ムラサキアブラシメジモドキ


ムラサキアブラシメジモドキ(フウセンタケ科 フウセンタケ属Cortinarius salor Fr. )
(紫油占地擬)
 紫色が美しいキノコである。水分があるときはヌメリが強く光沢が強いので、特に若くて紫色の強いものは宝石のように美しい。
 フウセンタケ属のキノコは味に癖なく美味菌である。ムラサキアブラシメジモドキはヌメリが強いので、おろし和えや、汁、鍋に入れたり、ナメコと同様に利用すると良い。
 

 カサは饅頭型から平らへ開いていく。カサと柄の間にはクモ糸状の膜でつながり、やがて不完全なツバとして柄に残る。これはフウセンタケの仲間の共通点である。このツバは、若いときは白色であるが、やがて自分の胞子が付着して茶色に変化する。それが柄の模様のように見える。
 「モドキ」という名がついているが、「ムラサキアブラシメジ」と和名のついたキノコは図鑑では見当たらない。
 秋に広葉樹林内の地上に発生する。里山のキノコである。