2006年01月 一覧

似たもの同士?母と父

ハハコグサ キク科

      ハハコグサ

      チチコグサ
      
  お正月の贅沢な食事に疲れたお腹には、七草がゆがなかなか優しい。
 今年は大雪なので七草を取るのは大変だっただろうと思う。正直に言うと、私はこれ
まで、好物であるセリは単品で採ってきて食べたことがあるが、七草をそろえたことは
ない。
 にもかかわらず、七草がゆをいただけているのは、スーパーに並んでいる七草セット
を買ってくるからである。
 もう何年前になるか忘れたが、家人が七草セットを買ってきた。たまたま見てみると
どうも様子がおかしい。
 七草の中にオギョウという植物がある。これは今で言うハハコグサのことなのだが、
このハハコグサが見つからない。ハハコグサであるべきものがどうみてもチチコグサな
のだ。
 ハハコグサとチチコグサは、「母と父」というぐらいだから似ても似つかぬというよ
うなものではない。チチコグサには毒はないはず。それに、ハハコグサにしたところで
、おいしいというほどのものではない。
 ということで、チチコグサはそのまま七草がゆになった。
 気づいてしまった以上報告しないといけない気がして、買ってきたスーパーに電話を
した。「ハハコグサがチチコグサになっていますよ」と。しかし担当者には、それが正
しいのかどうか分からない。「生産者に問い合わせる」ということで電話は切れた。
 しばらくしてかかってきた電話によると、我が家で食べた七草セットは四国のある県で作ら
れたものだった。
 ハハコグサを「チチコグサ」のように呼ぶ地方はたくさんある。例えば但馬でも、旧
美方町では「チチコ」だ。しかし、チチコグサを「ハハコグサ」と呼ぶ地方は知られて
いない。
 あれ以来、野菜売り場に行くと、七草セットが気になるお正月である。
(文と写真 コウノトリ市民研究所 菅村 定昌)
※2006/1/29(日)掲載


サル


豊岡市城崎町のサル。
非常に人馴れしている。というか、人間をほとんど恐れていない。
人間が追い払いをしないので、付け上がって農作物を荒らす。

せめて人を見たら逃げるぐらい出ないと、、
サルにとって、集落は天国のようになっている。
畑はユキノシタだけど、ゆずをおいしそうに食べていました


ニュースレター2006年1月号

コウノトリ市民研究所2006-1月ニュースレター
☆年頭のご挨拶
2005年はコウノトリが放鳥されるという画期的な年でした。人間が
 絶滅させたわけですから人間の手で元に戻す。いろいろな思いがあるにせ
 よ、このことは純粋に素晴しいことだと思います。
  この秋から冬にかけて、マガンやハクチョウの姿がいつもになく多く見
 られました。鳥たちは環境のわずかな変化に敏感に反応しているように思
 えます。野生復帰はこれからが、ほんとうの始まりです。
  田んぼの学校を通して、子どもたちは場所と機会さえあれば自然の中で
 様々な工夫をして遊ぶことが大好きだということが、良くわかりました。
 自然は子どもたちにとって重要です。そしてもちろん、人間社会にとって、
 なくてはならないものです。
  月に1回の田んぼの学校と大鍋は、共同で遊ぶという形が定着してきま
 した。これからは運営にもたくさんの会員のみなさんに参加してほしいと
 思っています。そして、もう少し深く自然と付き合ってみたい人は、各分
 野の生物調査に参加してみてください。きっと豊岡盆地の自然の豊かさに
 驚かされると思います。今年も、無理なく楽しく、自然との付き合いを深
 めていきましょう。
☆トピックス
 ○田んぼに水を張れば白鳥が降りてくる
  昨秋から豊岡盆地のいくつかの田んぼに水が張られました。さっそく
  にも西の越冬地に向かうコハクチョウが舞い降りて、旅の中継点とし
  て利用してゆきました。この秋は盆地内でのマガンの観察例も増えま
  した。近い将来、豊岡盆地でコハクチョウやマガンが越冬するように
  なるかも知れませんね。
 ○コウノトリ市民研究所倉庫建設遅延
  先月号でお知らせしました市民研究所の倉庫建設についてですが、進
  入路が公園内道路からとなる関係で建築確認にてこずっています。完
  成は大幅にずれ込んで年度内にできればと思います。
  
☆コウノトリ市民研究所1月の行事案内
 ○「田んぼの学校・野鳥調査」
  日時:1月8日(日)9:30~コウノピア集合
  豊岡盆地の冬鳥調査です。車に乗り合わせて移動します。
  防寒必須、双眼鏡のある人は持参して下さい。
             (兵庫県環境政策課委託事業)
 
☆生き物関連行事のご案内
 ○竹野スノーケルセンター
 1月7日(土) 10:00~11:30
   場所:竹野スノーケルセンター・ビジターセンター    参加費 100円
   土曜観察会 「海でお正月」 
 1月21日(土) 10:00~11:30
   場所:竹野スノーケルセンター・ビジターセンター    参加費 100円
   土曜観察会 「原始人になってみよう」 
 2月4日(土) 10:00~11:30
   場所:竹野スノーケルセンター・ビジターセンター    参加費 100円
   土曜観察会 「オリジナルふりかけをつくってみよう」 
  
☆2005年度コウノトリ市民研究所の年間行事予定
 ○田んぼの学校 コウノピア9時半集合
  毎月第2日曜は「田んぼの学校」を実施します。
  田んぼやその周辺で遊んだり、生き物調査をします。
  お昼は鍋をします。食べて解散。
  コウノピアに9時半集合。
  児童は参加費一人100円。保護者同伴。
 4月10日(第2日曜)タンポポ調査
 5月 8日(第2日曜)田んぼ
 6月12日(第2日曜)田んぼ
 7月10日(第2日曜)田んぼ・川
 8月14日(第2日曜)休み
 9月11日(第2日曜)郷公園でバッタ
10月 9日(第2日曜)郷公園でアカトンボ
11月13日(第2日曜)里山
12月11日(第2日曜)里山
 1月 9日(第2日曜)野鳥調査
 2月12日(第2日曜)食べる会
 3月12日(第2日曜)アカガエル調査
 ○豊岡盆地の生き物調査
   タンポポ調査 4月~5月(4月10日など)
  ホタル調査  5月~6月
  六方川調査  8月21日(日)
  福田ビオトープ調査 6月26日、7月31日
   順次ご案内します。
☆情報局からのお知らせ
<コウノトリ市民研究所ホームページ情報> http://kounotori.org/
 ●「テーマ別フォトコラム」ベニシジミ カラスにからまれる八五郎   
 ●「活動記録」田んぼの学校ネイチャークラフト05,12,11
 ●「ながぐつ観察記」オオアカウキクサ カワラハハコ 孤高のコウノトリ
 <毎日新聞「ながぐつ観察記」連載情報>
   12月4日 12月11日 12月25日
  ・掲載希望の方は事務局までご連絡ください。
☆事務局からのお知らせ
*会費未納の方は、行事参加の折に納入してください。
 行事へはなかなか参加できないが、活動の趣旨に賛同し協力会員となりたい
 と言う方は、下記へ会費を振込みいただければ幸いです。
 金融機関名:但馬信用金庫 本店
 口座番号:普通口座 0666057
 口座名義人:特定非営利活動法人コウノトリ市民研究所 代表理事上田尚志
*インターネットアドレスをお持ちの方は、メーリングリストに加入してください。
このニュースレターもネット配信いたします。加入についてはホームページを参照し
てください。 http://kounotori.org/
*コウノトリ市民研究所の行事は自己責任で対応願います。
 行事での事故等について市民研究所では責任がもてません。すべて参加者の自己責
任でお願いします。


コハクチョウ

冬季湛水田が鳥を呼ぶ

コハクチョウ(カモ目カモ科)
 コウノトリ野生復帰の受け皿として、豊岡盆地の田んぼが果す役割は大きい。冬の田んぼに水を張る「冬季湛水田」はコウノトリの餌場確保という名目と共に、田んぼの自然環境回復に大きな効果が期されている。
 晩秋の豊岡盆地上空は、西の越冬地に向かうコハクチョウやマガンの移動ルートにあたる。毎年、休憩のために地上に降りる少数を観察するが、冬季湛水が本格化した今年の状況は明らかな変化あった。この2種の地上での観察数が格段に増えたのである。
 特にコハクチョウは、明らかに湛水田目当てに舞い降りており、今までは円山川に浮かぶ少数を観していた事情と大きく異なる。
 私自身、国府平野の湛水田では2度に渡り延べ4羽のコハクチョウを観察したし、六方田んぼの湛水田では一度に14羽のコハクチョウが羽を休めた報告もあった。
 大寒波が襲った先月中旬、六方田んぼ上空を南西に飛び去るコハクチョウの群れを見上げた。その数およそ20羽。渡りの時期としては遅いが、鳥たちはまだ動いていることを実感させられた。
 方向から見てきっと国府平野の湛水田に降りただろうと思った。吹雪の中、現地に行ってみると予想通りだった。3度目の観察となる今回の群れは22羽で、色の黒い幼鳥が7羽混じっていた。
 居眠りするもの、羽繕いするもの、シャーベット状の水にくちばしを入れて落穂を食べるもの、それぞれがひとときの旅の疲れを癒している。やがて一斉に飛び立ち、コォーコォーと鳴き交わしながら雪空を旋回した後、北方向に姿を消した。
 コウノトリが空を舞う風景は特別美しい。水を張った田んぼにコハクチョウがいる風景もまた良い。コウノトリをきっかけに、たくさんの鳥たちが集まってくる豊岡盆地であればよいと願っている。
(文と写真 コウノトリ市民研究所 高橋 信)
※2006/1/21(土)掲載


田んぼの学校1月 冬鳥調査

◆実施日 2006年1月8日(日)9:30~12:00
◆参加者 約30名

大雪の中、結構な人数が集まってくれました。野外観察に出る前に、今シーズンの豊岡盆地の冬鳥の様子をホームページのコンテンツを使って説明しました。
(1)秋以降、水を張った田んぼが増えたこともあり、コハクチョウの飛来が目立っている。
(2)年末の六方川にマガン2、コハクチョウ3が飛来した。
(3)山の冬鳥が里に下りてこない状態が続いている。山に餌が豊富、里は雪に覆われて餌がない。
(4)円山川の河川工事の影響で猛禽類が居つかない。
(5)放鳥コウノトリは郷公園の給餌に頼って暮らしている。


駄坂地区の六方川に向かい、橋の上から3羽のコハクチョウを観察しました。マガモ、コガモ、カルガモ、ヒドリガモもいました。大勢で観察したのでコハクチョウがびっくりして川から飛び立ちましたが、おかげでコハクチョウが飛ぶ姿を見ることができました。

郷公園に戻り、東公開ケージまで歩きました。途中、山際でジョウビタキのオスを観察。観察棟からケージ内にいる放鳥コウノトリをスコープを使って観察しました。アオサギ、ダイサギもいました。
放鳥コウノトリは背中のアンテナを見ればすぐに分かります。足輪の色がそれぞれで違うので、双眼鏡やスコープで読み取れば個体識別が出来ます。パークボランティアのKさんに現場で解説してもらいました。


文化館に戻り、今日観察できた鳥を写真を使って復習したあと、ちょうど出来上がった大鍋で暖まり解散しました。雪の中でしたが、コハクチョウをはじめ、20種類の鳥が観察できてまずまずの観察会になったと思います。
観察できた鳥のリスト(クリックで写真が出ます)
 1.コハクチョウ
 2.マガモ
 3.カルガモ
 4.ヒドリガモ
 5.コガモ
 6.タシギ
 7.イカルチドリ
 8.セグロセキレイ
 9.ダイサギ
10.コサギ
11.アオサギ
12.ケリ
13.キジバト
14.ツグミ
15.ジョウビタキ
16.ヒヨドリ
17.ホオジロ
18.スズメ
19.トビ
20.コウノトリ

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野上ビオトープ06,01,03


野上ビオトープ水田にも雪が積もり、開放水面が少ない。
ハチゴロウを見に行くと、3時半ごろ思いもかけずにビオトープに舞い降りた。
雪の上を歩き、少し移動して、水の出ているところで少し採餌行動。その後じっとたたずむ。
あとから知ったことだが、この日はお昼ごろ郷公園へ行っており、放鳥コウノトリから激しい攻撃を受けて追い払われたそうである。繁殖期に入ったからか、放鳥コウノトリたちも部外者には非常に厳しい対応をしているようだ。