2007年02月 一覧

オキナクサハツ


オキナクサハツ  ハラタケ目ベニタケ科ベニタケ属
(翁臭初)
Russula senecis Imai
夏から秋にかけて広葉樹林に出る。傘にはしわがあり、翁(おきな)の名が付いている。ハツタケの仲間で悪臭がするのでクサハツ。よってオキナクサハツ。しかし、悪臭がするかどうかは、系統によって差も大きいようだ。
傘が開くと表面の褐色の薄膜が裂けて、独特の面白い模様になる場合が多いようで、このあたりで分かり安い。

味は辛く、有毒であるが深刻ではなく、清水大典氏の図鑑では不食となっている。辛くて美味しくないのだ。
翁臭初
翁 おきな おじいさん
臭 くさい、においがする
初 初めて ハツタケ
平成18年7月22日 豊岡市妙楽寺


メジロ

ウグイスと間違わないで

メジロ(スズメ目メジロ科)
 メジロは里の鳥として古くから親しまれてきた。目が白いからメジロ。直感的である。メジロにまつわるエピソードの中で、ウグイスとの混同は今でも続いていて、いまさらなところもある。鴬色といえば深い緑色を思い浮かべるが、実際のウグイスの羽根色は地味な茶褐色である。鴬色と呼ばれる緑は、実はメジロの羽根色とよく一致する。
 花札に「梅に鴬」がある。あれがウグイスだと思っている人が多い。改めて見て欲しいのだが、描かれているのは何とも不思議な鳥である。背中は緑で、顔から下が黄色、目は赤である。こんな鳥は日本にはいない。ましてや全身褐色のウグイスとは似ても似つかない。絵柄だからという視点で見ても、ウグイスとはほど遠い。この鳥はきっとメジロを描いたものだ。目が白いという一番の特徴がないが、背中の緑はメジロと一致する。
 そもそも、ウグイスが梅の木に止まることはまずない。冬のウグイスは笹藪の中に身を潜めて地面を徘徊している。一方のメジロは、花の蜜が大好物。真冬に咲くツバキやサザンカに飛来しては、花にくちばしを突っ込んで蜜を吸う。梅が咲けば梅の花にも寄ってくるのがメジロである。
 メジロは冬の花から蜜を頂くかわりに、虫のいないこの季節の大切な花粉媒介者として役立っている。ウグイスとともに身近な鳥ゆえの混同が続いているが、庭木にもよくやってくるメジロの益鳥としての一面を知ってみるのも面白い。鴬色をした目の白い小鳥を見かけたら、今度は間違えずにメジロと呼んでやってほしい。メジロは決して「ホーホケキョ」とは鳴かないのである。
文と写真 NPO法人コウノトリ市民研究所・高橋 信
※2007年2月25日(日)掲載


田んぼを食べる鳥


田んぼを食べる鳥
コハクチョウ  カモ目カモ科コブハクチョウ属
 豊岡盆地で2羽のコハクチョウが越冬している。コウノトリの野生復帰に取り組むこの地域では「コウノトリ育む農法」として、冬場にも水を張る「冬季湛水水田」が広がりつつある。コウノトリ以外の水鳥たちにも歓迎されているようで、これまでは羽休めに豊岡盆地へ立ち寄る程度だったコハクチョウが、昨シーズンより越冬地として居座るものが出てきた。これは大きな変化であろう。
 さて、このコハクチョウ、河谷地区でコウノトリ野生復帰に取り組んでおられる岡 治さんのブログから、「やっかいな水生雑草のクログワイが一番繁茂している田んぼを、過日1月20日トラクタでかき混ぜて以来、コハクチョウ2羽が住み着いて、終日クログワイの球根を食べてくれている模様。」との情報を得た。(http://pub.ne.jp/kounotori/「六方たんぼのコウノトリ」で検索可能)
 早速現地確認に赴いた。確かにコハクチョウは田んぼの泥の中に長い首のほとんどを突っ込んで、なにやら探し出し、引っ張り出すようにして食べている。よほど美味しいものなのだろうか、泥の中深く、もしかしたら30センチぐらい入っているかもしれない。トラクターで代掻きをしたあとだからこんなことが出来るわけであるし、そんな深いところにある美味しいものというのは、クログワイの球根である可能性は十分にある。もし、コハクチョウがクログワイの球根を退治してくれるとしたら、この厄介な難防除雑草を無農薬でやっつける新たな農法になる可能性もある。
 コハクチョウが田んぼに食らい付いている上空を4羽のコウノトリが舞っていた。冬季湛水水田は、コウノトリだけでなく様々な生き物を育み、そして農薬をできるだけ使わない安全なお米を生産していく。こんなに素晴らしいことはないだろう。
 純白の美しいハクチョウであるが、泥の中から出てきた顔は真っ黒である。
NPO法人コウノトリ市民研究所
主任研究員 稲葉一明
2007年2月11日掲載


田んぼの学校 食べる会、冬のビオトープ


田んぼの学校 食べる会、冬のビオトープ
曇り~雨 参加者約50名
最初に田んぼビオトープを少し見ました。

アカガエルの卵塊が確認できました。

みんなでそばうちをしました。




FMジャングルあゆみんの取材もありました。

そば団子も作りました。

あんこときなこです



天ぷらもしました。げそとかきあげ、カキ、そばのから揚げもしました。


みんなで食べました。

大変美味しかったです。
やはり食べる会は楽しいですね。


J0363真冬にカエルを食す


高病原性鳥インフルエンザの影響で、公開ゲージのコウノトリたちが収容されたとか、ハチゴロウとJ0294が駆け落ちしていなくなったのではないかとか、J0290とJ0362が兄妹なのにカップルになったとか、コウノトリたちの世界も騒がしいが、J0363は小坂盆地や出石川の河川敷で淡々と過ごしている。
昨年9月の放鳥後、コウノトリの郷公園へ一度も帰らずに自立している。
本日観察していると、冬眠中のカエルをあぜ際から見つけ出して食べていた。もしかしたら産卵に来ていたアカガエルかもしれない。

カエルを増やすということは、冬場の餌にもなるのだ。
種類まではちょっと同定できないが。アマガエルかなあ。アカガエルかなあ。

平成19年2月10日豊岡市沖加陽 東浦ビオトープにて


ニュースレター2007年2月号

 暖かい冬でしたが節分は雪になりました。地球温暖化や暖冬の記事が目立ちます。国連の「気候変動に関する政府間パネル」の作業部会の報告も発表されました。人間の生活や生き物たちにどんな影響を及ぼすのか心配です。
 今年のアカガエルの産卵状況はどうでしょうか。気になってはいたのですが、まだ確かめていません。2月の行事で、棚田のビオトープを見回りたいと思います。
★2月の行事案内
田んぼの学校2月
冬の田んぼ、雪遊び、ソバ打ち
日時:2月11日(日)  9:30~コウノピア集合
今年は暖冬なのでアカガエルの産卵が早まるかもしれません。2月上旬の産卵は珍しくありません。雪がなければビオトープものぞきます。ソバ打ちは例年通り実施します。いつも切れ切れのソバですが、なかなかの味です。
★行事について
・田んぼの学校は原則として中止はありません。天候によって内容が変わることはあります。
・田んぼの学校は毎月第2日曜日に、田んぼやその周辺で「共同で遊ぶ」ことを原則にしています。
・コウノトリ市民研究所の行事は自己責任で対応願います。行事での事故等について市民研究所では責任がもてません。すべて参加者の自己責任でお願いします。
(ニュースレターWeb版は内容が重複するため簡略化しています。)