2010年08月 一覧

田んぼの学校2010.08.15 里山探検


2010.08.15 里山探検
晴れ、参加者約20名
お盆の日曜日、しかも猛暑のなか、今日は参加者はスタッフだけかと思っていましたが、5家族の参加がありました。
熱風が吹く中、山を登りますので、熱中症が心配でしたが、何とか無事終わったようです。
私は途中で仕事が入ってしまい抜けましたが、以下上田代表のコメントを掲載します。
良い写真がある人は載せてください。
虫は少なかったですね。暑さのせい? 全国的に虫が減っているという話もあります。
今日確認できた種
ウバタマムシ、ルリボシカミキリ(死骸)、カマキリ、クルマバッタ、ミルンヤンマ、シオカラトンボ、ショウジョウトンボ、ギンヤンマ、オニヤンマ、キイトトンボ、ヒグラシ、ミンミンゼミ、カナヘビ、トカゲ、シマヘビ、サワガニ、クロアゲハ、シオヤムシヒキ
(目撃だけのものも含む)
小さな谷でも、ミルンヤンマ、サワガニなど、しっかりと渓流の生物がすんでいます。ビオトープより上流の工事した部分は、ひどい状況ですが。ここには、トビケラなど水生昆虫も面白い種が確認されていますし、ムカシヤンマも多いですね。今日はいませんでしたが、タマムシもよく見られます。ルリボシカミキリもいて、里山の自然もあなどれませんね。


書評:「となりのツキノワグマ」宮崎学著


2010年8月8日(日)の神戸新聞「ひょうご選書」欄に、自然界の写真報道家・宮崎学氏の新刊「となりのツキノワグマ」の書評を書かせて頂きました。とても面白い本です。ぜひ読んでみてください。


アオバハゴロモ


アオバハゴロモ カメムシ目アオバハゴロモ科(Geisha distinctissima)
青羽羽衣

 ウドの幹に、白いワタのようなものが沢山くっついている。前回報告したアブラムシの仲間のワタムシではない。ワタがもっと大きいのだ。よく見るとワタの中に虫らしきものが入っているような塊があり、さらによく見ると、やはりムシである。触ってみると勢いよくジャンプするので驚いてしまう。ワタの中に結構しっかりした虫が入っているのだ。
 アオバハゴロモという昆虫の幼虫である。

 彼らは、体から蝋物質を分泌し、束のようにしてあるいは粉末を全身にまとっている。真っ白純白である。こいつが止まっているウドにも綿状のものが付着して、ウドという植物はこのように白い綿状のものを茎についているのが通常なのかと錯覚してしまう。幼虫は集団でいることが多いので、ウドは白いワタまみれになっている。

 7月、気がつくとウドに白いワタが沢山目立つようになり、次の週に見てみると羽化している。アオバハゴロモの成虫。薄い緑色が美しい。初めてこいつを見たときは、枝豆を連想した。ぱっと見には、つるつるの薄緑の枝豆みたいできれいな虫であるが、クローズアップで近づいて見てみると、おいしそうではない。

 柑橘や茶、庭木などにも発生し、成長を害されるので害虫ということで、アオバハゴロモについて調べてみると駆除方法等が解説されている。でも個人的には駆除しようなんて気にならない。好きな虫なのである。
 学名のGeishaとは芸者のこと。ぱっと見には美しく、よく見るとお化粧をしているようにも見える。薄緑色はおしろいをしたようにも見える。羽の後端を中心に紅をさしたようになっている。白いワタを身にまとってぴょんと跳ねる幼虫が芸者を意識させたのかもしれない。いずれにせよ命名者のセンスを感じる。アオバハゴロモである。