマムシもよく見られます。ルリボシカミキリもいて、里山の自然もあなどれませんね。


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