第6回・高校生によるラムサール湿地の生物モニタリング調査(実施報告)

日時:2016年12月10日9時30分~14時40分
場所:ハチゴロウの戸島湿地管理棟→楽々浦周辺→(管理棟で昼食)→円山川堤防赤石~野上
参加者:高校生7名、引率教員2名、事務局2名
講師:高橋

但馬県民局主催の、高校生によるラムサール湿地の生物調査の冬鳥観察編の講師として出向きました。まずは戸島湿地管理棟で本日の予習をします。コウノトリの繁殖について、猛禽類の識別方法、本日観察できそうなカモやその他の野鳥の説明をじっくり行いました。質疑応答の時間には高校生から活発な質問が出て、講師の解説にも熱が入ります。

ramsar161210-1
座学の後は戸島湿地の観察小屋に入り、カワセミ、コガモ、アオサギ、エナガなどをチェックしました。

ramsar161210-2
円山川に出てカモを観察します。折からの強い北風の影響もあり、川面に浮かぶカモの姿がほとんどありません。上流にかろうじてオカヨシガモを確認しました。

ramsar161210-3
円山川の東側の楽々湾に移動。カルガモ、カンムリカイツブリ、ホシハジロなどをチェックします。鼻かけ地蔵のあたりまで移動。マガモの群れの中に、生徒がミコアイサを見つけました。真っ白に黒いアクセント、美しい成鳥オスでした。いつもは対岸にいるオシドリは見かけません。

ramsar161210-4
管理棟で昼食を済ませた後、車で赤石堤防に移動。ここから野上まで、堤防の上を歩きながら野鳥観察です。堤外のヤナギとヨシ原の自然環境、堤内の冬季堪水田などの話をしながら、トラフズクがここで集団越冬することを説明。と、生徒が「見つけました!」と興奮して声を上げます。

ramsar161210-5
ヤナギの主幹の枝分かれ部に、確かにトラフズクが見えます。複数の目が1本のヤナギに注がれ、別の観察者が主幹から伸びた枝先に別のトラフズクを見つけました。2羽いることが分かり、さらにじっくり観察すると、2羽の間に別のもう1羽がいるのが分かりました。合計3羽のトラフズクが確認でき、双眼鏡やスコープでゆっくり観察するこができました。

南に向かって歩きながら、堤内にオオタカが飛んで杭に止まったのを観察。さらに、上流の河川敷の低空をコミミズクが獲物を探しながら飛び回っているのを観察。カラスに追われ、こちら側に飛んできて、我々のすぐ上空を通り過ぎました。

ときおりミゾレやアラレが混じる悪天候ではありましたが、ラムサール湿地の、野鳥にとって最重要ポイントを高校生たち自らが歩き、短時間の間に魅力的な猛禽類と出会えたことは、今回の観察会を充実してものにしてくれたと思います。寒い中での調査、高校生諸君と熱い時間が過ごせました。

【本日観察した野鳥】
▼戸島湿地~楽々浦周辺
エナガ、カワセミ、アオサギ、コガモ、オカヨシガモ、ホオジロ、セグロセキレイ、オオバン、トビ、スズメ、ホシハジロ、カルガモ、マガモ、カンムリカイツブリ、キンクロハジロ、ミコアイサ♂、オオバン

▼赤石~野上(堤防)
マガモ、コガモ、オオバン、カワセミ、ベニマシコ、トラフズク、オオタカ、キジ、コミミズク、チョウゲンボウ、ハシボソガラス、スズメ、トビ、コウノトリ、オナガガモ、カワウ、セグロセキレイ、ダイサギ、アオサギ、カンムリカイツブリ