稲葉 一明 一覧

カニノツメ


カニノツメ スッポンタケ目 アカカゴタケ科
Linderia bicolumnata (Lioyd) Cunn.
 コウノトリの郷公園のSさんから、見たこともないキノコが生えていると、教えてもらいました。
 炭焼き小屋の前のコケの中からそれは生えていました。これはスッポンタケの仲間のサンコタケかなと思いましたが、サンコタケは柄が3本なのにこれは2本しかありません。
 このキノコ、特に左側のやつ、何かに似ていると思いませんか?。カニノツメにそっくりです。
 
 図鑑でしか見たことがなかったのですが、カニノツメというキノコがあるのを思い出しました。調べてみると、正しくカニノツメでした。
 つめの先についている黒いものが、胞子の入っているグレバと呼ばれるものですが、これが悪臭を放って虫を呼んで胞子を運ばせるそうです。
 このキノコの仲間には面白い名前がいっぱいあります。スッポンタケ、イカタケ、カゴタケ、アンドンタケ、キツネノエフデ、、、面白いでしょ?、みんな形が似ているんです。
 カニノツメは、それほど珍しいキノコではないようです。


田んぼの学校 2008.10.12 アカトンボ調査


アカトンボ調査、10月第2土日、豊岡は秋祭り、だんじりが出ている。うちは、前日の土曜日の夜に練り歩いたので、日曜日はもう出さないから大丈夫なのだが、そんな日だから、参加者は少ないだろうと予想はしておりましたがやっぱり少なかったです。
2家族と、スタッフで約15名の参加者。
アカトンボは、10時を過ぎると気温が上がって、だんだんと飛んできたが、今年はお天気も曇りとあって、飛び方が少ない。
午後のほうが良く飛ぶのは分かっているのだが、いつも秋祭りで午前中というあまり条件の良くないときにしているのだ。毎年の比較ということでは、午前中でもいいかもしれない。
昨年撮影できなかった、ネキトンボとウスバキトンボの写真を上げます。
ネキトンボ。ちょっとアカトンボと雰囲気が違いますが、同じアカネ属。


ウスバキトンボ。南の国から飛んできて、日本で繁殖し、冬を越せずに全滅するトンボです。アカネ属とは別のウスバキトンボ属と分類されています。


捕獲データです。参加者が少ない関係もありますが、非常に少ないです。でも、ノシメトンボがほとんど捕れなかったのは、冬季湛水水田など田んぼの乾燥化に歯止めがかかった効果かもしれません。

ガマズミがいっぱいに実をつけていました。

お昼は、イノシシのクリームシチュー。


2008.10.11円山川試験湿地の調査(魚・水草調査) 


2008.10.11
円山川試験湿地の調査(魚・水草調査)  
国土交通省豊岡工事事務所の関連事業で、NPO法人コウノトリ市民研究所と(財)リバーフロント研究所
の共催で実施。
子供たちを含む参加者約30人ほど。


円山川の自然再生ので、河川敷にワンドなどつくり、生物の生息状況、回復状況などモニタリングしている。
絶滅危惧種のミズアオイが出ています。ホザキノフサモという金魚藻みたいなのですが、これがいくら移植しても定着しなかったのに、ワンドを作ったら勝手に出てきたとのこと。
魚は、汽水域だから、いろんな種類がいる。
ワカサギがいました。カネヒラというタナゴ、これは初めて見ました。ボラに良く似たメナダや、シマイサキなど汽水域ですね。
テナガエビが沢山いました。また、ミゾレヌマエビもいました。少し上流だとミナミヌマエビが多いのですが、やはり汽水域は種類が違ってきます。
ハゼの仲間でビリンゴ、これも沢山捕れました。赤石の円山川の浅瀬はコウノトリのお気に入りの場所でハチゴロウたちがなにやら食べていましたが、それがおそらくビリンゴではないかといわれています。底性ですが時々浮き上がってくるので捕り易いとか。
まあ、少しいじってやると生き物たちは沢山増えてくるということですか。
以下写真報告します。
植物
ホザキノフサモ
花が咲いているところはなかなか見れないらしい。

ミズアオイ
もう花が終わりました。

オギ
ススキじゃないよ

マコモ
これに菌がついて膨らんだ軸がマコモタケといって食用になれます。

魚類
タイリクバラタナゴ
タナゴの仲間で、最もはびこっている外来種

オイカワ

ウグイ
幼魚は特徴がないけどきれい。

ニゴイ

メダカ
どこにでもおりますな

ビリンゴ
佃煮にしたらいいかも

マハゼ
優秀な食用魚だと思います。

ヌマチチブ
ポニョってこんなん?

モツゴ

カワヒガイ
久しぶりに見ました。

タモロコ
川にもいます。

メナダ
ボラに良く似ている。アカメとも呼ばれる。

カネヒラ
図鑑で名前だけ知っていたんですが初めて見ました。

シマイサキ
稚魚です。海が近いですね。

ワカサギ
これもはじめてみた。売ってるのは良く見るけど。

ブルーギル。特定外来種。

甲殻類
テナガエビ

モクズガニ
稚カニばかり沢山捕れました。

両生類
ウシガエル
子供たちにダントツの人気でした。


ヤゴ類
サナエトンボ類?

ヤマトンボ類

ヤンマ類
手前のみどりのやつ。たぶんギンヤンマ?
なかなか生息範囲広いですね。

貝類
ヤマトシジミ
汽水域なので、マシジミ、タイワンシジミではなかろう。
体が分厚いです。若いので緑が強いです。

リバーフロントの皆さんのお世話になり、楽しく調査ができました。子供たちの喜んでました。


臨時田んぼの学校2008.10.05 ザ、わかもの座談会


ザ・わかもの座談会について
兵庫県地域協働課主催・豊岡市共催
【第1部】体験活動(田んぼの学)
【第2部】意見交換(座談会)
【昼 食】シカ、イノシシと地元野菜の大なべ、コウノトリ米(無農薬)のおにぎり
ということで、豊岡の子供たちを集めて臨時の田んぼの学校しました。
対象となる子供たちは約55人ほど、その兄弟と父兄と県市の方、うちのスタッフで、全員では120人ぐらいいました。
お天気は曇り、一時小雨で何とか持ちました。
この時期の田んぼビオトープの生き物調査は久しぶりです。
子供たちは海水パンツの常連もいて、慣れたもの?。楽しくにぎやかに。

稲刈りも終わり、水を張った水田がほとんどなくなった関係もあると思うのでが、生き物は沢山いました。
ヤンマ型ヤゴ、ゲンゴロウ類が非常に多い。

大き目のは、クロスジギンヤンマで来年の春に羽化、その他はギンヤンマで来年春から夏に掛けてばらばらと羽化するのではないかと推察。マルタンヤンマのヤゴらしきものも混じっている。ほかの生き物たちの写真は今回は省略。
クロゲンゴロウ、マルガタゲンゴロウ、ハイイロゲンゴロウ、コシマゲンゴロウ、ツブゲンゴロウ、
ガムシ、コガムシ、ヒメガムシ
オオコオイムシ、タイコウチ、マツモムシ、アメンボ
ヤンマ型ヤゴ、トンボ型ヤゴ、イトトンボ型ヤゴ
イナゴ類、アカトンボ類
メダカ、ドジョウ
ミナミヌマエビ、
チスイビル、
イモリ、トノサマガエル
イシガメ
スジブトハシリグモ、
カワニナ
その他、計31種類。
(上田様、当日作成したリストをコメント貼り付けしてください。)
観察が終わったら逃がしてやりました。
道具を川で洗ってから、コウノトリ文化館で座談会、県の地域協働課長さんから兵庫県や但馬、豊岡のすごいことなどお話を聞いて、市民研メンバーから、豊岡の生き物、自然などについての自慢話を聞いて、みんなで意見交換をしました。


お昼は、シカの肉団子とイノシシ肉と地元野菜の入った大なべ。久しぶりに300人なべを炊きました。それと、コウノトリ育む農法のコウノトリ米(無農薬)のおにぎり。いつもは減農薬なんだけども、今回は無農薬の新米です。
さすがにとてもおいしかったです。
最後に希望者は、はばたんの絵のエコバックを作りました。

今回は県の主催なんだけども、神戸から県の職員が沢山来てくれて、現場を見てくれたのは良いことだと思いました。
また、お誘いの上、プライベートでも豊岡に来ていただければ、、、。田んぼの学校、毎月第2日曜です。


田んぼの学校 バッタ調査 2008.09.14

田んぼの学校バッタ調査
参加者約20人 曇り
小学校は運動会をしているところが多くて、今日は人pが少ないだろうと思っていたが、やはり少なかったです。
でも、10人以上の参加者とスタッフ合わせて約20人になりました。
バッタ、コオロギ、スズムシ類を捕まえて、ついでに魚やトンボを捕まえている子もいました。
頭のとがっていないバッタの頭の後ろ部分と羽の違いを載せます。
トノサマバッタ 頭の後ろはほぼ平ら。羽は透明


クルマバッタ  頭の後ろが丸む。羽に模様。車模様?。


クルマバッタモドキ 頭の後ろはほぼ平ら~やや丸む。羽は模様が入っているがクルマバッタよりも薄い。


マダラバッタ  頭の後ろは平ら、横に線。羽は透明


イボバッタ  頭の後ろはでこぼこ。羽は透明。小さくて広げられなかった。まあこれは間違わないだろう。

今日はなべではなくて、しし肉と野菜のカレーライスでした。


ウチワヤンマ


ウチワヤンマ (不均翅亜目 サナエトンボ科 ウチワヤンマ属)
 ヤンマと名がついているが、サナエトンボの仲間。でも体長7センチほどもあるのでギンヤンマと変わらない堂々たる体格だ。しっぽが尾翼のように広がっているのが特徴。黄色が黒で縁取られている。足が黄色いというのも特徴だそうです。

 7月、コウノトリの郷公園の前を流れている釜谷川で飛んでいた。しっかりした枯れ草の先などに止まっていて、他のウチワヤンマやオオシオカラトンボなどが近づいてくると緊急出動して追い払う。

 ヤゴは水深3mとかの水深の深い池に多く、採集しにくいらしいのだが、この辺りに深い池など無いと思う。交尾しながら飛翔しているやつもいます。
 近縁のタイワンウチワヤンマは尾翼の部分が黄色くないので区別できます。


田んぼの学校 里山探検 2008.08.10


猛暑の豊岡、いつも8月の田んぼの学校は参加者が少ない。川ですることも多い8月だが今回は里山探検。たぶん20人くらいでこじんまりと思っていたが、約50人の参加となった。
郷公園に調査研究に来ている長野の学生や、コウノトリファンクラブの会報を見て参加された神戸の家族など、遠くからの参加もありました。

コウノトリの郷公園の里山を、植物、昆虫、キノコなどを観察しながら歩きました。
生き物の種類などはきりが無いので、思いついたことを少しだけ書きます。
久しぶりにクロカナブンを見ました。
山に済むオオゴキブリ?もいました。

ニイニイゼミの抜け殻
ニイニイゼミの抜け殻がたくさんありました。
ヒグラシの抜け殻もありました。
ツクツクボウシが鳴いていました。

ツルタケ
ツルタケ、キアミアシイグチなど、夏のきのこが少しありました。
シカの食害痕がたくさんありました。

ヤマウルシ
大なべは、シカの背ロースと地元野菜。おいしかったです。参加者の皆さんも喜んでました。暑い中でもおいしいんです。
余談だが、コウノトリファンクラブの会報に事務局から頼まれて毎回市民研究所の行事を掲載しているのだが、それを見て参加される方など皆無であろうと僕は信じていたのだが、そうではないことが今回分かった。年に3回か4回ほど、少し手間がかかるだけであるが、何年間も続けているこの作業も無駄ではないことが分かりとてもうれしかったのである。


臨時田んぼの学校2008.07.19


臨時田んぼの学校2008.07.19
NHK地球大好きキャンペーン 自然発見塾
晴れ 参加者 約60人(子供約30人)
猛暑でした。
NHK神戸放送局のイベントで田んぼの学校しました。
神戸方面からの参加者が多いかなと思ったけれど、地元の参加者がほとんどでした。
9時半の集合となるとなかなか神戸からは来れないですね。
でも、定員いっぱいになったのはさすがです。

7月はいつも川の調査をするので、田んぼビオトープの調査は久しぶりかもしれない。
生き物たちは非常ににぎやかでした。
多くの昆虫類は飛んで移動するので、田んぼビオトープと稲作水田、池、プール、などとを結構行き来しているようで、たくさんいるときといないときがある。6月は中干し延期水田でたくさんのゲンゴロウ類が見られたが、田んぼビオトープでは比較的少なかった。
7月のこの時点では、田んぼビオトープがにぎやかだ。中干し延期水田が水を落としたことが原因かもしれない。
ヤゴ(イトトンボ型、トンボ型、ヤンマ型)ヤンマ型はギンヤンマあるいはクロスジギンヤンマの若いのが多かったです。)

ヤンマ型ヤゴ

イトトンボ型ヤゴ ごく幼生

シオカラトンボヤゴ
成虫でオニヤンマ、キイトトンボ、シオカラトンボ、オオシオカラトンボ、ほかにもたくさんいたと思う。

オニヤンマを捕獲
ゲンゴロウ類が多い。クロゲンゴロウ、マルガタゲンゴロウ、ハイイロゲンゴロウ、シマゲンゴロウ、ヒメゲンゴロウ、ツブゲンゴロウ、ゲンゴロウ幼虫

シマゲンゴロウ

マルガタゲンゴロウ

ツブゲンゴロウ(これ、とても小さいです。)

ヒメゲンゴロウ
ハイイロゲンゴロウは動き回るのでちゃんと撮れなかった。

ゲンゴロウの幼虫の共食い。獰猛なやつらです。2匹で少し小さいやつが餌食になってました。
ガムシ、ヒメガムシ、ガムシ幼虫
マツモムシ、コミズムシ、オオコオイムシ、タイコウチ、アメンボ、トビゲラ幼虫

ガムシ

ガムシの幼虫(ゲンゴロウより少し太い)

マツモムシ

コミズムシ

アメンボ

トビゲラ幼虫(結構レアな種らしい)
オタマジャクシ(モリアオガエルかシュレーゲルアオガエル、カエルになりかけのもの)、
トノサマガエル、
ドジョウ、メダカ
ミナミヌマエビ

たぶんシュレーゲルかモリアオガエルのオタマジャクシ

ドジョウ

メダカ
田んぼの学校を11時切り上げて、第2部としてホールで、「体験学習:生き物の環境を考えよう!」が「ひょうごPW(プロジェクト・ワイルド)を推進する会」の皆さんで行われました。子供たちは興味津々、楽しんでしました。最初は芝生広場でする予定でしたがあまりに暑いのでホールに変更。正解でした。外でやっていたら、暑くてあんなに飛び跳ねられないよ。


今回の昼食は豪華で、特大大鍋で鹿肉と地元野菜たっぷりの鍋、祥雲寺産のコウノトリ米10キロをサザエご飯にしました。

お母さん方にも参加してもらっておにぎりにしました。
コウノトリ米のおにぎり、大変おいしかったです。


田んぼの学校 小川で遊ぼう 2008.07.13


もうすでに梅雨は明けたのでしょうか。暑かったです。
少し曇り気味で日差しが弱かったのが幸い。
鎌谷川の生き物観察。
参加者 約60人
参加者は多かったです。低学年から小学校行く前の子供たちが多かった。どんどん卒業していきますが、新しい子もどんどんやってきます。

東公開ゾーンのほうへ移動して、川に入りました。
いつもは、郷公園の入り口の橋の下を中心にしているので、たくさんの来場者に見られますが、今回は落ち着いてできました。
コオニヤンマのヤゴが目立ちました。
ウチワヤンマが飛んでいました。
魚は、カマツカ、ギンブナ、ドンコ、カワムツ、よく分からない小さな稚魚

トキの野生復帰の関係で、新潟放送の取材がありました。

お鍋はヨコワと野菜。


ハラビロトンボ


豊岡市日高町のある谷の一番奥、ほ場整備田であるが、5,6年前から休耕田になっている。
回りは全部シカ対策のための電気柵が張られている。水を引いているわけではないが、上流法面から水が入っていていて、程よい湿地になっている。6月になると、モリアオガエルの卵がいっぱいぶら下がっている。
この湿地、たくさんのトンボが発生していて、春先から、アジアイトトンボ、クロイトトンボ、キイトトンボ、シオヤトンボ、シオカラトンボ、オオシオカラトンボ、ギンヤンマ、ショウジョウトンボ、ハッチョウトンボ、、、、いろんなトンボが観察できます。

今回紹介するのはハラビロトンボ。
名前のとおり、おなかの部分が太く広がっている。

メスは黄色と黒のトラ模様の腹部が大きく広がっていて、なかなか派手なトンボです。

一方オスは、濃い青で、少し白っぽい粉を吹いたような感じもあり、シオカラトンボに近い仲間を感じさせます。

オスは未熟のときは、黄色の地に褐色の斑紋があるが、やがて黒っぽい色から青灰色の粉を帯びるようになる。
これはたぶん未熟なオスだと思う。
飛び方はおとなしく、草に止まっていることが多く、湿地の草の間やすぐ上を飛んでいることが多いと思う。
幅の広い腹部と、特徴的な色で簡単に見分けられます。
この湿地では、5月ごろから出始めて、6月から7月が一番多く見おられます。


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