コウノトリ野鳥観察会4月度(実施報告)

日時:2016年4月3日(日)13:30〜16:00
天気:曇り
参加者:10名
講師:高橋、石垣

bird160403-1 2016年度の最初の自然観察会として、コウノトリ野鳥観察会の第一回目を実施しました。豊岡盆地の季節ごとの野鳥を、コウノトリと一緒に、参加者の皆さんと観察しようという新企画です。

呼びかけに集って頂いたのは、当日参加の方々を含め10名。野鳥観察会にはほどよい人数となりました。コウノトリ市民研究所から稲葉、岩本両主任研究員も参加してくれ、今回の講師のサイドサポーターとなって頂きました。

学習室で簡単なレクチャーのあと、双眼鏡の使い方を覚えてフィールドに出ます。まずは、目の前の祥雲寺巣塔のコウノトリ観察。ヒナの頭が見えると歓声があがります。

bird160403-2自然観察路を尾根まであがって、眼下の巣塔を観察します。孵化2週間目の可愛いヒナの仕草が参加者の気持ちを和ませます。周辺から聞こえてくる鳥の声を、ひとつずつ岩本主任研究員が説明してくれます。タムシバ、コバノミツバツツジが満開。足元にはタチツボスミレが咲いています。

bird160403-3 2番目の観察ポイントは、三江小学校校庭に立つ庄境巣塔。祥雲寺巣塔ペアが昨年度まで営巣していた場所に、J0476♂とJ0055♀の若いペアが入り抱卵中です。巣塔の下では小学生が野球の練習中。おそらく世界でただひとつの、校庭で子育てをするコウノトリです。営巣をめぐるコウノトリのエピソードを、元コウノトリの飼育員だった石垣研究員が丁寧に説明してくれます。

bird160403-4 3番めの観察ポイントは野上巣塔。ここはコウノトリ野生復帰の原点の場所です。1965年、豊岡に残っていた野生コウノトリを1羽づつ捕獲保護して、なんとか人の手で子孫を繋いでゆこうという、世界で初めてのチャレンジがスタートした場所です。ここの飼育員だった松島興治郎さんのことや、こつぜんと舞い降りてこの場所で独りで巣作りを始めた野生コウノトリ・ハチゴロウの思い出を、稲葉主任研究員が説明します。物語は新たな人の心に響き、伝えられてゆきます。

bird160403-5 4番めの観察ポイントは赤石巣塔。観察時には抱卵中と思って説明していましたが、赤石巣塔で3羽のヒナが孵っていることを後で知りました。円山川堤防越しに、ヤナギの新緑が美しく連なっていました。この時間帯から風が少し強くなり、ポツポツと雨粒も落ちてきました。

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この日最後の観察ポイントはハチゴロウの戸島湿地。1羽のヒナが孵っていることが数日前に確認されています。残り2卵も孵化しているかもしれません。この湿地が守られたエピソードや、施設名のハチゴロウの冠についての説明をしながら、館内でゆっくり過ごしてもらい解散としました。

今回の野鳥観察会は、コウノトリの営巣巣塔を順番にめぐることをメインに置きました。以下の野鳥をチェックしましたが、さて、参加者の皆さんにはどれだけ記憶に残っているでしょうか。次回5月は、夏鳥の観察をメインにする予定です。午前中に、谷筋を歩きながら小鳥たちの歌声を一緒に聞きましょう。一ヶ月後の、いくつかの巣塔のヒナの様子も見てみましょう。

【本日確認した鳥】
コウノトリ、トビ、アオサギ、ダイサギ、ヤマガラ、コガラ、コゲラ、シジュウカラ、ヒヨドリ、メジロ、セグロセキレイ、コチドリ、ツバメ、カシラダカ、イソヒヨドリ、カワラヒワ、アオジ、ウグイス、ホオジロ、ジョウビタキ、ヒバリ、カルガモ、マガモ、オオバン