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田んぼの学校9月

秋のビオトープでゲンゴロウ・バッタ
9月16日(日)晴れ  参加 30名

今日は市内の小学校で運動会のところが多く、少ない参加人数を予想していましたが、そこそこの人数になりました。昨年はバッタ調査を実施しましたが、最近郷公園のバッタが少なくてあまり遊べません。原因はシカによる植生の単純化かもしれませんがわかりません。

今年はバッタを含めてビオトープの生物調査を行ないました。9月は新成虫が現れて、ビオトープのゲンゴロウの密度が高くなります。

調査結果
クロゲンゴロウとマルガタゲンゴロウがたくさんいました。ヒメガムシも多く、大型のガムシもいました。ヤンマ型ヤゴもたくさん見られました。バッタ類では、湿地のカサスゲ類にいるイナゴはハネナガイナゴ。とてもよく飛びます。コバネイナゴはよく跳ねます。
クロゲンゴロウ、マルガタゲンゴロウ、シマゲンゴロウ、コシマゲンゴロウ、ヒメゲンゴロウ、ガムシ、ヒメガムシ、タイコウチ、オオコオイムシ、マツモムシ、コミズムシ、ヒル類、ヤンマ型ヤゴ、トンボ型ヤゴ、メダカ、ドジョウ、コバネイナゴ、ハネナガイナゴ、マダラバッタ、クルマバッタモドキなど。

コウノトリが高い空を旋回していました。このシーンが一番好きです。


生物多様性企画展開催中


県立コウノトリの郷公園内にある、豊岡市立コウノトリ文化館の玄関ホールにて、NPO法人コウノトリ市民研究所による企画展が開催中です。
◆統一テーマ 「コウノトリが暮らす 豊岡盆地とその周辺の生物多様性」
◆第1回展示テーマ 「森の蝶・ゼフィルス」 写真・文:友田達也主任研究員 
◆第1回展示期間 2012年9月11日(火)~10月8日(月)
◆展示内容(案内文より抜粋)
 豊岡盆地の周辺部から、但馬の山地帯にかけて、日本のゼフィルス25種中の20種が生息しています。但馬の豊かな生物多様性を示す一例といえるでしょう。その中から今回17種を紹介します。
今後、コウノトリ市民研究所の研究員が様々な生きものを順次紹介することになっています。どうぞ御期待ください。


ダイリフキバッタ


ダイリフキバッタ バッタ目バッタ科
(Callopodisma dairisama )
内裏蕗飛蝗

フキバッタというバッタの仲間がいる。特徴的なバッタである。翅(はね)が小さく退化しているため、飛び跳ねることは出来るが、飛翔力がない。つまり移動能力に乏しい。そのため各地域で分化が進んでいると考えられる。
多くのバッタ類の食草は単子葉(イネ科、グラス類など)であるが、フキバッタは双子葉植物である。つまりフキフキバッタの「フキ」は「蕗」が由来である。フキ以外の双子葉も多くが食草になっている。

今回報告する「ダイリフキバッタ」は、フキバッタ類の中でもユニークなものである。
長野県から岡山県に分布するようであるが、極めて局地的である。明るく開けた人為的な中規模攪乱環境に棲息する希少種である。他のフキバッタ類と比較し、陽当たりの良い場所を好む。成虫は夏季に見られる。一属一種。
人為的な中規模攪乱地域というのは、定期的に野焼きをするとか草刈を行うなど、人間の営みが生態系の一員として機能していた状態があって維持されるもので、残念ながら、人間の自然界の中での営みが極端に少なくなってしまった現在では、非常に稀な環境といえる。そのため、里山や里地、そこを中心に生活している生き物の多くが絶滅の危機に瀕している。ダイリフキバッタもそのひとつである。

但馬地域におけるフキバッタ類については、あまり調査がされておらずよく分かっていない。コウノトリ市民研究所の上田代表の所有する標本には、数点のダイリフキバッタが確認されているが、かなり以前のもので、現在でも棲息しているかははっきりしていなかった。この5月に、鳥取県立博物館の川上靖先生から、存在の可能性の高い地域を紹介いただく機会に恵まれ、その場所の詳細な調査したところ、あらためてダイリフキバッタの生息を確認した。
ダイリフキバッタは特徴的なので、同定は比較的簡単である。
成虫であれば、翅だけで簡単に同定できる。「背中側で翅が明確に離れている」。ダイリフキバッタの翅は、体の側面に小さく生えているだけで、背中側から見ると翅が明確に離れており、背中が丸出しである。兵庫県内においてこの特徴を持つものはダイリフキバッタだけである。

また、幼虫については、「背中に黒い筋が2本走る、というよりは黄緑色の1本の筋が走る」ということで見分けられる。これは非常に特徴的な色彩である。

ダイリフキバッタは、他のバッタに比べて飛翔力が乏しいので草むらの中では見つけにくい。しかし、一度見つける観察や撮影は容易である。あまり積極的に逃げようとせず、強く刺激しなければ、葉の裏に回り込んで隠れようとする程度である。

 余談であるが、和名の「ダイリフキバッタ」の由来は学名dairisamaから来ていると考えられる。学名はScudderという人が記載している。1895年 にScudderがどういう理由で「dairisama」と命名したかは分かっていない。川上先生によると、「本種は、日本固有種で、Scudderは、日本にいる種として記載しているので、天皇(=内裏様)を現地語の読みで命名した可能性は十分に考えられると思います。また、dairisama はラテン語の表記としてもおかしいので現地語の表記であると思われます。」とのことである。当時の日本を外国人から見た場合、天皇陛下の存在は非常に興味深いものであったろうし、あるいは雛人形などから内裏様を連想したかもしれない。ダイリフキバッタの特徴的外貌からこれらを連想させるものがあるのかもしれない。
いずれにせよダイリフキバッタは偉大である。少なくとも兵庫県RDBには記載すべき種であろう。大阪府や鳥取県では記載されている。


田んぼの学校20120819 里山探検、昆虫、植物


田んぼの学校20120819 里山探検、昆虫、植物
晴れ、参加者約50人
猛暑、9時15分になっても参加者ゼロ、誰も来ないのかと思ったが、9時20分過ぎてから続々と参加者が到着。50名程度になりました。

猛暑の中、里山探検のコースは厳しいものがあるのだが、ほぼ全員が里山散策コース一周をクリアしました。小さな女の子が、すぐに泣き出して、スタッフがお母さんに引き返したほうが良いと勧めたのですが、みんなから脱落するのもいやだったようで、結局全工程をこなしました。他のお友達も気遣って励ましたり、セミの抜け殻を見て興味深々だったり、なかなか良かったように思います。

参加者の幼児化が進み、来年からは猛暑の中のハードなコースは見直す必要があるかもしれません。
観察された生き物、順不同、大雑把で抜けているものも多数と思いますが列記します。
ギンヤンマ、シオカラトンボ、キイトトンボ、ショウジョウトンボ、オオイトトンボ、ウスバキトンボ、
クルマバッタ、ショウリョウバッタ、ヒョウノセンフキバッタ(たぶん)、オンブバッタ、ショウリョウバッタ、イナゴ類、
ニイニイゼミ、クマゼミ、ミンミンゼミ、ツクツクボウシ、アブラゼミ、
ハラビロカマキリ、ヤママユ、
ジョロウグモ、トゲグモ、オオゴキブリ、カナブン、
サワガニ、
ニホンアマガエル、トノサマガエル、ニホンアカガエル、
アカゲラ、コウノトリ、
ニホンジカ

もともと良く見かけるところですが、ニホンジカも目視できました。
キノコが少ない。キノコではカワラタケとキヒダタケしか見つからなかった。
コナラのドングリはそこそこ実が付いていました。

サワガニの抱卵が見られたのが良かった。すでに稚蟹の形が出来上がっているのが分かります。

大鍋は、シイラと野菜。


大変暑かったです。


ヒメベニテングタケ


ヒメベニテングタケ(テングタケ科 テングタケ属Amanita rubrovolvata Imai)
(姫紅天狗茸)
 絵本によく出てくる赤地に白いぽつぽつが美しいキノコがある。これは概ねベニテングタケを描いている。ベニテングタケというキノコは、中部地方以北が分布の中心で兵庫県には基本的にない(他地域からの移入による発生の報告はある)。

 ヒメベニテングタケの名前の由来は「小さなベニテングタケ」ということである。確かにテングタケで、赤くて、タマゴタケではないとなると、ベニテングタケ?と一瞬思ってしまった。しかし、小型であるだけでなくベニテングタケとはかなり雰囲気が違う。カサや柄の根元に残るツボの破片は橙赤色であることが決定的に異なっている。

 ヒメベニテングタケ、夏から秋にかけてブナ林やミズナラ林などに発生する。小さくて可愛く美しいキノコである。

 写真は兎和野高原


田んぼの学校20120715 小川で魚とり


田んぼの学校20120715 小川で魚とり
天気曇り 参加者約140人

暑い日になりましたが、沢山の参加者がありました。
港西学Pの参加もありました。

鎌谷川で川の生き物調査、

捕獲された生き物
アカザ、ドンコ、ヨシノボリ、カワムツ、ドジョウ、モツゴ、タモロコ、メダカ、ムギツク、カマツカ、イシガメ、スジエビ、ミナミヌマエビ、タイコウチ、ヒル、ヤゴ(コヤマトンボ、カワトンボ)、トノサマガエル、アマガエル、タニシ、カワニナ、
カワムツの稚魚がたくさん。

コウノトリも飛んでいました。
大鍋もおいしかったです。


トゲアリ


トゲアリ  ハチ目・アリ科・トゲアリ属
Polyrhachis lamellidens
棘蟻

森林内を歩いていると、木の幹が黒くなっている。よく見ると多数のアリの塊である。ミツバチの分蜂のようなものであろうか。



このアリを良く見てみると、胸部は褐色で大小4対8本の棘が生えている。調べてみるとトゲアリであった。

やや稀と記載されている資料があったので、次の週もわざわざ同じ場所に観察に行った。普段は注意していなかったアリであるが、このアリの特徴を覚えると、その辺の山でも良く見かけることが出来ることが分かった。

但馬では普通種だと思う。大型の山に棲むアリで、胸部の褐色と棘で簡単に見分けることが出来る。

背中の棘はかなりいかめしい。どんな役に立っているのか不明である。自分の体に刺さりそうで、その関係か腹部は常に下を向いている。
近くで観察しても人間には無関心なようで、今のところ噛まれたりしたことはない。

体長7~8 mm。巣は朽木などに作られる。生態的にはクロオオアリ、ムネアカオオアリなどに一時的に寄生するのが特徴である。トゲアリの新女王アリが他のアリの巣に侵入し、そこの女王を殺して居座り、その巣にいる働きアリに自分の子どもを育てさせる。元からいたアリがやがて死滅すると、トゲアリ単独の巣となる。これを一時的社会寄生という。


ホタル観察会


2012年6月20日(水)コウノトリの郷公園内で豊岡市主催のホタル観察会が開催されました。コウノトリ市民研究所の上田代表が観察会の講師。
コウノトリ文化館ホールで、ホタルについて15分ほど勉強をしました。参加者は150名あまり。

8時過ぎに文化館前を出発。東公開の東屋まで、歩きながらホタルの観察をしました。

鎌谷川沿いにゲンジボタルが飛んでいます。数は例年より少なめ。

東公開湿地ではヘイケボタルの群れが見られました。


イラカザトウムシ


イラカザトウムシ(♂) 節足動物門鋏角亜門クモ綱ザトウムシ目カワザトウムシ科スベザトウムシ亜科
(Gagrellopsis nodulifera Sato & Suzuki)
甍座頭虫

神鍋高原の森林内でアリの観察をしていたらザトウムシが近づいてきた。先日ザトウムシのことを少し勉強したところなので、早速撮影を試みた。ヤマスベザトウムシではないかと思ったが、鳥取大学の鶴崎先生に写真を見ていただくとイラカザトウムシのオスであることが判明した。この種は背中に瓦を積み重ねたような模様があるのだが、オスは色が淡いのでヤマスベザトウムシと間違いやすい。しかし、5月に成体が観察されていることや標高からイラカザトウムシに間違いない。

イラカザトウムシは、兵庫県内だけで染色体数が2n=14,16,20.22,24と多様であることがわかっている。ザトウムシ類は移動能力が低く、地域的分化の目立つ仲間である。このイラカザトウムシは、鶴崎先生の研究資料を見ると2n=20か22の可能性が高い。
体長4~5mm程度。オレンジ色の体で背に瓦を積み重ねたような模様が特徴。メスは甍模様が黒褐色ではっきりしているがオスは淡い。幼体越冬で成体は5~7月ごろに見られる。森林生活者。ザトウムシ、魅力的な歩き方である。


田んぼの学校20120617 田んぼでトンボやカエル、メダカ


天気 曇り時々晴れ
参加者 約230人 (うち中筋幼稚園関係45人、府中小学校関係96人)
天候が危ぶまれたが曇りで時々強い日差しになるという、田んぼの学校にはまずまずのお天気になりました。
団体参加が2グループあり、200人を超える人数になりました。

アカガエルのオタマは上陸終了。トノサマガエルを中心としたオタマジャクシが多数。シュレーゲルとニホンアマと思われるオタマに上陸直前のものが見られる。
ゲンゴロウ類は幼虫が多数見られるが成体は先月と比べ減少。
イトトンボ型ヤゴ多数。ヤンマ型ヤゴも今回は少し出た。
シオカラトンボ、キイトトンボ、オオイトトンボなどトンボ類成体もにぎやか。
イシガメも久しぶりに捕獲されました。

以下出現したリスト。
魚類:メダカ、 ドジョウ、ヨシノボリ類
甲殻類:ミナミヌマエビ
両生類:イモリ、トノサマガエル、アカガエル、ニホンアマガエル、シュレーゲルアオガエル、トノサマ・シュレーゲル・ニホンアマオタマ、シュレーゲルアオガエル卵塊
爬虫類:イシガメ
昆虫類:オオコオイムシ、コミズムシ、タイコウチ、マツモムシ、ガムシ、クロゲンゴロウ、シマゲンゴロウ、コシマゲンゴロウ、コツブゲンゴロウ、ヒメゲンゴロウ、クロズマメゲンゴロウ、アメンボ類、トンボ型ヤゴ、イトトンボ型ヤゴ、ヤンマ型ヤゴ、キイトトンボ、モートンイトトンボ、オオイトトンボ、シオカラトンボ、コヤマトンボ*、アメンボ類、カゲロウ類幼虫
その他:チスイヒル、エラミミズの仲間、ミズムシ
クモ類:スジブトハシリグモ、
*飛んでいたサナエトンボはコヤマトンボでよかったでしょうか。
大鍋はシカ肉の肉団子と地元野菜。久しぶりの300人鍋でした。


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