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アベマキのドングリ

コウノトリの郷公園でアベマキのドングリをたくさん拾いました。あまり落ちていないので、大収穫でした。

アベマキのドングリはどうしてあんなに大きくてもじゃもじゃの帽子をかぶっているのか、今日答がわかりました。あれはきっと隠れ蓑です。帽子ごと落ちてドングリを隠します。そして、その下で根をだします。帽子から出てしまったドングリは、よく目立つので、すぐに見つかって食べられてしまいます。ただし、リスに運ばれて、忘れられたものが芽を出すというのもありましたね。

大きな帽子で隠れています。

裏返すとしっかりと根が出ています。隠れ蓑説、どうでしょうか。


オオシオカラトンボ


シオカラトンボよりも少し大きくてがっしりした感じ。オスが成熟すると粉を吹いたように見える色が、青っぽくなって、シオカラトンボの色とは明らかに違う。
6月ごろから見られるが、8月に入ってからが青い色もはっきりしてきて良く目立ってくる。
メスは、近い仲間のシオカラトンボやシオヤトンボ、ハラビロトンボなどと同じように黄色と黒のトラ模様。


オスとメスが連結して(タンデム)飛んでいる。他のオスが縄張りを張っていないところ、あるいは縄張りを張っていない隙を見計らって産卵場所の水面でオスメスは連結をとき、オスはメスの少し上で見張りをして、ほかのトンボを追い払う。トンボは交尾をするとその前に交尾した精子がかき出されるので、最後に交尾したオスの遺伝子が残る確率が高い、すなわち、産卵がきっちりとされる前にほかのオスと交尾されると自分の遺伝子が残せなくなるからオスは連結を保ちつつ隙を見てメスに産卵行動を取ってもらいその間必死にほかのオスを追い払うということのようである。
メスは、単独でしっぽを水面に打ち付けるようにして産卵する。これを打水産卵という。

豊岡周辺では山に近い水辺で普通に見られる。
写真は、豊岡市日高町の休耕田の水路。希少種のミズオオバコが沢山咲いているところで打水産卵していました。


シロオニタケ


シロオニタケ (ハラタケ目テングタケ科テングタケ属)
Amanita virgineoides Bas
(白鬼茸)
夏から秋にかけて、広葉樹林の地上によく見られる。
大型のキノコ。傘、柄にいぼいぼが沢山あり、特徴的である。つばはマント型で大きく脱落しやすい。つぼは見られず、いぼいぼ状の鱗片となって付着している。幼菌のときはこけしのような形をしているが、いぼいぼが鬼の角のようであるといわれるとそう見えないこともない。かさが半球形からやがて水平に開く。

猛毒菌の多いテングタケ科テングタケ属のキノコであるが、毒成分ははっきりしていないようだ。昔の図鑑では食毒不明とされているものもあるし、おそらく無毒菌であろうとか、湯でこぼせば食べられるという説もあるとか、かなりいい加減なことが書いてある。

「日本の毒きのこ」(学研)によると、毒成分は不明で胃腸系及び神経系の中毒を起こすとなっている。テングタケ属の白色ということで、ドクツルタケなど致命的キノコと近縁なこともあり、絶対に食べないほうが良いが、これだけ生えているのだから、致命的な毒菌であれば必ず犠牲者が記録に残ると思うので、おそらく、それほど深刻なキノコではないのではないかと思われる。

白鬼茸:白い鬼の角のようないぼを着けたきのこ
豊岡市では里山、広葉樹林で普通に見られる。


アカマダラコガネ


コウノトリの巣から見つかったので話題になったアカマダラコガネ。兵庫県では絶滅種といわれていた。実際には、但馬でも近年発見されている。里山の自然の中で、生活する虫の1つだ。

オレンジと黒のまだら模様。なかなかかっこいい虫だ。


ハッチョウトンボ


(八丁蜻蛉 Nannophya pygmaea )
豊岡市日高町のある谷の奥の休耕田、山沿いから冷たい水が染み出てくるようなところ。
そこに日本一小さなトンボ、ハッチョウトンボがいます。成虫の体長は雄で20mm、雌で18mmほど。

トンボというよりもアブみたいです。
オスは成熟すると真っ赤になるのでトンボと分かりますが、メスは地味なので、知らなかったらアブと思う人もいると思います。

湧水のある水深の浅い湿地見たいなところを好むらしいが、冷たい水でなくても良いのだろうか、東南アジアに結構広く分布しているらしい。

だが、国内では局所的で、近年生息地は減少していると言われている。だが、但馬の場合は耕作放棄地が拡大し、彼らの生息適地もそこそこ新たにできているかもしれない。
ハッチョウという名前は、江戸時代の学者の記録に、今の名古屋付近の矢田鉄砲場八丁目でしか見られないトンボであるとしてつけられたとのこと。

この小さなトンボ、写真ではなかなか小ささがわからない。この写真はかなり後ろにハラビロトンボが写っているので、小ささが分かるでしょうか。


モリアオガエルの産卵


ビオトープではモリアオガエルが産卵を始めた。シュレーゲルアオガエルより少し遅れて産卵期に入る。中には地表近くの草の上に産卵しているものもいる。

最近、成体になかなか出会えない。以前は、卵塊のある木の幹をたどっていくと、すぐに見つかったのに。枝をゆすってみると、緑の物体が水面に落ちた。小さな木の実が落ちたように見えたが、近くで見ると、底の泥に半分埋まったカエルがいた。手にとって見ると、眠そうな目をしていた。

こちらはアマガエル。昼間から元気いっぱい。大きなペットボトルに入れてしばらく観察した。アマガエルはアオガエル科とは別のアマガエル科。姿は似ているが、別グループ。


カエルの産卵

文化館の裏のビオトープでカエルの卵を見つけた。この時期だと、トノサマガエルかウシガエル。昨年トノサマガエルの実績があるので多分そうだと思うが、かなり発生が進んでいる。トノサマガエルの卵塊は、アカガエルほど見つからない。

ビオトープではニホンアカガエルのオタマジャクシが大きくなった。顔をアップしてみると、トノサマガエルとかなり似ている。


二ホンヤモリ

二ホンヤモリ 日本家守、Gekko japonicus

玄関の戸にヤモリがいた。二ホンヤモリである。まだ子供で小さい。ひさしびりに見たように思うので撮影した。

玄関灯をかなり強力なライトにしているので、光に集まってくる昆虫類を狙っているようだ。この時期、カゲロウ類がわんさか羽化して虫だらけであり、食べ物には困らないだろうと思う。

目がくりっとしていて可愛い。まぶたがないのだ。
体の動き、くびれ、壁にくっつく膨らんだ指先、時々出す舌、小さな体で、あわてて逃げるでもなく、妙に可愛い。
よく見ると、体はうろこに覆われ、顔は恐竜のように真剣だが、やっぱり小さくて可愛い。
爬虫類ファンが結構いてペットショップで売られているらしい。確かにヤモリは魅力があるなあと思った。
でも、時々出会うのがよろしいと思う。
全長10-14cmになる。体の色を変化させることができる。背面にやや大きい鱗がある。しっぽはトカゲと同じで自切・再生できる。扁平な体で狭い場所にも潜りこむ。
民家とその周辺に生息し、家を守る、家守り、ヤモリということ。身近な生き物でハエやカなど衛生害虫を食べてくれるので、ヤモリがいると縁起が良いとして昔から大切に扱われていた生き物と言える。

日本では原生林等では見られないので、日本原産とは考えにくく、大陸からの貨物等に紛れて持ち込まれた外来種と見られている。中国には同一種が原生林にもいるらしい。
学名には japonicusが付いている。
ケッケッケッと鳴く声を聞いたように思うが、二ホンヤモリはあまり鳴かないらしい。でも良く鳴いているように思うのだけど、、


ブナの開花とツキノワグマの関係


ブナは実をたくさん付ける豊作の年と、ほとんどあるいは全く実を付けない凶作の年がある。春にほとんど花を咲かせない年はもちろん凶作になる。
ブナの豊凶は近畿、西日本あるいは全国的に同調する傾向がある。全国的に豊作とか、全国的に不作とかになる。
ブナの実は、ツキノワグマが越冬に備えての秋の重要な食料になる。だからブナが不作の年にはクマがたくさん人里に下りて来て、カキなどを食べる傾向がある。
兵庫県の場合は、コナラなどのドングリの豊凶もクマの出没に大きく影響するが、氷ノ山山系ではブナ林もそれなりに広大で影響は大きい。
平成17年にブナが大豊作であったが、その後18,19,20年とブナの凶作が続いた。ほとんどあるいは全くといってよいほど実が付かなかった。その間、ブナの木は実を付けなかった分、栄養を温存している。ブナの実を食べる虫たちは、ここ数年ブナが凶作のため数を減らしている。ネズミなどの採食者も不作が影響して数を減らしている。ブナは4,5年に一度大豊作になり、あとは凶作というパターンが多い。数年の凶作のあとにいっせいに実を着けて大豊作になると子孫を残すのに有利なのだ。採食者が食べきれないのである。毎年同じぐらい実を付けていると、実を全部食べられてしまうのだが、広域的にブナが豊凶を同調させることでそれを防いでいるのだ。
長々中途半端な説明をしてきたが、つまり今年は豊作になる可能性が高いとういことだ。
で、先週日曜日と、本日、ブナの開花を見てきた。

4月12日、三川山のカタクリの花を見に行ったのであるが、標高450mほどのところからブナ林が出現する。多くのブナがぎっしりと花を咲かせていた。

4 月18日、蘇武の林道沿い800~900mぐらいに見られるブナ林、やはり開花が始まっている。ついに今年は盛大に花を咲かせたのである。数年間花をほとんど咲かさずに凶作をつづけた後に花を咲かせるとその秋は台風などの気象的な影響がなければ豊作になる。つまり今年の秋はブナが豊作になる可能性が高い。ということは、ツキノワグマが里へ降りてくる数も少なくなる可能性が高いのだ。


昨年の秋は、但東や出石を中心に全県的にクマが大量に出没したが、今年はどうなるであろうか、氷ノ山方面と比べると、床ノ尾山系はブナの数が少ない。今年の但東や出石のクマの出具合はどうなるのであろうか。
*ブナやどんぐりの豊凶とクマの出没との関係は、兵庫県のツキノワグマ保護管理計画にデータ等が掲載されています。
http://web.pref.hyogo.lg.jp/contents/000123055.pdf

おまけ、カタクリの花


エノキタケ


エノキタケ
キシメジ科エノキタケ属(Flammulia velutipes(Curt.:Fr.)Sing.)
我が家の庭のクルミの木が大きくなって厄介なので、ばっさり切ってしまったら、切り株がだんだん朽ちてきた。1年目の冬、よく分からないキノコが生えてきた。2年目の今年、こいつが生えてきた。最初見たときツキヨタケを連想したが、時期と香りでエノキタケと気がついた。

栽培きのこも沢山あるが、野生種と販売されているのとがまったく違うキノコの代表がこのエノキタケであろう。
もやし栽培のものと似ても似つかない野生エノキタケ。大きい。
香りが、もやしエノキと同じであるので、同一種であることが理解できる。

真冬に雪の中でも徐々に成長する。外見的にはあまり特徴のないきのこといえると思うが、この時期生えているキノコはないから、間違いにくい。
柄が黒い。ぬめりがある。傘は8センチぐらいにまで大きくなる。
味、歯ごたえ、ぬめり食感、良好である。
真冬に庭に生えてきてこれだけおいしいのであるから、非常に優れた食菌である。

栽培ものも、もやしにせずに普通に大きくしてもよいように思うのだが、、、


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