▼活動レポート 一覧

秋の雑草講座2(実施報告)

日時:2016年10月27日(木)9:30〜11:30
天気:晴れ
参加者:5名
講師:上田、村田

先月に続き2回目の雑草講座です。
まず、上田館長からレクチャーを受け、秋晴れの空の下、近隣の畦道を歩いて目につく植物を採集し名前を調べました。
この時期は花あり実あり。そして紅葉も。
ブーケを作ったり、リースの材料になりそうなものも見つけました。
「雑草」と一言で片づけるのはもったいないですね。

確認種:37種類
カゼクサ,キンエノコロ,コブナグサ,ススキ,チガヤ,チカラシバ,メリケンカルカヤ,オオチドメグサ,カタバミ,スゲの仲間,ヒメクグ,アキノノゲシ,アメリカセンダングサ,オオアレチノギク,セイタカアワダチソウ,セイヨウタンポポ,ヒメジョオン,ブタナ,ヨメナ,ヨモギ,キツネノマゴ,トウバナ,トウバナ,ヒメジソ,イタドリ,イヌタデ,ミゾソバ,ツユクサ,エノキグサ,オヘビイチゴ,イノコヅチ,クサネム,ツルマメ,ノアズキ,ヤハズソウ,ヤブツルアズキ,ヤマノイモ

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文責:村田美津子


コウノトリ野鳥観察会10月度(実施報告)

テーマ:田んぼや河原で秋の渡り鳥を見よう(ノビタキ)
日時:2016年10月2日(日)13:00〜15:30
天気:晴れ
参加者:5名
講師:橋本、石垣

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今回は野外コウノトリの識別というテーマを持って、フィールド観察に向かいます。

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最初に見つけたのは六方田んぼの北端の電柱の上。足環をチェック。J0025♂でした。

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六方田んぼを南下して伊豆地区で観察。ここでは3羽を確認しましたが、刈田の二番穂が伸びて足環がなかなか見えません。堪水田ではアオアシシギを観察しました。

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小坂橋から、出石川や小坂田んぼの様子を観察しながら堤防沿いに北上。加陽湿地では、休憩しているたくさんのカモを観察しました。

2時間の野外観察で観察したコウノトリは全部で8羽。そのうち、足環確認から個体識別できたのは4羽でした。文化館には3時の給餌時間に間に合うように戻ってきました。自分たちが野外で確認した個体が、給餌時間に飛来するかどうかのチェックを行いましたが、19羽飛来した野外個体の中で、外で自分たちが確認したコウノトリは1羽もいませんでした。

野外で暮らしているコウノトリを、ガイド付きで観察するまたとない機会が「コウノトリ野鳥観察会」です。これからも月一回定期的に開催しますので、みなさんどうぞご参加下さい。


みんなで歌おう~こうのとりの歌~(実施報告)

日時:2016年9月25日(日)13:30〜14:30
場所:大学院前芝生広場
参加人数:約20名

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昨年に続き、「みんなで歌おう」野外ライブを実施しました。午前中は日差しが厳しく気温も上がって、汗だくで準備を行いました。日差しを避けるため、大学院の建物の陰に観客席を変更し、ステージは簡易テントで直射日光を遮りました。

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コーちゃん、オーちゃんも応援に駆けつけてくれて、ちびっこの人気ものになっていました。

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「こうのとり帰るころ」を熱唱する村田自然解説員。日ごろは、ホールでマイク解説している自然解説員が、この時だけはボーカリストになります。ステージのリードのもと、客席のみなさんも一緒に口ずさみました。今回のステージリストです。

1.コウノトリのクラッタリング
2.風~コウノトリのテーマソング~(山下)
3.コウノトリの唄(全員)
4.こうのとり帰るころ(村田)
5.約束の空へ(北垣)
6.ふるさと(全員)
7.しあわせのとり(太田、高橋)
8.鸛(高橋、松本)
9.幸の鳥(田和)
10.こうのとり(せりかな)
11.守りたいもの(普天間かおり)
12.翼をください(全員)


コウノトリ感謝DAY2016(実施報告)

日時:2016年9月24日(土)18時~20時
場所:コウノトリ文化館多目的ホール
参加人数:約40名

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放鳥10周年記念イベントの一環で昨年の同時期に実施した「コウノトリ感謝DAY」を、今年も実施しました。コウノトリ野生復帰の黎明期に、それぞれの立場で関わって頂いたみなさんに声かけし集まってもらいました。

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収穫したばかりの、祥雲寺地区の畷さんの作られた「コウノトリ育む米」の無農薬米のオニギリが、この集まりのメインディッシュです。女性スタッフが握ってくれた5升の塩オニギリを各テーブルにシェア。

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当館の松島興次郎名誉館長の発声により、杯で乾杯ではなく、新米オニギリで「乾米!」。

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畷さんから、今年の収量などの説明を受けながら、おいしいオニギリを頂きます。

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郷公園産と出石産のシカ肉の焼き肉、参加者の小西さんが持ち込んでくれた万願寺唐辛子などをホットプレートで焼きます。名物大鍋は鳴海食糧局長によるツミレ汁。

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順番にマイクを回して、ショートスピーチをしてもらいました。また、今年初めて営巣し2羽の巣立ちを果たした祥雲寺巣塔の、営巣記録をパワーポイントで報告しました。

私たちに様々な恵みを与えてくれたコウノトリに感謝し、豊岡の自然の恵みに感謝し、人のつながりに感謝し、美味しく賑やかなひと時を共有しました。最後は、コウノトリ共生課伊崎さんのピアノ演奏で、全員で「翼をください」の合唱で締めました。


コウノトリ野鳥観察会9月度(実施報告)

テーマ:湿地の水鳥を見に行こう(サギ・シギ・チドリ)
日時:2016年9月4日(日)13:00〜16:00
天気:晴れ
参加者:6名
講師:高橋、宮村(コウノトリ湿地ネット)

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9月度のコウノトリ野鳥観察会は、盆地内の湿地を巡ることにしました。台風12号の接近が気がかりでしたが、北上の速度をゆるめたおかげで晴天のもとで実施できました。

学習室での30分ほどのレクチャーのあと、出石川の小坂橋の上から観察スタート。水位が下がって川底が出ていました。カワウ、ダイサギ、アオサギをチェック。

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コウノトリは、堤内の小坂小学校周辺に4羽を確認しました。田んぼでは稲刈りが進んでいます。

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北に移動しながら、主な観察ポイントを案内します。今回は、講師にコウノトリ湿地ネットの宮村さんが来てくれたので、とくに湿地管理についての有益なお話しを聴かせて頂けました。写真は立野大橋上流での観察風景。

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野上堤外を経て、最後はハチゴロウの戸島湿地。宮村さんの活動拠点でもあり、熱のこもった説明をしていただけました。

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ヨシ刈りが行われ管理された湿地の風景は、鳥がいなくても和みます。タイミングよく、一羽のコウノトリが南から飛んできて、湿地上空を越えてゆきました。

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野鳥観察小屋に入り、これから冬にかけて、このサイトの利用を参加者にお薦めし、最後に短いまとめをして解散しました。

今回2回めの参加となった野鳥少年には、シギ・チドリに出会えなくて物足りなかったかも知れません。最近、コウノトリがよく飛来する綾部から2名の参加があり、コウノトリ湿地ネットとの新たなコネクションができたことも、今回の観察会の成果のひとつでした。

今回案内した観察ポイントは、これからの季節の野鳥の重要な生息地です。シギやチドリは今回観察できませんでしたが、みなさんの今後の野鳥観察の大きなヒントとなれば幸いです。


コウノトリ野鳥観察会7月度(実施報告)

テーマ:巣立ちコウノトリに会いに行こう
日時:2016年7月3日(日)13:00〜15:30
天気:雨ときどき曇り
参加者:5名
講師:高橋

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7月度のコウノトリ野鳥観察会は、梅雨のまっただ中。降ったり止んだりのあいにくの天気の中、2組5人の参加者の皆さんと一緒に、盆地内5ヶ所の繁殖巣塔を見て回りました。上の写真は、午前の下見中に撮影した赤石巣塔の幼鳥3羽です。農道の上で、じっと雨をしのいでいました。

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観察会のスタートは、学習室で今年のコウノトリ繁殖状況の説明をしました。外は激しい雨が降ってきましたが、フィールドガイドを始める頃には上がりました。駐車場へのアプローチ道で、民家の屋根の上に止まる祥雲寺巣塔の2羽の幼鳥を観察。隣りの電柱の上では、お父さんが子供たちを見守っています。

三江小学校グランドの庄境巣塔を観察したあと、野上のコウノトリ保護増殖センターに向かいます。

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途中、電柱の上に野上ペアのお父さんを間近で観察したあと、保護増殖センターで野生復帰の歴史を説明しました。半世紀も前の「約束のケージ」がある場所です。野上巣塔の下の湿地では、ハスの花が咲き始めています。林からはサンコウチョウの声。

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赤石巣塔には親鳥が1羽戻っていました。朝見かけた3羽の幼鳥は、見える範囲では確認できませんでした。

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最後の観察ポイントはハチゴロウの戸島湿地。再び雨が強まりましたが、館内で職員の森さんから丁寧な説明をしてもらいました。ここで今日の観察会のまとめと、参加者の感想を交換して終了としました。

コウノトリの郷公園でケージ内のコウノトリを見るのとは違い、野外で生活しているコウノトリのありのままの姿を目の前で見て頂き、それぞれの目的で参加して頂いたみなさんの、記憶に残る観察会になったことでしょう。


ホタル観察会2016【実施報告】

日時:2016年6月14日(火)19時30分~21時
場所:コウノトリ文化館~コウノトリの郷公園
主催:豊岡市立コウノトリ文化館
共催:兵庫県立コウノトリの郷公園、ふるさと三江を愛する会
参加者:約200人(スタッフ込)

hotaru160614-1 毎年恒例の園内のホタル観察会、今年は、はじめての企画として開始前の30分間、「ホタルのしらべ」と題して、岡本順子さんのミニピアノ演奏会を企画しました。岡本さんのピアノ演奏を聴くだけに来て頂いたお客様もいて、三々五々集まって頂く間のBGM的に考えていたのが、ちょとしたコンサートになりました。

岡本順子さんに進行はお任せしていましたが、客層を見ながら、子供向けの曲を織り交ぜて頂き、会場から子供たちの歌声が自然に聞こえてきました。心地よいピアノを聴きながら、よい時間を過ごすことができました。岡本順子さん、ありがとうございました。

hotaru160614-2 ピアノ演奏が終わり、上田館長からホタル観察会のお話しを少し聞いて、いよいよ観察に繰り出します。

hotaru160614-5 文化館を出発して東公開エリアを一周して戻ってくるコースです。「ふるさと三江を愛する会」のみなさんは、自分たちでこしらえた菜種ガラの箒を持ってこられて、子供たちが上手にホタルを捕まえていました。

祥雲寺巣塔の上では、コウノトリがねぐら入りしていました。

hotaru160614-3 公開飼育ケージ山際の水路沿いに、今年も多くのゲンジボタルが発生しています。

hotaru160614-4東公開エリアの池周辺には、明滅ピッチの短いヘイケボタルが観察されました。山際の暗い場所ではゲンジボタルもたくさんいました。

文化館に戻り、一時捕獲していたホタルをここで開放して解散しました。たくさんの人たちに、音楽とホタルを楽しんで頂けたと思います。来年も企画したいと思います。


コウノトリ野鳥観察会6月度(実施報告)

テーマ:山の鳥を見に行こう
日時:2016年6月5日(日)8:00〜12:00
天気:雨のち曇り
参加者:5名(講師ふくめ)
講師:高橋(菅村)

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6月のコウノトリ野鳥観察会は、市内から一組の親子が参加してくれました。小4の少年は野鳥にとても興味を持っていて、お小遣いをためて50倍ズームのデジカメを買ったそうです。これを持って、毎朝早くから、自宅近くの山に野鳥観察に出掛けるそうです。今日は、この子に付いてきましたとお母さん。将来有望な生きもの好き少年のために、私たちはこの日の午前中、しっかりと案内をしました。

8時に郷公園駐車場に集合。ちょうど前の田んぼで祥雲寺ファミリーのコウノトリ幼鳥2羽に、お父さんが畦で給餌をするシーンに出くわしました。「ジュー・ジュー」と鳴いて餌をねだる幼鳥に、吐き戻しで給餌する親鳥。皆さんに、コウノトリの声を初めて聞いてもらえました。

続いて、隣りの三江小学校グランドの庄境巣塔の2羽のヒナの様子を観察しました。ここのヒナも間もなく巣立ちを迎えます。

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コウノトリ観察の後、奈佐森林公園に向かいました。下の駐車場に車を置き、キャンプ場までの車道をゆっくりと上がってゆきます。聞こえてくる鳥の声を確認し、目についた植物の解説を菅村さんから聞きます。3種類の木苺も食べました。

キャンプ場までの間、本日の目的であるカッコウの仲間のうち、ツツドリとホトトギスの声が聞けました。沢の下方から、近付いてくるアカショウビンの声も聞くことができました。キャンプ場周辺に自生しているアサツキが、実はシロウマアサツキという高山植物だったと、最近確認されたことを菅村さんから教えてもらいました。紫の綺麗な花です。

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管理棟で一休みしてから、遊歩道を展望台まで登りました。ここで、キノコの稲葉さんと合流。ここからは、5人で来た道を引き返します。セグロカッコウが近くで鳴きました。「カカカッコ」と鳴きます。お母さんが、このリズム、ベートーヴェンの「運命」みたいですね。なるほど、セグロカッコウの新しい聞きなしは「ジャジャジャ・ジャーン」と覚えることにしましょう。

駐車場に戻る頃には雨も上がり、ゴール寸前のところでサンコウチョウのオスが長い尾を翻して近くに止まりました。少年は大興奮で、最後のまとめもそこそこに、50倍ズームのカメラを抱えてサンコウチョウに向かって行きました。

雨のぱらつく中での野鳥観察会でしたが、野鳥少年と楽しい時間を過ごすことが出来ました。今回は姿を観察する場面は少なかったですが、たくさんの野鳥の声を聞けました。アカショウビンとセグロカッコウが聞けたのもラッキーでしたね。

【本日確認した鳥】

コウノトリ、ツバメ、スズメ、イカル、ツツドリ、ホトトギス、アカショウビン、ヒヨドリ、サンショウクイ、キビタキ、ヤマガラ、コガラ、コゲラ、アオゲラ、ホオジロ、キジバト、カケス、セグロカッコウ、ヤブサメ、クロツグミ、キセキレイ、ウグイス、サンコウチョウ


コウノトリ野鳥観察会5月度(実施報告)

テーマ:里山で夏鳥のさえずりを聞こう
日時:2016年5月1日(日)8:00〜12:00
天気:晴れ
参加者:11名(講師ふくめ)
講師:高橋、石垣、(菅村、稲葉)

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新緑の季節の第2回コウノトリ野鳥観察会。今回は森で夏鳥の声を聞くというテーマで実施しました。スタッフの他、川西市から参加してくれた親子4人を含め、11人の賑やかなパーティとなりました。

夏鳥の観察は早朝から森に入るのがよいのですが、8時にコウノトリの郷公園駐車場集合でスタートしました。まずは、駐車場から見える祥雲寺巣塔のコウノトリ親子の様子を双眼鏡やスコープで観察します。来日集落に向かい、渓流沿いを歩きます。さっそくキビタキの囀りが聞こえます。ミソサザイ、ヤブサメなどの声を確認しながら、ゆっくり沢に沿って上がってゆきます。

植物の菅村主任研究員から、目につく植物の名前やエピソードを教えてもらいます。野鳥の囀りを聞きながら、植物の勉強もできるという、とても贅沢な観察ウォークが続きます。

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高い木のてっぺんにオオルリを見つけました。スコープで捉えて、白いお腹やルリ色の頭をチェックします。上空をサンショウクイが「ピリリ」と鳴きながら飛び去ります。遠くからクロツグミの朗々とした囀りも聞こえます。

谷を詰めたところで折り返します。復路の時刻は10時を過ぎており、往路よりも鳥の声が少なくなったことを感じてもらいました。早起きの鳥たちは、10時を過ぎる頃には声を潜めてしまいます。それでも、ミソサザイやキビタキはあちこちで鳴き続けており、最後まで耳をで楽しませてくれました。

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森の出口付近、シイタケ栽培のホダ木にキノコを発見。その場では名前がわかりませんでしたが、稲葉主任研究員がサンプル採集して持ち帰りました。名前が分かり次第、記録に残します。
※スギタケ(モエギタケ科)と判明しました。(5/7記)

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森での野鳥観察を終え、残り1時間をコウノトリ観察に充てます。戸島湿地にお邪魔し、管理棟からスコープと映像で2羽のヒナの子育ての様子を観察しました。湿地上空を7羽のコウノトリが舞っていたもの印象的でした。

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次に野上のコウノトリ保護増殖センターに立ち寄ります。駐車場から見える野上巣塔では2羽のヒナが孵りましたが、1羽が死亡したことが確認されています。自然界の厳しさなどの話も、参加者に伝えます。

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最後に、三江小学校グランドに立つ庄境巣塔を観察しました。ここでまとめをし、解散としました。今回の観察会のために、遠路参加して頂いたファミリーにはよい思い出になってくれたことでしょう。スタッフ同士の自己研修の場としても、今回の観察会はとても充実したものとなりました。

【本日確認した鳥】

コウノトリ、キビタキ、ヤブサメ、センダイムシクイ、ミソサザイ、シジュウカラ、ウグイス、メジロ、オオルリ、サンショウクイ、クロツグミ、ヒヨドリ、セグロセキレイ、ツツドリ、アオゲラ、コゲラ、アオジ、ホオジロ


コウノトリ野鳥観察会4月度(実施報告)

日時:2016年4月3日(日)13:30〜16:00
天気:曇り
参加者:10名
講師:高橋、石垣

bird160403-1 2016年度の最初の自然観察会として、コウノトリ野鳥観察会の第一回目を実施しました。豊岡盆地の季節ごとの野鳥を、コウノトリと一緒に、参加者の皆さんと観察しようという新企画です。

呼びかけに集って頂いたのは、当日参加の方々を含め10名。野鳥観察会にはほどよい人数となりました。コウノトリ市民研究所から稲葉、岩本両主任研究員も参加してくれ、今回の講師のサイドサポーターとなって頂きました。

学習室で簡単なレクチャーのあと、双眼鏡の使い方を覚えてフィールドに出ます。まずは、目の前の祥雲寺巣塔のコウノトリ観察。ヒナの頭が見えると歓声があがります。

 

bird160403-2自然観察路を尾根まであがって、眼下の巣塔を観察します。孵化2週間目の可愛いヒナの仕草が参加者の気持ちを和ませます。周辺から聞こえてくる鳥の声を、ひとつずつ岩本主任研究員が説明してくれます。タムシバ、コバノミツバツツジが満開。足元にはタチツボスミレが咲いています。

 

bird160403-3 2番目の観察ポイントは、三江小学校校庭に立つ庄境巣塔。祥雲寺巣塔ペアが昨年度まで営巣していた場所に、J0476♂とJ0055♀の若いペアが入り抱卵中です。巣塔の下では小学生が野球の練習中。おそらく世界でただひとつの、校庭で子育てをするコウノトリです。営巣をめぐるコウノトリのエピソードを、元コウノトリの飼育員だった石垣研究員が丁寧に説明してくれます。

 

bird160403-4 3番めの観察ポイントは野上巣塔。ここはコウノトリ野生復帰の原点の場所です。1965年、豊岡に残っていた野生コウノトリを1羽づつ捕獲保護して、なんとか人の手で子孫を繋いでゆこうという、世界で初めてのチャレンジがスタートした場所です。ここの飼育員だった松島興治郎さんのことや、こつぜんと舞い降りてこの場所で独りで巣作りを始めた野生コウノトリ・ハチゴロウの思い出を、稲葉主任研究員が説明します。物語は新たな人の心に響き、伝えられてゆきます。

bird160403-5 4番めの観察ポイントは赤石巣塔。観察時には抱卵中と思って説明していましたが、赤石巣塔で3羽のヒナが孵っていることを後で知りました。円山川堤防越しに、ヤナギの新緑が美しく連なっていました。この時間帯から風が少し強くなり、ポツポツと雨粒も落ちてきました。

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この日最後の観察ポイントはハチゴロウの戸島湿地。1羽のヒナが孵っていることが数日前に確認されています。残り2卵も孵化しているかもしれません。この湿地が守られたエピソードや、施設名のハチゴロウの冠についての説明をしながら、館内でゆっくり過ごしてもらい解散としました。

今回の野鳥観察会は、コウノトリの営巣巣塔を順番にめぐることをメインに置きました。以下の野鳥をチェックしましたが、さて、参加者の皆さんにはどれだけ記憶に残っているでしょうか。次回5月は、夏鳥の観察をメインにする予定です。午前中に、谷筋を歩きながら小鳥たちの歌声を一緒に聞きましょう。一ヶ月後の、いくつかの巣塔のヒナの様子も見てみましょう。

【本日確認した鳥】
コウノトリ、トビ、アオサギ、ダイサギ、ヤマガラ、コガラ、コゲラ、シジュウカラ、ヒヨドリ、メジロ、セグロセキレイ、コチドリ、ツバメ、カシラダカ、イソヒヨドリ、カワラヒワ、アオジ、ウグイス、ホオジロ、ジョウビタキ、ヒバリ、カルガモ、マガモ、オオバン


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