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田んぼの学校 1月

「里山で野鳥観察 雪遊び」
◆日時  2007年1月14日(日) 9:30~12:00
◆参加者 70人(市民研メンバーは30人)
◆天気 雨
新年最初の田んぼの学校は「里山で野鳥観察」。計画では雪遊びも入っていましたが、雪が全然降らない暖かい冬が続いています。昨年度の同じ野鳥観察会は反対に大雪の中で行いましたね。

シアタールームで30分ほど、高橋研究員が野鳥に関する次のような話をしました。
(1)一年中いる鳥(留鳥)、春から夏の間見られる鳥(夏鳥)、秋から冬の間見られる鳥(冬鳥)
(2)渡り鳥(夏鳥と冬鳥)の渡りのルート
(3)今回の観察会で見られるかも知れない鳥を写真見ながら説明
(4)冬の田んぼに水を張ると、コウノトリや水鳥が喜んで利用します。コハクチョウが越冬するようになりました。(ただ今2羽が越冬中)
(5)円山川の工事で野鳥たちはどうなる?
  ・良いこと:浅瀬が作られるのでコウノトリや水鳥の餌場ができる
  ・悪いこと:河川敷の木が切られてタカやフクロウの止まる場所がなくなる
(6)まとめ:冬は野鳥観察のしやすい季節です。外に出ていろんな鳥を見ましょう

岩本研究員、大槻研究員の引率で郷公園の野鳥観察に出かけました。最初は西公開ケージの谷。ジョウビタキのメスが最初に姿を現し、次にホオジロが木の枝に止まりました。

ホオジロが同じ場所で長い間じっとしてくれたので、スコープに入れてみんなで順番にのぞいてみました。大きくしてみるとホオジロも綺麗でかわいい鳥です。

東公開ケージに向かって移動中。文化館前の田んぼのあぜにツグミがじっとしていたのをスコープでも観察できました。水を張った田んぼの中にはセグロセキレイがジジッと鳴きながら餌を探していました。コウノトリが1羽みんなの上を西に飛んで行きました。

西宮から来られたゲストの皆さんと合流。東公開ケージの観察小屋で雨をしのぎながら、湿地の様子を観察しました。人が沢山やってきたので、びっくりしたカワウが飛んで逃げて行きました。湿地にはコガモがたくさんいましたね。少し上の湿地には放鳥コウノトリが2羽餌を探していました。

やがて、そのうちの一羽が飛んで谷から出てゆきました。
文化館に戻り、今日観察できた鳥の名前をみんなで写真を見ながら確認して終りにしました。今日の大鍋は鹿と猪の肉が入ってましたよ。熱い汁を飲んだら、雨の中を歩いて冷えた体がポカポカと暖まりました。
今日観察した鳥:
1.ジョウビタキ♀
2.ホオジロ
3.ツグミ
4.ヒヨドリ
5.セグロセキレイ
6.ハシボソガラス
7.アオサギ
8.カワウ
9.コガモ
10.コウノトリ
※今回の行事は県環境学習課関連事業の一環として行いました


ニュースレター2007年1月号

市民研も早いもので9回目のお正月を迎えました。本年もよろしくお願いいたします。
雪が降らない暖かい12月でした。このままいけば、スキー場には申し訳ないですが、コウノトリの生活も、ビオトープ作業も、治水工事もスムーズに進みそうです。今年もまたコウノトリは放鳥されるのでしょうが、円山川の河川敷や湿地が早く使えるようになるといいですね。
 コウノトリが飛びだすと、それぞれの地域で、自発的に餌場を作る取り組みが始まるのも、とてもおもしろいと思います。予想外のところから、よい結果がもたらされるかも知れません。
 市民研は今年も、自然とのつき合いを通して、考え、提言し、行動して行きたいと思います。
☆市民研1月の行事案内
田んぼの学校・1月 
里山で野鳥観察、雪遊び
日時:1月14日(日) 
9:30~コウノピア集合
暖冬、河川の工事、冬季湛水などいろいろなことが原因で、鳥たちの動きが昨年と違うかもしれません。市民研の野鳥グループがご案内します。雪の状態で計画は変更されるかもしれませんが、中止はありません。暖かい服装、ながぐつを忘れないように。
◎年間スケジュール・予定
 4月 9日 春の棚田の生きもの、春の草を食べる 
 5月14日 田んぼでオタマジャクシや水生昆虫
 6月11日 田んぼでトンボやカエル、メダカ 
 7月 9日 小川で魚とり
 8月13日 休み
   (夏休みは市民研特別企画があります)
 9月10日 あぜ道の生きもの、イナゴやバッタ
10月 8日 秋の田んぼでアカトンボ
11月12日 里山で落ち葉集め、薪作り
12月10日 木の実や蔓や木切れで工作
 1月14日 里山で野鳥観察、雪遊び
 2月11日 冬の田んぼ、雪遊び、ソバ打ち
 3月11日 田んぼでアカガエル
*田んぼの学校は雨天でも中止はありません。
ユースレターWeb版は、内容が重複するので簡略化しました。
郵送版は活動記録やトピック、ながぐつ観察記などが入りますが、ブログと内容は同じです。


J0363


J0363
平成18年9月23日、円山川大磯の河川敷から放鳥されるも、草原にへたり込んでしまい、保護され、再び放鳥された。
放鳥約1ヵ月後には他の放鳥コウノトリたちが、すべてコウノトリの郷公園に舞い戻ってしまったが、J0363のみは自立している。神美地区、小坂地区、中筋地区を中心に定着しており、現在は小坂平野を中心としているようである。ねぐらは知らない。

小坂平野は、ほ場整備はされているものの、かなり古い時期と思われる(昭和40から50年代)。それでも、基幹排水路、排水路、田面はそれぞれ分離されているため、生き物の生息環境は良くない。しかし、水路には常に水はあるようで、小魚やドジョウなどはいる。

コウノトリの餌は、12月まではバッタ類がいるが、冬場が一番心配されている。しかし、J0363を見ていると、それなりにドジョウや越冬中の水生昆虫などを食べているようだ。

以前は、コウノトリは狭い水路には入らない、周りが見えない状態では危険なため餌は採らない、と言われていた。しかし、ハチゴロウの行動から水路でも採餌できることが明らかになった。J0363も時々首を伸ばして警戒しながら狭い水路内で行動している。

J0363の頭部から首にかけては汚れている。採餌の努力のためだ。
なぜ郷公園に帰らないのか。帰り方が分からないのか。放鳥時のショックのために、他のコウノトリたちと一緒におれなくなったのか。
今年の冬は雪が少なくて暖かい日が多い。J0363は3歳のメス。若くして苦労している。野生の厳しさが漂っている。

写真は平成19年1月3日 小坂平野


オオマシコ

初雪の山に赤い鳥

オオマシコ(スズメ目アトリ科)
 5年以上前のことだったか、確かな記憶は残っていない。ある冬の日、散策中の川べりで真っ赤な小鳥の群れと遭遇した。ヤナギの枝に僅かな時間止まっただけで、すぐに飛んで行ってしまった。双眼鏡をあてる間も、もちろん撮影する余裕などまったく無かった。オオマシコとのあっけない最初の出合いだった。
 マシコは漢字で「猿子」と書く。赤い羽根模様が猿の由縁。同じアトリ科のベニマシコは、雪が降ると比較的簡単に河原や林縁で見ることができる。赤い鳥を見つけるのは冬鳥観察の楽しみの一つだが、オオマシコとの再会は無いまま過ぎて行った。
 遅かった里の紅葉も盛りを過ぎ、師走に入ってからは北西の季節風が吹き出す日が増えた。「雪起し」の雷が鳴った翌朝、冷たい雨は山地で初雪に変わった。冬鳥を求めて先に山に向かった仲間から、オオマシコ確認の連絡が入った。あたりの積雪は15センチとのこと。冬タイヤに履き替え、はやる気持ちで山に走った。
 晩秋の佇まいを残す雑木林に、初雪が綿帽子のようにかぶっている。斜面にオオマシコの4羽の群れが出てきた。深紅のオスが2羽、若いオスが1羽、メスが1羽。ハギのしなやかな細枝につかまって、次々にその実をついばんでいる。
 雪景色の中で再会したオオマシコの赤は実に鮮やかだった。本州中部以北で越冬し、このあたりにはめったに飛来しない冬鳥。この冬は南下してきたオオマシコの数が例年になく多い様子だ。冬枯れの中にはっとするほど赤い鳥を見つけたら、きっとあなたも嬉しくなってしまうに違いない。さあ、冬の野山に出かけてみよう。
文と写真 NPO法人コウノトリ市民研究所・高橋 信
※2006年12月24日(日)掲載


カワラヒワ


小さくてスズメみたいだよ。

一年中いるけれど、冬は群れで行動しているよ。
地面に降りてみんなで植物の種を食べているよ。

地味だけど、飛ぶと黄色い羽が良く見えてとてもきれいだよ。
田んぼや河川敷のあたりに飛んでいるよ。
僕はカワラヒワ。
06.12.22 豊岡市赤石


田んぼの学校 12月

<里山で遊ぶ>クラフト・リースづくり
参加者 45人

今回も雨。昨年も確か雨でした。当日の山での材料採取は断念しました。雨が予想されたので、前日の土曜日にすこし材料集めをしました。蔓はクズ。練習用にはたくさん採れて便利です。海岸でクロマツの松ぼっくりを拾い、郷公園の裏山でソヨゴの赤い実やクサギの実を集めました。ドングリはアベマキとシラカシとシイです。電動ノコで木の枝の輪切りを作りました。落ち葉はアベマキとサクラ。

もう少し蔓が沢山あると、見栄えがするリースができたと思います。接着はホットボンドと針金、紙ひもです。

終わりは恒例の鍋。今日はイノシシの鍋。ダイコンとジャガイモ、サツマイモに酒粕とセコガ二で味付け。かなり濃い味だった。今回は完全に無くなった。


ニセクロハツ


ニセクロハツ  ハラタケ目ベニタケ科ベニタケ属
 地味なキノコである。夏から秋の雑木林に落ち葉を持ち上げてぼっこりと出現する。灰褐色~黒褐色。カサは極めて厚く、饅頭型からやがて中央部がくぼみロート状になる。ヒダは粗い。傷つけると次第に赤く変色する。肉質はもろく弾力性に乏しい。
 猛毒菌である。食後数十分と早い時期から嘔吐、下痢、言語障害、尿の赤変、心臓衰弱、意識不明から2~3日後に死亡。食べてすぐに症状が出る毒キノコは深刻な事態に陥らないと言われるが、このキノコの場合はそうではない。すぐに症状が出て2~3日苦しんだ後に死に至る。致死量は2~3本。
 食菌のクロハツやクロハツモドキと良く似ており、外見で区別することは難しい。クロハツやクロハツモドキは傷つけると赤からやがて黒色に変色するが、ニセクロハツは赤くなるところで変色が止まる。ニセクロハツに似た未分類の類似種も沢山あるようで、現在比較研究が行なわれているということである。写真のキノコは赤変するが黒変しないことからニセクロハツと同定した。
ベニタケ科の仲間には優秀な食菌が多い。ハツタケはその代表格であろう。日本人にとってハツタケは、マツタケ・シメジに並ぶ良菌かもしれない。近縁のアカハツ、シロハツ、クロハツ、カワリハツ、その他ハツタケにちなむ食菌は多い。しかしシロハツにはシロハツモドキという毒菌があるし、クロハツにはこのニセクロハツという猛毒菌がある。数年前に食菌との説もあるシロハツモドキに挑戦してみて見事に中ったことがある。もしニセクロハツに中ったらただではすまない。クロハツは良い出汁が出るらしいが、最近の図鑑では毒菌とされているものもある。あやしいキノコへの挑戦は絶対にやめておいたほうが良い。
NPO法人コウノトリ市民研究所
主任研究員 稲葉一明
平成18年12月10日掲載


ニュースレター

12月号 Web版
今年も、もう12月。暖かい日が多かったせいか紅葉もかなり遅れたようです。里山の作業によい季節なのですが、雨の日が多く思ったように活動ができませんでした。いよいよ冬鳥の季節です。ハクチョウも渡ってきました。
★★★ 市民研12月の行事案内 ★★★★★★★★★★★★
田んぼの学校・12月 
里山でクラフト・リース作り
日時:12月10日(日) 
9:30~コウノピア集合
12月も里山で遊びます。落ち葉や木切れ、ドングリで工作をします。木の葉の虫や、ドングリペンダント、ドングリ人形、小さな木切れのイスや机、何でも作ってみよう。
蔓がたくさん集まったら、リースや籠編みができます。クズの蔓が練習用には集めやすくてよいと思います。
まだ少し芋が残っているので焼き芋もできるかも知れません。鍋も実施します。
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
2006年度コウノトリ市民研究所の年間行事予定
田んぼの学校 
コウノトリ市民研究所が主催して実施している公開行事です。研究員以外の方も参加できます。当日参加も可能です。
第2日曜日 コウノピア9時半集合
 毎月第2日曜日「田んぼの学校」を実施します。
 田んぼやその周辺で遊んだり、生き物調査をします。
 お昼は鍋をします。食べて解散。コウノピアに9時半集合。児童は参加費一人100円。イベント保険の関係上、登録必要。
◎年間スケジュール・予定
  4月 9日 ●春の棚田の生きもの、春の草を食べる 
  5月14日 ●田んぼでオタマジャクシや水生昆虫
  6月11日 ●田んぼでトンボやカエル、メダカ 
  7月 9日 ●小川で魚とり
  8月13日 休み
  (夏休みは市民研特別企画があります)
  9月10日 ●あぜ道の生きもの、イナゴやバッタ
 10月 8日 ●秋の田んぼでアカトンボ
 11月12日 ●里山で落ち葉集め、薪作り
 12月10日 ○木の実や蔓や木切れで工作
  1月14日 ○里山で野鳥観察、雪遊び
  2月11日 ○冬の田んぼ、雪遊び、ソバ打ち
  3月11日 ○田んぼでアカガエル
*田んぼの学校は雨天でも中止はありません。
豊岡盆地の生き物調査 
●タンポポ調査 4月23日(日)終了
●ホタル調査  5月~6月   終了
○ビオトープの生き物調査 
○豊岡盆地の野鳥調査 他
随時連絡します。
夏休み特別企画 終了
夏休み期間中に3回の行事を予定しています。
7月30日:●里山の昆虫採集
8月9日: ●小川の魚類調査
8月20日:●メダカ調査
☆情報局からのお知らせ
<コウノトリ市民研究所ホームページ情報> http://kounotori.org/
●「テーマ別フォトコラム」
2006/12/2日 コハクチョウ
2006/11/16日 河谷のコウノトリ
2006/11/24日 ニセクロハツ 
●「活動記録」
2006/11/24日 但馬エコフェスタ
2006/11/16日 田んぼの学校
●「ながぐつ観察記」
<毎日新聞「ながぐつ観察記」連載情報>
2006/11/12日掲載 ナマズ 
2006/10/29日掲載 ツルシギ 
●「ご案内」
☆事務局からのお知らせ
*会費未納の方は、行事参加の折に納入してください。
 行事へはなかなか参加できないが、活動の趣旨に賛同し協力会員となりたいと言う方は、下記へ会費を振込みいただければ幸いです。
 金融機関名:但馬信用金庫 本店
 口座番号:普通口座 0666057
 口座名義人:特定非営利活動法人コウノトリ市民研究所 代表理事上田尚志
*インターネットアドレスをお持ちの方は、メーリングリストに加入してください。http://kounotori.org/このニュースレターもネット配信いたします。加入についてはホームページを参照してください。
*コウノトリ市民研究所の行事は自己責任で対応願い
ます。行事での事故等について市民研究所では責任がも
てません。すべて参加者の自己責任でお願いします。
************************
コウノトリ市民研究所は特定非営利活動法人(NPO法人)です。月例行事には、誰でもいつでも自由に参加できます。研究員として継続的な活動を希望される方は、以下の年会費を頂いております。
研究員
(家族単位):1000円 (学生個人):500円
主任研究員(総会議決権を持つ社員)
1000円(ただし入会金10,000円)
お問い合わせは、コウノトリ市民研究所事務局までお願い致します。 E-mail:info@kounotori.org
コウノトリ文化館まで連絡いただいても結構です。
〒668-0814 兵庫県豊岡市祥雲寺128番地   コウノトリ文化館(コウノピア)
TEL:0796-23-7750 FAX:0796-23-8005
************************


進む河川工事;治水だけじゃない

  
 円山川に沿って豊岡市街地へ向かうと否応なしに工事が目に入る。川底を深く掘ったり、川幅を広げたりして、洪水が少しでも早く海へ流れ出るようにする工事である。今回の工事が終われば、平成16年に大きな被害をもたらした台風23号級の台風が来ても床上浸水が起きないようになるはずである。1)ところで、この工事にはこれまでの工事とはちょっと違ったところがあるのだが、それにお気づきだろうか?
 ご存じのように、円山川は近畿有数の自然の豊かな川である。円山川は68kmと1級河川の中では最も短い部類だが、魚の生息種数、植物の生育種数などが近畿でトップクラスであり、自然度の高さは際だっている。
 この豊かな自然を失わないために、防災のための工事と並行して、豊かな自然を守りさらに豊かにする自然再生の工事2)が行われている。
 掘削という土を取り除く工事を行っているのにその土が残されている。なぜあんな山を作るのだろうか? あの土の山は、表面の土が集められてできている。表面から深さ20~30cmくらいまでの土には、その場所に生えている植物たちの種子や地下茎などが大量に含まれている。この土をまき出せば、その土があった場所の植生が再生する。うまくすると土を集めた時には生えていなかった希少種の種子を目覚めさせることもできる。3)
円山川では、高水敷きを水位線まで掘り下げて、そこに表土をまき戻すという工事が10年ほど前から行われており、すでに希少種を出現させるという成果をあげている。4)今回は、様々なケースのまき戻しが行われ成果が期待されるが、激甚災害の工事は5年間で終わってしまう。生物の都合を無視して、駆け足のような工事が一方的に進んでいくという側面は否定できない。最大限の知恵を絞っているが、どんなことが起きるのか不安が大きい。5)

1) 台風23号級の条件で床下浸水は仕方がないということである。それ以上の規模の台風であれば当然床上浸水は生じる。
 思考実験としては、川を深くする、川幅を広くする、川の中に遊水池を作るなどの今回の対策以外にも、川の外に遊水池を作る、家に高い下駄を履かせる、水の来るところからは引っ越すなどの対策もあり得るが、今の法律の枠組みでは非常に難しい。
2)自然再生と呼ばれる工事である。自然再生とは、自然環境の保全・復元を行うことである。
 自然再生のもとになっている考え方にミティゲーションというものがある。ミティゲーションで取られる具体的な処置には、「回避」、「低減」、「代償」があり、最も望ましいのは「回避」である。しかし日本では、はじめから「代償」しか考えていない計画が余りにも多い。
3)最も避けないといけないことは、表土を剥いで目覚めさせた希少種の種子を消費してしまうことである。発芽することで土の中の種子の数は減る。この種子を供給しないといけない。そのためには発芽した植物を成長させて花を咲かせ、種子を散布させないといけない。途中で枯らしてしまうと無意味に希少種の種子を消費したことになる。
4)タコノアシ、ホソバイヌタデ、ミクリ、ミズアオイ、マツカサススキ、サデクサ、ヒメシロアサザ、ヤナギヌカボなど出現した希少種は多い。効果的な手法であることは確認できたが、数年たつとこれらの植物は姿を消す。流域全体でどのように管理していくのかという課題が出てきている。
5)激特は5年間。緊急治水対策は10年間と年限が決まっている。各地で一斉に本来なら30年とか40年かけて行われるはずだった工事が行われる。これは明らかに生物のリズムにはあっていない。同時に、同じ手法で、広い場所で、というのは均一な環境を作り出してしまう。生物は微妙な環境の違いを上手に利用しているので画一な環境でははじき出されるものが多く出る。


コハクチョウ


今年も豊岡盆地にハクチョウがやってきたよ。
冬にも田んぼに水を張る活動の成果だよ。
コウノトリだけでなくいろんな水辺の鳥たちも喜んでいるよ。
今、河谷に2羽のコハクチョウがいるよ。この間は5羽飛んできたそうだよ。
たくさん白鳥がやってきて、豊岡で越冬するといいな。
12月2日 豊岡市河谷 冬季湛水水田にて


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