テーマ別フォトコラム, 但馬のキノコ
ヤマブシタケ (ヒダナシタケ目サンゴハリタケ科サンゴハリタケ属)
Hericium erinaceus (Bull.) Persoon
(山伏茸)
外見に特徴があるキノコである。傘を作らずに、ヒダでもアミ目でもなく針を垂らしたような形になっている。若いときは真っ白で徐々に肌色になる。傘からヒダではなく針を垂らすキノコはいろいろあるが、傘を作らないでいきなり針を垂らしていることころがこの仲間の特徴である。
ヤマブシタケという名前の由来であるが、山伏が蓑を背負った形に似ているから、、、、と思っていたが、山伏が着る衣の胸飾りに似ているからというのが正しいようだ。山伏が胸につけているあのボンボンさんのことだ。
秋、広葉樹の枯れ木に発生する。固めのスポンジ状で、握ると水が滴り落ちた。多少苦いものもあるようだが、私の食べたものは温和な味、特においしいということもないが普通に食することが出来た。
このキノコは漢方薬で使われており、「D-トレイトール」などの抗酸化物質を沢山含んでおり、薬効優秀であるらしい。少し怪しい健康食品?として、乾燥粉末や錠剤など販売されている。「血液中の脂質量を調整し、血中糖分量を削減する効果の可能性がある」とか、「βグルカン含有量が高いことで知られている」とか、「SOD数値が高く全食品の中でもトップクラスである」とか、ヤマブシタケに含まれる成分の「ヘリセノン」は、「認知症の特効薬として近年注目されている」とか、「免疫力を調整するきのこ」とか、なにやらよく分からないが、さまざまな効果があるようなことが書いてある。しかし医薬品ではないので具体的な効用を書いては違反になるのだろうし、わざわざ「規定により具体的には書けないので良しなにご賢察願いたい」とまで親切に説明してあったりする。
ある健康食品サイトによると「ヤマブシタケは日本や中国の深山幽谷で、稀に発見されるキノコ」だそうだ。確かにあまり見かけないキノコではあると思う。ただし、僕はコウノトリの郷公園の山でも見たので、深山幽谷にしか発生しないことはないであろう。ちなみにこのキノコは栽培可能で、豊岡市内でも栽培されていたことがある。
その姿、名前、さまざまな薬効が期待できる成分、、、、心と健康の不安な現代において、野生キノコと縁のない方々には健康食品として粉末や錠剤を購入する人もいるんでしょうね。
山伏茸 (山伏のようなキノコ)
写真:平成20年11月3日 豊岡市 コウノトリの郷公園内の山中