▼活動レポート
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コウノトリ自然観察会5月度(実施報告)
テーマ:コウノトリの雛と夏鳥
日時:2017年5月14日(日)13:00〜15:40
天気:晴れ
参加者:10名
講師:高橋、石垣
5月度のコウノトリ自然観察会は、10名の参加者と爽やかな天気に恵まれて実施できました。学習室で30分の予習をしたあと、各自の車を連ねて移動。いつも通り、最初の観察ポイントは三江小学校グラウンドからの庄境巣塔。孵化後1ヶ月の3羽のヒナが元気に育っています。
たまたま在校されていた校長先生が出て来られて、観察会の和に加わってもらいました。この写真は、分かりにくいですが、屋上の貯水タンクの上にJ0059♀が止まって、庄境巣塔を監視している場面です。庄境巣塔のオスとペアになれなかったメスが、いつまでも離れずにそばにいます。
今年初めて繁殖に成功した小野小学校前の袴狭巣塔を巡回します。3羽のヒナが育っています。
袴狭から三木巣塔に回ります。この巣塔は今期初めてJ0054♂5歳×J0064♀4歳の若いペアが繁殖を始めました。これまで繁殖に利用されず、撤去が決まっていた古い木製の巣塔が、ここにきて繁殖に使われました。今日の田んぼ田植えの真っ盛りで、盆地内で一斉に田植えが進んでいました。
伊豆巣塔です。吐き戻し行動が観察され、1羽のヒナまで確認できていますが、まだ羽数は確定していません。今回の巡回観察でも、親鳥が伏せたままでヒナの姿は確認できませんでした。近くで郷公園のモニターの観察者が付いていました。
百合地巣塔では2羽のヒナが大きくなっています。
今回の最後の観察ポイントは福田巣塔。堤防の上から、安全に、目の高さで、近くに巣塔をじっくり観察できるよいポイントです。ヒバリがたくさん鳴き交わし、その囀りに混じってオオヨシキリの声も聞こえました。キジも鳴きましたね。
福田巣塔では、明日、足環付け作業が行われる予定とのこと。豊岡盆地内の11繁殖巣塔から、現時点で24羽のヒナの誕生が確認されています。昨年度は6巣塔から12羽のヒナが巣立ちましたが、このままの数値で巣立ちまで進めば、昨年度の倍の巣立ち数となります。
5月度の観察会は天候にも恵まれ、レギュラーメンバーに加えて新しい参加者も来られて、とても賑やかに楽しく進めることができました。6月度は巣立ちビナを見に行きます。ぜひご一緒しましょう。植物の菅村さんも講師で参加する予定ですので、植物に興味のある方もご参加下さい。
サウンドストークコンサート2017(実施報告)
日時:2017年5月7日(日)13:00~14:30
場所:県立コウノトリの郷公園ピクニック広場特設ステージ
参加人数:120名
爽やかに晴れ渡ったGW最終日の日曜、たくさんの皆さんに集まってもらって、一緒に音楽を楽しむことができました。
上田館長より、開会の挨拶。Sound Stork Concertの命名のエピソードや、今期のコウノトリの繁殖状況などをスピーチしてもらいました。
今回も、進行MCは山下さん。オープニングに「こうのとりの唄」を山下さんのリードのもと、会場の皆さんと一緒に歌いました。第1部は文化館スタッフの演奏やコウノトリの歌を何曲か聞いてもらいました。
第2部は県立豊岡総合高校吹奏楽部の演奏。ブラスバンドの定番曲からポップスまで、心に響く素敵な演奏を聞かせてくれました。コーちゃん・オーちゃんも一緒にノリノリです。
第2部のラスト曲、スピッツの「空も飛べるはず」はせりかなさんのボーカルとのコラボでした。
第3部は福井県越前市出身のシンガーソングライターせりかなさんのステージ。地球ギター1本のアコーステックライブ、彼女の澄んだ声が5月の風に乗ってオーディエンスの耳に心地よく届きました。
ステージのラストは、「コウノトリ」のフルコーラスを手話を交えながら歌ってくれました。文化館のBGMとして、1週間ほどヘビーローテーションでせりかなさんの「コウノトリ」を流してきましたが、やはり生の歌声は本当に素敵に心に響きました。バックステージのコウノトリや空を飛ぶコウノトリたちの耳にもきっと届いたことでしょう。
自身の作詞作曲した「コウノトリ」を、コウノトリの郷公園で歌いたいというせりかなさんの夢が今日叶いました。
コンサートの最後は、再び総合高校吹奏楽部の皆さんに登場頂き、せりかなさんのボーカルで「翼をください」をみんなで大合唱して終わりました。
せりかなさんの今回のライブでの希望の一つは、地元の高校生たちとのコラボレーショを果たしたいというものでした。豊岡総合高校吹奏楽部の皆さんと、今日初めてぶっつけ本番でジョイントしてもらった2曲。みなさんにとっても心に残る思い出になったことでしょう。
出演者も、オーディエンスも、スタッフも、みんなで楽しむことができた、素敵な5月の野外ライブ・コンサートでした。また次の機会があれば、ぜひ実施しようと思っています。みなさん、一緒の時間をありがとうございました。
土曜チャレンジ「ふれあい三江っ子体験活動」講師
土曜チャレンジ「ふれあい三江っ子体験活動」
三江で遊ぼう、地域探検、地域体験。
野草観察会~この植物何かな?~
に上田館長、菅村自然解説員が参加してきました。
17名の小学生と保護者の方で食べられる野草を中心に観察をしました。あいにくの激しい雨と横なぐりの風にも負けず熱心に草をつんでくれる子どもたちでした。
子育て中のコウノトリの巣塔の下で野草をつみました。お父さんかお母さんかわかりませんが、田んぼには、コウノトリが降りてきていました。三江地区でしかできないぜいたくな観察会でした。
1時間ほど歩いて、てんぷらをいただきました。みんな3回はおかわりをしていました。
いただいたてんぷらは、セリ、ミツバ、ヨモギ、ユキノシタ、ワラビ(校長先生が事前に採っておいて湯がいておかれたもの)
観察した植物
ワラビ、クサソテツ(コゴミ)、外来タンポポ、ヨメナ、ブタナ、ヒメジョオン、ハハコグサ、セリ、キツネノボタン、タネツケバナ、イヌガラシ、オオバコ、ハコベ、スイバ、イタドリ、コナスビ、カラスノエンドウ、カスマグサ、ドクダミ、オドリコソウ、ノヂシャ
春の植物観察会
日時:2017年4月29日(土)13:00~15:20
参加者:13名 スタッフ2名
講師:菅村
文化館周辺と祥雲寺の田の農道、西公開ケージ東の山を歩いて観察。
▼文化館と西公開ケージ奥
下見の時は満開だったスミレ類が終わろうとしていましたが、スミレ中心にお話をしました。
先日の田んぼの学校の時には見られなかったスミレが大学院の前の芝生に満開でした。そのスミレを基準にしてコウノトリ文化館の敷地内にあるヒメスミレ、アリアケスミレ、ツボスミレを観察しました。皆さん、茎の有無、葉の形、花の色など識別のポイントを意識されていました。
途中で質問のあった植物の話をして、よく間違えられるハルジオンとヒメジョオンの違いをお話ししました。
それから西公開ケージの西の東屋の近くに行って、山のスミレ、タチツボスミレ、オオタチツボスミレ、ナガバノタチツボスミレ、日本海タチツボスミレ、アオイスミレの観察をしましたが、オオタチツボスミレ、ナガバノタチツボスミレ以外は花が終わっていました。
観察会中に確認できた植物:
ヒメスミレ、スミレ、アリアケスミレ、ツボスミレ、ハルジオン、ヒメジョオン、ハハコグサ、マツバウンラン、アカバメギ【栽培】、ナガバノタチツボスミレ、オオタチツボスミレ、アオイスミレ、イワヒメワラビ、ムラサキサギゴケ、カキドオシ、キランソウ、ミツバツチグリ、ヘビイチゴ、サルトリイバラ、クロモジ、チチコグサ、タラノキ、クサギ、マムシグサの仲間、サワオニグルマ、ナガバノモミジイチゴ、キンキカサスゲ、日本海タチツボスミレ、タチツボスミレ
▼祥雲寺の田の農道
本来の生育地に生えるスミレを観察。文化館横と比べて立派に育つアリアケスミレ、ツボスミレに皆さんの感嘆の声が聞こえました。
田んぼに生えるスズメノテッポウで草笛遊びをしました。皆さん、子どもの頃を思い出して楽しそうでした。初めてらしい青年だけが苦労されていました。みんなの音が確認できて出発しました。
ヨメナ、スイバ、セリ、ヤブガラシなどの食べ方を説明しました。
観察会中に確認できた植物:
タガラシ、スズメノテッポウ、タネツケバナ、オニタビラコ、ヨメナ、スイバ、アリアケスミレ、ツボスミレ、カラスノエンドウ、カスマグサ、オヘビイチゴ、カタバミ、ニセカントウタンポポ、スズメノカタビラ、スズメノヤリ、ミミナグサ、オランダミミナグサ、ウマノアシガタ、ヒメオドリコソウ、ヤブガラシ、ジュウニヒトエ【栽培】、ノジシャ、シロバナタンポポ
▼西公開ケージ東の山
最後のスミレを見るための山登り。ただし50m、標高差1m程度です。残念なことに下見の時には満開だったトキワイカリソウ、シハイスミレ、
オオイワカガミ、ニシキゴロモは、ほとんど終わっていました。タチツボスミレは完全に終わっていました。
観察会中に確認できた植物:
ニシキゴロモ、シハイスミレ、オオイワカガミ、トキワイカリソウ
参加者13名 スタッフ2名 総計15名という植物観察会始まって以来最多の盛会でした。
コウノトリ自然観察会4月度(実施報告)
テーマ:コウノトリの抱卵と春の草
日時:2017年4月9日(日)13:00〜15:00
天気:雨
参加者:5名
講師:高橋、菅村、石垣
2017年度最初の、コウノトリ野鳥観察会改め、コウノトリ自然観察会はあいにくの雨でした。学習室で盆地内の11巣塔のコウノトリ営巣概要を説明したあと、フィールドに向かいました。4卵をカラスにとられて、2回目の産卵に向けて営巣中の祥雲寺巣塔の様子を見たあと、隣の三江小学校グランドにある庄境巣塔を観察。
満開の桜が美しく、すでに孵化していると思われる小さなヒナを親鳥があたためているところでした。講師の菅村自然解説員からサクラ、タムシバ、コブシなどの話を聞きました。
福田巣塔に移動。ここの巣塔は。他の巣塔に比べて巣材を厚く積み重ねているのが特徴。すでに2羽のヒナが巣内にいることが確認されています。参加者の一人が、一瞬、ヒナのくちばしを確認したそうですが、まだヒナの観察は難しい段階です。
菅村講師にヤブカンゾウの話を聞きます。奈佐川の土手には菜の花の黄色が広がっています。
抱卵中の赤石巣塔を観察したあと、河口の戸島湿地を最後に観察して少し早目に解散となりました。
【今回観察した野鳥】
コウノトリ、ツバメ、イワツバメ、ダイサギ、アオサギ、コガモ、ヒドリガモ、カワウ
コウノトリ自然観察会2017実施案内
コウノトリ自然観察会2017
主催:NPO法人コウノトリ市民研究所
豊岡盆地周辺で暮らす野鳥を観察しながら、周辺の環境や様々な生物を、コウノトリ市民研究所の研究員が案内します。円山川下流域には水鳥の保護に関するラムサール条約湿地があり、豊岡盆地はコウノトリの生息地にもなっています。自然の見方が少しわかると、今まで気づかなかったたくさんのものが見えてきます。初めて鳥を見る人も参加できる観察会です。
2017年度年間スケジュール
4月9日 コウノトリの抱卵と春の草
5月14日 コウノトリの雛と夏鳥
6月11日 巣立ち前のコウノトリと野山の鳥
7月9日 巣立ちコウノトリと夏のトンボ
8月13日 コウノトリと水路のメダカ
9月10日 コウノトリとバッタ
10月8日 コウノトリとアカトンボ
11月12日 コウノトリと渡り鳥
12月10日 コウノトリと冬の猛禽類
1月14日 郷公園周辺のコウノトリと冬鳥
2月11日 コウノトリとカモ・コハクチョウ
3月11日 コウノトリと北に帰る鳥
・毎月第2日曜日13時~15時30分
・コウノトリ文化館学習室集合後、プログラムに合わせて観察ポイントに向かいます。
・事前申し込みとします。定員は20名以下とします。
・各自の車で参加していただきます。乗り合わせも可能ですが、自己責任でお願いします。
・自家用車での移動が前提なので、こどもだけの参加はできません。
・季節により、防寒対策、暑さ対策をお願いします。
・自分の双眼鏡や望遠鏡がある人は持ってきて下さい。数に限りがありますが無償貸出もします。
<連絡先>
お問い合わせは、コウノトリ文化館までお願いします。
E-mail: bunkakan@kounotori.org 〒668-0814 兵庫県豊岡市祥雲寺127番地
TEL:0796-23-7750 FAX:0796-23-8005
コウノトリ文化館ホームページ(http://kounotori.org/bunkakan)
本イベントのチラシは、こちらからダウンロードできます。
コウノトリ野鳥観察会3月度(実施報告)
テーマ:北に帰る鳥を見送ろう
日時:2017年3月5日(日)13:00〜16:00
天気:くもり
参加者:6名
講師:高橋、石垣
2016年度最終のコウノトリ野鳥観察会は、6名の参加者を得て実施しました。コウノトリが本格的な繁殖期に入り、昨年度の営巣巣塔を順番に見て回りながら、今期の繁殖状況と巣塔周辺の野鳥をチェックします。
郷公園駐車場から、まずは祥雲寺巣塔を観察します。昨年度は2月中旬には産卵していましたが、今年は大雪の影響もあって、まだ兆候が見らません。オスのJ0021が巣に立っているのをスコープで観察しました。
三江小学校校庭にある庄境巣塔です。この巣塔ではすでに抱卵が始まっており、観察時も1羽が伏せていました。近くの電柱に別の1羽がおり、てっきりペアの片方と思って足環を確認すると、昨年この巣塔での初繁殖時に、1羽のオスをめぐってペアを争っていた別のメスJ0059でした。1年経っても、庄境巣塔のオスのことが忘れられないようです。
伊豆巣塔、河谷巣塔、百合地巣塔と巡回し、この写真は野上巣塔での観察の様子です。ガイドの石垣さんから、コウノトリのエピソードを話してもらいました。それぞれの巣塔では、巣に止まっているコウノトリはいませんでしたが、車を出てしばらく観察しているうちに、周辺でコウノトリの姿を見ることが出来ました。
また、レギュラー参加者の野鳥少年君が、六方田んぼで今期初のコチドリの渡来を発見して、参加者の称賛を受けていました。
赤石巣塔にもコウノトリの姿はありません。コウノトリの代わりに、巣の上で休んでいたチョウゲンボウをスコープで観察します。
運動公園予定地の話、赤石堤外のヨシ原環境の話などをしました。そうこうするうちに、1羽のコウノトリが飛んできて、運動公園予定地の土盛の中に下りました。
円山川河口で水鳥観察です。北帰行が続いており、すっかりカモ類が少なくなってしまいましたが、オカヨシガモ、ヒドリガモをチェック。夏羽移行中のカンムリカイツブリ2羽も見ることができました。
最後は戸島湿地管理棟にお世話になり、戸島ペアの状況を説明してもらいました。目の前の杭にカワセミ長い時間止まって、観察者の注目を浴びていました。
今回は雨にも降られず、野鳥に興味のある参加者の皆さんと一緒に、コウノトリとその他の野鳥をゆっくり観察できました。次年度も、引き続きこの観察会を続けて行きますので、皆さんの参加をお待ち致します。
【今回観察した野鳥】
コウノトリ、ノスリ、アオサギ、コサギ、ダイサギ、ハシボソガラス、トビ、スズメ、ツグミ、ヒバリ、コチドリ、チョウゲンボウ、カワラヒワ、オカヨシガモ、ヒドリガモ、エナガ、カワセミ
コウノトリ市民研究発表会(実施報告)
日時 2017年2月19日(日)13:30〜16:00
場所 コウノトリ文化館学習室
参加者 20名
プログラム
1.はじめに 市民研の生き物調査について(上田)
2.研究発表
(1)祥雲寺地区の水田域とビオトープ域におけるカエル類の繁殖状況(田和)
(2)円山川汽水域の魚類(北垣)
(3)ギンリョウソウの開花(村田)
(4)神武山の自然~哺乳類の生息状況について~(上田)
(5)豊岡盆地周辺の野鳥(高橋)
(6)カタクリの新産地(菅村)
(7)2016年ククイ湿地からの報告(宮村)
(8)キノコを楽しむ(稲葉)
3.情報交換
一年に一度、NPO法人コウノトリ市民研究所の研究員から、それぞれの研究テーマに沿ったトピックを紹介してもらう報告会です。今年は8テーマの発表があり、興味深い観察報告がありました。研究員同士の情報共有の場であり、部屋は解放して一般の来館者の方々も入れ替わり立ち寄って耳を傾けておられました。