オオナガザトウムシ


オオナガザトウムシ 節足動物門鋏角亜門クモ綱ザトウムシ目カワザトウムシ科フシザトウムシ亜科
(Melanopa grandis Roewer)
大長座頭虫

豊岡市日高町の山を歩いていて、地面に近い樹幹で大きなトウムシを発見した。でかい。真っ黒で、細長い。はじめてみるザトウムシだ。
オオナガザトウムシのオスであった。

しばらくすると、オスはいなくなって、ほぼ同じ場所にメスが現れた。メスの腹部は卵巣の卵が成熟していてかなり膨らんでいる。

オオナガザトウムシ。体長は約1cm、ザトウムシとしては大型であり歩脚が短めである。背中に棘を持っており、通常1本であるが、2~3本の個体もいる。この個体は2本ある。体が長く全身が黒い。ザトウムシに詳しい鳥取大学の鶴崎先生によると、オオナガザトウムシの雌雄は体形がかなり異なり、背中側から見たときに雄の方が肩がはって、長細い逆三角形に近い体形になり、これに対して雌は紡錘形であるということである。

日本、朝鮮半島、ロシア沿海州日本海沿いに分布しているが、体の大きさ、体形、オスの触肢の形態などに著しい地理的分化があるが、兵庫県内では本州型として安定している。

 ザトウムシという生き物は、われわれの生活にはまったくといっていいほど関係がない。ほとんど見向きもされない生き物のグループである。しかし山の中で注意すると、意外なほどに見つけることが出来る。なかなか繁栄している生き物ではないだろうか。