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タカブシギ

春の湛水田の常連

タカブシギ(チドリ目シギ科)
 六方田んぼで始まった冬季湛水。田んぼに水を張ったまま初めての冬を越した。強い寒波の影響で、この冬の渡り鳥たちの動きに異変があった。本来は当地で越冬するはずのツグミやホオジロの仲間が姿を見せなかった。そのかわりに、豪雪を逃れて従来の越冬地から南下してきたコハクチョウの群れが、湛水田をねぐらにしながらここで一冬を過ごしたのである。
 冬季湛水が定着すれば、いずれコハクチョウの越冬が見られるだろうと思っていた。気象条件の影響があったとはいえ、あまりにも早く結果が出たのには驚いた。
 春になり湛水田の水がぬるむころ、南の越冬地から北の繁殖地に向かうシギやチドリの渡りの群れが通過してゆく。彼らにとって、湛水田は翼を休め餌を補給するオアシスだ。渡り鳥はこうしたオアシスを中継地としながら北帰行を続ける。
 湛水田の常連といえばタカブシギだろう。体長20センチほど。漢字で鷹斑鴫と書く。羽模様がタカに似ていることから命名された。数羽の群れで行動し、湿地の中を歩き回って泥の中の虫を食べる。人が近づくと「ピピピピ」と高い声で早口で鳴きながら飛び立つ。飛んだときに腰の白が目立つのもタカブシギの特徴のひとつ。
 最近は田植え時期が遅くなった。田んぼに水が張られる頃には渡り鳥の移動のピークが過ぎてしまっている。その意味でも、冬季湛水田が渡り鳥に果たす役割は大きいのである。
(文と写真 NPO法人コウノトリ市民研究所・高橋 信)
※2005年4月30日(日)掲載


リンクバナー

新しいリンクバナーを作りましたので必用な方はお使いください。
上田代表が描いたコウノトリのイラストを加工したものです。小さい方のバナーはよくわかりませんが、大きい方のバナーを見ると上田画伯のグッドセンスがうかがい知れますね。
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タンポポ調査

タンポポ調査
参加者 15名
田んぼの学校とは別に、テーマを絞った生き物調査を、今年も随時実施する予定です。田んぼの学校は遊びながら調査ですが、ここでは少し調査に重点をおいて楽しみながらやっていこうと思います。
今回のタンポポ調査は、過去の調査結果を元に、既存地の再確認と、校区ごとに区切った地図で、空白地を調べることが目的です。在来タンポポの空白地である新田校区の調査に1グループ、三江校区の再調査に1グループという形で実施しました。新田では残念ながら未発見。三江では、2箇所で再確認しました。

在来タンポポはこんな田んぼの斜面に残っていました。

但馬三江駅の線路のそばにも。

これはヤマザトタンポポ。

セイヨウタンポポとくらべると総ほうに特徴がある。

シロバナタンポポも在来種。
今回の発見は、クシバタンポポが以外と沢山あったこと。そして、ヤマザトタンポポの花の色がレモンイエローであるのに対し、クシバタンポポはセイヨウタンポポとまったく区別がつかない濃い黄色。今まで見逃していた可能性があります。
まだしばらくは、タンポポの季節です。引き続き調査報告をお願いします。調査用紙必要な方は連絡してください。


ニホンミツバチ


ニホンミツバチ  
ハチ目ミツバチ科
 我が家の庭では春一番にサクランボの花が咲く。暖地桜桃という品種で花はとても美しく結実が良い。今年の開花は例年より1週間ほど遅かった。
 この花が咲くとミツバチがやってくる。どのように察知するのかは知らないが必ずやって来る。ミツバチというと黄色と黒の縞模様を思い出すが、我が家に来るやつは黄色が穏やかでむしろ白色である。在来種のニホンミツバチだ。小さくてかわいらしい。
 サクランボの花にもぐり込むように体を突っ込んで蜜を吸う。おしべを掻き分け、ミツバチの体中が花粉だらけになる。花の中央にはめしべが突っ立っているのであるが、ミツバチが動き回るので花粉がどうしてもくっついてしまうのだ。このおかげでうちの庭のサクランボも首尾よく結実するということらしい。
 よく見ていると、めしべに爪先を引っ掛けて腕一本でぶら下がり、何やらせわしなく動いている。体にくっついた花粉を足でこそぎ集めて後ろ足の花粉袋に詰め込んでいるようだ。巣に持って帰って花粉団子として幼虫とかの餌にするつもりなのだ。
 夢中で蜜や花粉を集めている時は、めったに人を刺すことはない。だからミツバチに囲まれながら写真撮影しても平気である。僕のことなどまったく関心がないというということが観察していると良くわかる。
 全国の養蜂家が飼育しているのはセイヨウミツバチのイタリアンという品種がほとんどで、それは腹部がはっきりとした黄色である。外来のセイヨウミツバチに押され、ニホンミツバチも減少の一途をたどっていたが、近年は都市周辺で増加に転じているようである。
NPO法人コウノトリ市民研究所 
主任研究員 稲葉一明
4月22日掲載


田んぼの学校 活動記録  4月9日

田んぼの学校(プレ) 春の棚田の生きもの 
参加者 25名

引越し作業が今日のメイン。でも、田んぼに着いた子どもたちは、たちまち生き物探しに夢中。

途中雨もぱらついてきたが、すぐに止んで何とか続行。

イモリが大量。クロゲンゴロウも多い。もちろん、ニホンアカガエルのオタマジャクシは無数。卵を背負ったオオコオイムシがいた。

今日の鍋はシカ肉のつくねと野菜。
<見つかった生きもの>
イモリ16   ドジョウ11   メダカたくさん   オタマ(ニホンアカガエル)たくさん   コオイムシ7
ヤゴ(ギンヤンマ)2   (シオカラ)5  (イトトンボ類)4  ミズムシ3  クロゲンゴロウ8   ツブケンゴロウ1 
ヒメゲンゴロウ1   マツモムシ3   コミズムシ1   アメンボ2   カワゲラ幼虫・成虫たくさん
カゲロウ幼虫たくさん  ユスリカ1  ハシリグモ1  フクログモ1  エビたくさん   ヒル5 


ドクゼリ:改修で種子目覚めるか

ドクゼリ セリ科

 ドクゼリという植物がある。猛毒である。つい最近まで理科の教科書の指導書に「身近な毒草について」という項があって、ドクゼリが必ず載っていた。「セリと間違えて食べるな」ということだ。それを見るたびに、昔の文献をそのまま写すのはいい加減にしてほしいと思ったものだ。近畿では滋賀県を除くとドクゼリで事故が起きることはまずない。絶滅寸前なのだ。最優先で守らないといけない植物になっている。セリと間違えて食べている場合ではないのだ。
 ドクゼリとは別に、延命竹という名前もある。ドクゼリは地下茎が竹の根のようになっていて、セリと簡単に区別できるのだが、その根本の様子を縁起のよいものとして延命竹・万年竹などと呼び、水盤に浮かべて鑑賞するのだそうだ。毒として敬遠するどころか、縁起のよいものとして大切にしているのだ。見方一つで同じ植物がこれほど変わるのは面白い。
 さて、このドクゼリ、但馬では40年ほど前に玄武洞の近くに生えていたという記録がある。以来誰も見ていない。何年か前、希少種が集中的に生育する六方川と円山川の下流域でドクゼリを探した。絶対に見つけるぞといさんで探したが徒労に終わった。
 最近、昭和30年代の豊岡盆地の植物相を伝える唯一に近い標本を調べてみた。上坂規知郎氏が採られたものだ。この中にドクゼリもあった。なんと、円山川の下流域ではなく、出石中学校の横で採られていた。どうやら昭和30年代には、ドクゼリは、豊岡盆地のいたるところに当たり前に生えていた植物だったらしい。
 現在、円山川で大規模な改修工事が行われているが、この工事で土の中に眠るドクゼリの種子が目覚める可能性がある。ドクゼリのような湿地に生える植物の種子は土の中で長く眠ることができる。今から工事現場を見に行くのが楽しみだ。ドクゼリを見つけたら水盤に浮かべてコウノピアに展示したいと思っている。きっとよいことがあるだろう。
追記
 実は、私は自分では理科の教師だと思っているのですが、もう6年間も理科を教えていません。その最後の理科の授業をした頃には、指導書に確かにドクゼリが載っていました。その他にはドクウツギやノウルシなどがありましたが、ノウルシも絶滅危惧種です。

 ドクゼリは大きな植物なので上下2枚の標本になっていました。


人工巣塔で交尾 (^^)


電柱の巣材を撤去し、人工巣塔に載せたら、人工巣塔を利用するようになったそうです。
たまたま通りかかると2羽が止まっているのでカメラを向けていると交尾を行いました。
運良く交尾シーンが撮れましたので紹介しておきますね。


コウノトリ感謝祭2006.04.02

コウノトリ感謝祭の様子を掲載しておきますね。

古い市役所ですねー!。

市民研究所のコーナーです。

ペーパークラフトコーナーです。

活動状況を振り返って盛り上がってる?。
途中で雨にたたられたのが痛かったですね。


ニュースレター2006年4月号

コウノトリ市民研究所 
ニュースレター <2006-4月号>   2006.4.1
   
市民研究所の倉庫(研究室)が完成しました。かなり狭いですが、しっかりした作りです。調査用具や資料などが収納できそうです。4月9日の田んぼの学校でデビューです。
★トピックス
豊岡盆地でコハクチョウ越冬
当地での越冬記録は20数年ぶりだそうです。昨年 12月以降コハクチョウの観察が定着し、1月に入ってからは22羽のグループと3羽のグループが別々に盆地内を行動していました。特に22羽のグループは河谷地区の冬季湛水田をねぐらにしており、噂が広まるにつれ観察者も増えてゆきました。
六方田んぼは年末から根雪に閉ざされており、コハクチョウは雪解けの田んぼを探しては日中そこで餌を食べていました。小坂地区、下鉢山地区、国府平野の田んぼが主な餌場でしたが、盆地から雪が消える頃には六方田んぼや栃江地区の田んぼを餌場として利用していました。3羽のグループはやがて4羽に増えて22羽のグループと合体し、渡去前には別のところから飛来したグループも加わって31羽の群れに膨れ上がりました。
3月5日8時前、河谷湛水田から北東に向かって飛び立ったのが最後となりました。冬季湛水田が本格化したその冬に、コハクチョウがそこを利用し越冬したという注目すべき事実が残りました。
 (高橋主任研究員)
★市民研4月の行事案内
○田んぼの学校・春の棚田の生きもの
日時:4月9日(日) 9:30~コウノピア集合
春の棚田は、アカガエルのオタマジャクシや越冬から覚めた生きものたちでにぎやかです。棚田とその周辺の雑木林の生きものを探します。
いつもどおり鍋も予定しています。また、草花の観察と試食も行います。また、研究室引越し作業も少しずつやっていきますので、ご協力ください。
○生きもの調査・在来タンポポ
日時:4月23日(日) 9:30~コウノピア集合
 豊岡盆地の在来タンポポの分布調査をします。小学校区ごとの調査票で、過去の記録を参考にしながら探していきます。調査は家族単位、グループ単位での移動になります。(生きもの調査の時には鍋はお休みです。)
○NPO法人コウノトリ市民研究所・平成18年度総会・予告
 
日時:5月14日(日) 14:00~コウノピア
主任研究員はできる限り参加してください。研究員の方はオブザーバー参加できます。
★2006年度コウノトリ市民研究所の年間行事予定
○田んぼの学校 
新規登録をしてください
同封した登録用紙をコウノトリ文化館に届けてください。田んぼの学校当日に直接でも結構です。
(イベント保険の名簿を作成します。)
第2日曜日 コウノピア9時半集合
 毎月第2日曜日「田んぼの学校」を実施します。
 田んぼやその周辺で遊んだり、生き物調査をします。
 お昼は鍋をします。食べて解散。コウノピアに9時半集合。児童は参加費一人100円。
◎年間スケジュール・予定
4月 9日 春の棚田の生きもの 
5月14日 田んぼでオタマジャクシや水生昆虫
6月11日 田んぼでトンボやカエル、メダカ 
7月 9日 小川で魚とり
8月13日 休み
(夏休みは市民研特別企画があります)
9月10日 あぜ道の生きもの、イナゴやバッタ
10月 8日 秋の田んぼでアカトンボ
11月12日 里山で落ち葉集め、薪作り
12月10日 木の実や蔓や木切れで工作
 1月14日 里山で野鳥観察、雪遊び
 2月11日 冬の田んぼ、雪遊び、ソバ打ち
 3月11日 田んぼでアカガエル
*田んぼの学校は雨天でも中止はありません。
○豊岡盆地の生き物調査 
タンポポ調査 4月23日(日)
ホタル調査  5月~6月
ビオトープの生き物調査 
豊岡盆地の野鳥調査 他
*随時連絡します。
○夏休み特別企画・予定 
夏休み期間中に3回の行事を予定しています。詳しい内容はニュースレター7月号で案内します。
7月下旬:里山の昆虫・植物採集
8月中旬:小川の魚類調査
8月下旬:メダカ調査など(未定)
★情報局からのお知らせ
<コウノトリ市民研究所ホームページ情報> http://kounotori.org/
 ●「テーマ別フォトコラム」
放鳥コウノトリ1・2・3・4
野上のJO290/JO290 
段階的放鳥/ニホンミツバチ 
 ●「活動記録」田んぼの学校 アカガエル産卵調査
 ●「ながぐつ観察記」ノスリ/コガマ
<毎日新聞「ながぐつ観察記」連載情報>
2006/2/26日掲載 ノスリ
2006/3/16日掲載 コガマ
★事務局からのお知らせ
*会費未納の方は、行事参加の折に納入してください。
 行事へはなかなか参加できないが、活動の趣旨に賛同し協力会員となりたいと言う方は、下記へ会費を振込みいただければ幸いです。
 金融機関名:但馬信用金庫 本店
 口座番号:普通口座 0666057
 口座名義人:特定非営利活動法人コウノトリ市民研究所 代表理事上田尚志
*インターネットアドレスをお持ちの方は、メーリングリストに加入してください。http://kounotori.org/このニュースレターもネット配信いたします。加入についてはホームページを参照してください。
*コウノトリ市民研究所の行事は自己責任で対応願い
ます。行事での事故等について市民研究所では責任がも
てません。すべて参加者の自己責任でお願いします。


ニホンミツバチ


庭の暖地桜桃が開花した。例年より1週間ほど遅い。
この花が咲くと毎年ニホンミツバチがやってくる。


花に顔を突っ込み蜜腺から蜜を吸う。

花粉を集める時、めしべに花粉がくっつけられる。このおかげでうちの庭のサクランボが結実する。

腕一本でぶら下がりせわしなく何かしている。どうも体にくっついだ花粉を足でこそぎ集めて後ろ足の花粉袋に詰め込んでいるようだ。巣に持って帰って花粉団子として幼虫とかの餌になるのだ。

ミツバチの観察は面白い。ミツバチは働き者だ。
なお、ニホンミツバチは養蜂家が飼っているセイヨウミツバチよりも少し小柄で、おなかの部分の筋の黄色が白っぽい。
蜜や花粉集めの時はそれに夢中で、ミツバチに囲まれて撮影していても刺されることはない。
珍しく撮影データを書いておく。
3月26日
オリンパスE-300に往年の名玉 タムロンSP90F2.5ポートレートマクロ(初代)
F5.6で絞り優先オート WBは曇っていたので6000K サクランボの花に囲まれて全体が赤みがかっているが、実際もこんな感じ。
昭和54年ごろ、学生の時に買ったレンズで20年以上眠っていたが、昨年自分で分解して石鹸で洗ってカビを落とした。
さすが良く写る(^^;)。
これはおまけ、シグマの55-200ズームでオートフォーカスで撮りました。
25日の青空で、これがうまくいかんのでタムロンSPを使ってみたのですが、やっぱりマニュアルのほうがええわ。


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