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コウノトリ野鳥観察会5月度(実施報告)
テーマ:里山で夏鳥のさえずりを聞こう
日時:2016年5月1日(日)8:00〜12:00
天気:晴れ
参加者:11名(講師ふくめ)
講師:高橋、石垣、(菅村、稲葉)
新緑の季節の第2回コウノトリ野鳥観察会。今回は森で夏鳥の声を聞くというテーマで実施しました。スタッフの他、川西市から参加してくれた親子4人を含め、11人の賑やかなパーティとなりました。
夏鳥の観察は早朝から森に入るのがよいのですが、8時にコウノトリの郷公園駐車場集合でスタートしました。まずは、駐車場から見える祥雲寺巣塔のコウノトリ親子の様子を双眼鏡やスコープで観察します。来日集落に向かい、渓流沿いを歩きます。さっそくキビタキの囀りが聞こえます。ミソサザイ、ヤブサメなどの声を確認しながら、ゆっくり沢に沿って上がってゆきます。
植物の菅村主任研究員から、目につく植物の名前やエピソードを教えてもらいます。野鳥の囀りを聞きながら、植物の勉強もできるという、とても贅沢な観察ウォークが続きます。
高い木のてっぺんにオオルリを見つけました。スコープで捉えて、白いお腹やルリ色の頭をチェックします。上空をサンショウクイが「ピリリ」と鳴きながら飛び去ります。遠くからクロツグミの朗々とした囀りも聞こえます。
谷を詰めたところで折り返します。復路の時刻は10時を過ぎており、往路よりも鳥の声が少なくなったことを感じてもらいました。早起きの鳥たちは、10時を過ぎる頃には声を潜めてしまいます。それでも、ミソサザイやキビタキはあちこちで鳴き続けており、最後まで耳をで楽しませてくれました。
森の出口付近、シイタケ栽培のホダ木にキノコを発見。その場では名前がわかりませんでしたが、稲葉主任研究員がサンプル採集して持ち帰りました。名前が分かり次第、記録に残します。
※スギタケ(モエギタケ科)と判明しました。(5/7記)
森での野鳥観察を終え、残り1時間をコウノトリ観察に充てます。戸島湿地にお邪魔し、管理棟からスコープと映像で2羽のヒナの子育ての様子を観察しました。湿地上空を7羽のコウノトリが舞っていたもの印象的でした。
次に野上のコウノトリ保護増殖センターに立ち寄ります。駐車場から見える野上巣塔では2羽のヒナが孵りましたが、1羽が死亡したことが確認されています。自然界の厳しさなどの話も、参加者に伝えます。
最後に、三江小学校グランドに立つ庄境巣塔を観察しました。ここでまとめをし、解散としました。今回の観察会のために、遠路参加して頂いたファミリーにはよい思い出になってくれたことでしょう。スタッフ同士の自己研修の場としても、今回の観察会はとても充実したものとなりました。
【本日確認した鳥】
コウノトリ、キビタキ、ヤブサメ、センダイムシクイ、ミソサザイ、シジュウカラ、ウグイス、メジロ、オオルリ、サンショウクイ、クロツグミ、ヒヨドリ、セグロセキレイ、ツツドリ、アオゲラ、コゲラ、アオジ、ホオジロ
田んぼの学校4月度(実施報告)
日時:2016年4月17日(日)9:30〜12:00
天気:晴れ
テーマ:タンポポなど春の草
参加者:親子22名+市民研スタッフ8名
昨晩からの強風が残る中、親子22人が集まってくれました。
郷公園内や祥雲寺の田んぼ周辺の、春の雑草を調べて回りました。
文化館に戻ってから、採集した雑草の名前を調べていきます。
今日は全部で52種類の植物を観察しました。
お昼の大鍋は、完成したばかりの茅葺き小屋の中で振舞いました。
今日の鍋はカニとタケノコをメインに、地元野菜がたっぷり入りました。
【本日確認した植物:52種類】
スイバ、ノゲシ、スミレ、ヒメスミレ、タチツボスミレ、オオタチツボスミレ、ツボスミレ、アリアケスミレ、オランダミミナグサ、オオイヌノフグリ、ワスレナグサ、キュウリグサ、ヒメオドリコソウ、ウマノアシガタ、キツネノボタン、タガラシ、スギナ、ワラビ、ヘビイチゴ、オヘビイチゴ、セイヨウタンポポ、シロバナタンポポ、オニタビラコ、コオニタビラコ、シロツメクサ、ヤブガラシ、ニガナ、ジシバリ、コモチマンネングサ、ツルマメグサ、クサマオ、イヌガラシ、スズメノヤリ、スズメノカタビラ、オオバコ、ツボミオオバコ、カラスノエンドウ、タネツケバナ、カラシナ、ノジシャ、ホトケノザ、マツバウンラン、トキワハゼ、ムラサギサギゴケ、コハコベ、ノミノツヅリ、セリ、タチイヌノフグリ、キランソウ、ヒメジョオン
田んぼの学校2016実施案内
コウノトリ文化館・NPO法人コウノトリ市民研究所は、今年も「田んぼの学校」を開校します。田んぼや小川や里山を舞台に、どろんこになって、魚や虫をつかまえます。
田んぼの学校は、共同で遊ぶ「広場」として開催しますので、行動は自己責任でお願いします。
年間スケジュール(予定)
すべてに参加する必要はありません。都合に合わせて参加してください。
毎月第3日曜日9時30分から12時30分ごろまで
4月17日 タンポポなど春の草
5月15日 春の田んぼ・オタマやタイコウチなど
6月19日 初夏の田んぼ・トンボやカエルやメダカ
7月17日 小川の生きもの探し
8月 夏休み
9月18日 バッタ・イナゴ探し
10月16日 アカトンボ探し
11月20日 里山で落ち葉集め・など
12月18日 里山の木の実や蔓でリースづくり
1月 冬休み
2月19日 冬の田んぼ里山で生きもの探し
3月 春休み
*春・夏・冬休みには特別行事を実施します。コウノトリ文化館HPなどでご案内します。
*田んぼの学校は雨天でも中止はありません。
*参加費は子ども100円です(傷害保険料他)
*昼は地元食材の鍋があります。必要な方はおにぎりを持参してください。
<場所と時間・準備するものなど>
場 所:コウノトリの郷公園・コウノトリ文化館集合
警報が発令されている場合は中止です。それ以外の時は実施していますが、
自主判断で参加してください。状況によっては内容は変更されることがあります。
時 間:9時30分開会、12時30分頃終了
服 装:汚れてもよい服装、帽子、靴(田んぼのときは長靴か裸足。)
持ち物:必要な方は弁当持参 、タオル、着替え、水筒、
愛用の自分の網、タモなどがあれば持ってきて下さい。
川に入るときは古い靴やビーチサンダルなどが便利。
<注意事項>
・小学校3年生以下は保護者の同伴をお願いします。
・行事参加者傷害保険に加入しますが、けが、事故等については原則それぞれの自己責任で対応願います。
・子どもの送迎は、保護者の責任でお願いします。
・地元食材の鍋は参加者がボランティアで作ります。自己責任で食べてください。
コウノトリ野鳥観察会4月度(実施報告)
日時:2016年4月3日(日)13:30〜16:00
天気:曇り
参加者:10名
講師:高橋、石垣
2016年度の最初の自然観察会として、コウノトリ野鳥観察会の第一回目を実施しました。豊岡盆地の季節ごとの野鳥を、コウノトリと一緒に、参加者の皆さんと観察しようという新企画です。
呼びかけに集って頂いたのは、当日参加の方々を含め10名。野鳥観察会にはほどよい人数となりました。コウノトリ市民研究所から稲葉、岩本両主任研究員も参加してくれ、今回の講師のサイドサポーターとなって頂きました。
学習室で簡単なレクチャーのあと、双眼鏡の使い方を覚えてフィールドに出ます。まずは、目の前の祥雲寺巣塔のコウノトリ観察。ヒナの頭が見えると歓声があがります。
自然観察路を尾根まであがって、眼下の巣塔を観察します。孵化2週間目の可愛いヒナの仕草が参加者の気持ちを和ませます。周辺から聞こえてくる鳥の声を、ひとつずつ岩本主任研究員が説明してくれます。タムシバ、コバノミツバツツジが満開。足元にはタチツボスミレが咲いています。
2番目の観察ポイントは、三江小学校校庭に立つ庄境巣塔。祥雲寺巣塔ペアが昨年度まで営巣していた場所に、J0476♂とJ0055♀の若いペアが入り抱卵中です。巣塔の下では小学生が野球の練習中。おそらく世界でただひとつの、校庭で子育てをするコウノトリです。営巣をめぐるコウノトリのエピソードを、元コウノトリの飼育員だった石垣研究員が丁寧に説明してくれます。
3番めの観察ポイントは野上巣塔。ここはコウノトリ野生復帰の原点の場所です。1965年、豊岡に残っていた野生コウノトリを1羽づつ捕獲保護して、なんとか人の手で子孫を繋いでゆこうという、世界で初めてのチャレンジがスタートした場所です。ここの飼育員だった松島興治郎さんのことや、こつぜんと舞い降りてこの場所で独りで巣作りを始めた野生コウノトリ・ハチゴロウの思い出を、稲葉主任研究員が説明します。物語は新たな人の心に響き、伝えられてゆきます。
4番めの観察ポイントは赤石巣塔。観察時には抱卵中と思って説明していましたが、赤石巣塔で3羽のヒナが孵っていることを後で知りました。円山川堤防越しに、ヤナギの新緑が美しく連なっていました。この時間帯から風が少し強くなり、ポツポツと雨粒も落ちてきました。
この日最後の観察ポイントはハチゴロウの戸島湿地。1羽のヒナが孵っていることが数日前に確認されています。残り2卵も孵化しているかもしれません。この湿地が守られたエピソードや、施設名のハチゴロウの冠についての説明をしながら、館内でゆっくり過ごしてもらい解散としました。
今回の野鳥観察会は、コウノトリの営巣巣塔を順番にめぐることをメインに置きました。以下の野鳥をチェックしましたが、さて、参加者の皆さんにはどれだけ記憶に残っているでしょうか。次回5月は、夏鳥の観察をメインにする予定です。午前中に、谷筋を歩きながら小鳥たちの歌声を一緒に聞きましょう。一ヶ月後の、いくつかの巣塔のヒナの様子も見てみましょう。
【本日確認した鳥】
コウノトリ、トビ、アオサギ、ダイサギ、ヤマガラ、コガラ、コゲラ、シジュウカラ、ヒヨドリ、メジロ、セグロセキレイ、コチドリ、ツバメ、カシラダカ、イソヒヨドリ、カワラヒワ、アオジ、ウグイス、ホオジロ、ジョウビタキ、ヒバリ、カルガモ、マガモ、オオバン
田んぼの学校3月度(実施報告)
日時:2016年3月20日(日)9:30〜12:00
天気:曇り
テーマ:早春のビオトープ
参加者:親子25名+市民研スタッフ8名
親子25人が集まってくれました。
西ビオトープでは、アカガエルのオタマジャクシがたくさん泳いでいます。網を入れて、早春の生きもの調査です。
採集した生きものの名前を調べていきます。
子供たちがアカガエルを手に乗せて感触を確かめます。
お昼のお鍋は、豊岡市内で捕れたシカ肉。
【ビオトープで確認した生きもの】
メダカ、ニホンアカガエル(オタマ)、シュレーゲルアオガエル(声)、ミナミヌマエビ、オオコオイムシ、ヒメゲンゴロウ、ヤゴ(トンボ型、イトトンボ型、カワトンボ型)、カワゲラ類、ヒル類、ミズムシ
コウノトリ野鳥観察会
コウノトリ野鳥観察会
主催:NPO法人コウノトリ市民研究所
豊岡盆地周辺で暮らす野鳥を観察しながら、周辺の環境や様々な生物を、コウノトリ市民研究所の研究員が案内します。円山川下流域には水鳥の保護に関するラムサール条約湿地があり、豊岡盆地はコウノトリの生息地にもなっています。自然の見方が少しわかると、今まで気づかなかったたくさんのものが見えてきます。初めて鳥を見る人も参加できる観察会です。
2016年度年間スケジュール(予定)
4月3日 田んぼや河原で春の渡り鳥を見よう(コチドリ)
5月1日 里山で夏鳥のさえずりを聞こう(キビタキ)
6月5日 山の鳥を見に行こう(ホトトギス)
7月3日 巣立ちコウノトリに会いに行こう(コウノトリ)
(8月はお休みします)
9月4日 海の渡り鳥を見に行こう(シギ・チドリ)
10月2日 田んぼや河原で秋の渡り鳥を見よう(ノビタキ)
11月6日 紅葉の山で鳥を見よう(ツグミ)
12月4日 冬の猛禽類を見よう(チョウゲンボウ)
1月8日 郷公園内の冬鳥を見よう(ジョウビタキ) ※1月度のみ第2日曜日開催です
2月5日 カモとコハクチョウに会いに行こう(コハクチョウ)
3月5日 北に帰る鳥を見送ろう(カンムリカイツブリ)
・毎月第1日曜日 集合時間と集合場所は季節によって異なります。(HPで都度案内します)
・事前申し込みとします。定員は20名以下とします。
・各自の車で参加していただきます。乗り合わせも可能ですが、自己責任でお願いします。
・自家用車での移動が前提なので、こどもだけの参加はできません。
・季節により、防寒対策、暑さ対策をお願いします。
・自分の双眼鏡や望遠鏡がある人は持ってきて下さい。数に限りがありますが無償貸出もします。
<連絡先>
お問い合わせは、コウノトリ文化館までお願いします。
E-mail: bunkakan@kounotori.org 〒668-0814 兵庫県豊岡市祥雲寺127番地
TEL:0796-23-7750 FAX:0796-23-8005
コウノトリ文化館ホームページ(http://kounotori.org/bunkakan)
本イベントのチラシは、こちらからダウンロードできます。
スタッフの勉強会を実施しました
テーマ:豊岡の観光とコウノトリ文化館
講師:豊岡市環境経済部大交流課 田島力参事
日時:2016年3月2日(水)17:30〜20:00
場所:コウノトリ文化館多目的ホール
定時後の時間を利用して、スタッフの勉強会を実施しました。今回は大交流課の田島参事を講師に迎えて、観光業の専門家からの提言やらアドバイスを頂きました。
自然環境系のリソースを抱えながら、観光・集客という運営手法に手慣れていない弱点を、少しでも肉付けしてゆこうという自己研修プログラムとして開催しました。
フリートークの中で、いろいろな問題点も再認識する機会となり、今後、行政サイドと文化館指定管理サイドとのさらなる連携強化の必要性を感じました。
いつもはお客様をお迎えするホールで、みんなでお弁当を食べ、講師の話に耳を傾け、トークを交わすという試みは、なかなか刺激的な時間となりました。今後、いろいろなテーマで、スタッフの勉強会を開催したいと思っています。
田んぼの学校2月度(実施報告)
日時:2016年2月21日(日)9:30〜12:00
天気:曇り
テーマ:冬の田んぼ里山で生きもの探し
参加者:親子9名+市民研スタッフ10名
3組の親子が集まってくれました。このくらいのグループで観察するのが、教える側も教わる側もちょうどいい感じです。最初は西ビオトープでアカガエルの卵塊調査です。卵のかたまりを見つけるたびに、子供たちの歓声が上がります。
産んでから時間が経ったものが多く見られましたが、昨晩産んだばかりと思われる小さな卵塊も混じっていました。西ビオトープでは91個の卵塊を数えました。
抱卵中の祥雲寺巣塔のコウノトリや、田んぼのアオサギ、ダイサギを双眼鏡やスコープで観察しながら東ビオトープへ移動します。
西ビオトープに比べると、東側は産卵数が少なく、産みたての卵塊の割合が多かったのが特色です。今後、東ビオトープでの産卵がさらに進むものと思われます。
東ビオトープでの産みたての卵。東ビオトープ全体で、48個の卵塊を数えました。
戻り道、西自然観察路を尾根まで上がり、みんなで祥雲寺巣塔を上から観察しました。タイミングよく、抱卵していたオスが立ち上がって転卵をし、望遠鏡で3卵をチェックすることができました。
最後に、展示実習室で、捕獲飼育中のアカガエルを観察しました。右手に乗っているのがメス、左手に乗っているのがオスです。オスとメスの違いも子供たちに説明しました。
今日のお鍋はイノシシでした。肉の量がちょっと少なかったですが、さっぱりとした上品な味噌汁でした。
記録係の上田館長のメモをそのままスキャンしました。数字は、それぞれの場所で数えたアカガエルの卵塊のカウント数です。
【本日のまとめ】
▼アカガエル卵塊数
西ビオトープ:91個
東ビオトープ:48個
合計:139個
▼チェックした野鳥(カッコ内はスタッフが声を確認)
コウノトリ、カワラヒワ、セグロセキレイ、アオサギ、ダイサギ、カワウ、(ホオジロ、ツグミ、エナガ)
▼雪の上に見つけたもの
シカの足跡、シカの糞