但馬の昆虫 一覧

ツマグロオオヨコバイ


ツマグロオオヨコバイ (半翅目 オオヨコバイ科Bothrogonia ferruginea)
田んぼの害虫でツマグロヨコバイというのがいるが、小さな粒みたいなものだが、それを大きくしたようなやつが庭にいる。1.5センチぐらいあるので、かなり目立つ。ツマグロオオヨコバイ、あるいはオオツマグロヨコバイと和名表記されているやつだ。通称でバナナムシとも呼ばれるらしい。平地の林や原野、人家付近に生息する。

この仲間は、植物の汁を吸って生きている。田んぼにはツマグロヨコバイが大発生して稲の成長に影響を与えるが、ツマグロオオヨコバイは大量発生しないので、庭木などに害を与えることはほとんどない。

成虫で越冬するので年中見られる。草色に羽のふちが黒く、背中に小さな円い斑点が規則的についていて、おもしろい。

あまり逃げないが、危険を察知すると横に這って葉っぱの裏などに隠れようとする。それでもだめだと思うと飛んで逃げる。しかし飛翔力はあまりないので数メートル程度しか移動せず、でどこかに行ってしまうという事はない。

幼虫は白からレモン色で羽がなくて結構美しい。残念ながらまだ撮影できていないが、また紹介したい。愛嬌のある庭の生き物である。


アケビコノハ


昆虫綱鱗翅目ヤガ科
 庭にムベが植えてある。常緑なので垣根にするのと、アケビに似た実が目的で植えた。しかし、受粉の関係かほとんど実が付かない。その代わり、毎年アケビコノハというガの幼虫が発生する。

 アケビコノハはガの仲間であるが、ケムシではなくイモムシである。ケムシはあまり好きではないがイモムシは好きだ。すべすべのお肌。

 アケビコノハの幼虫は宇宙生物エイリアンのような姿で、よく見ると美しい。成長するとかなり大きくなり、終齢幼虫はぼってりとしてさわり心地もなかなかである。シャチホコのようになってじっとしている。

 コバルトブルーの斑点も美しいし、目玉模様が迫力である。蛇の目に似ているので、食べに来た鳥をこれで威嚇するらしい。庭に沢山鳥がやってくるが、アケビコノハは毎年すくすくと育っており、目玉が効いているのだろうか、鳥には捕食されていないようだ。

目玉模様は、両サイドに二つずつあり、前側のほうがはっきりした丸で、後ろ側は丸が欠けていたり力強さがあまりなかったりする。
個体ごとに形が違う。

庭の垣根に絡ませているムベは、実の収穫にはまったく役に立っていないが、冬場も葉っぱが落ちないので垣根の役には立っている。また、アケビコノハの観察のために植えるのも良いと思う。



(通草木葉)


オオシオカラトンボ


シオカラトンボよりも少し大きくてがっしりした感じ。オスが成熟すると粉を吹いたように見える色が、青っぽくなって、シオカラトンボの色とは明らかに違う。
6月ごろから見られるが、8月に入ってからが青い色もはっきりしてきて良く目立ってくる。
メスは、近い仲間のシオカラトンボやシオヤトンボ、ハラビロトンボなどと同じように黄色と黒のトラ模様。


オスとメスが連結して(タンデム)飛んでいる。他のオスが縄張りを張っていないところ、あるいは縄張りを張っていない隙を見計らって産卵場所の水面でオスメスは連結をとき、オスはメスの少し上で見張りをして、ほかのトンボを追い払う。トンボは交尾をするとその前に交尾した精子がかき出されるので、最後に交尾したオスの遺伝子が残る確率が高い、すなわち、産卵がきっちりとされる前にほかのオスと交尾されると自分の遺伝子が残せなくなるからオスは連結を保ちつつ隙を見てメスに産卵行動を取ってもらいその間必死にほかのオスを追い払うということのようである。
メスは、単独でしっぽを水面に打ち付けるようにして産卵する。これを打水産卵という。

豊岡周辺では山に近い水辺で普通に見られる。
写真は、豊岡市日高町の休耕田の水路。希少種のミズオオバコが沢山咲いているところで打水産卵していました。


アカマダラコガネ


コウノトリの巣から見つかったので話題になったアカマダラコガネ。兵庫県では絶滅種といわれていた。実際には、但馬でも近年発見されている。里山の自然の中で、生活する虫の1つだ。

オレンジと黒のまだら模様。なかなかかっこいい虫だ。


ハッチョウトンボ


(八丁蜻蛉 Nannophya pygmaea )
豊岡市日高町のある谷の奥の休耕田、山沿いから冷たい水が染み出てくるようなところ。
そこに日本一小さなトンボ、ハッチョウトンボがいます。成虫の体長は雄で20mm、雌で18mmほど。

トンボというよりもアブみたいです。
オスは成熟すると真っ赤になるのでトンボと分かりますが、メスは地味なので、知らなかったらアブと思う人もいると思います。

湧水のある水深の浅い湿地見たいなところを好むらしいが、冷たい水でなくても良いのだろうか、東南アジアに結構広く分布しているらしい。

だが、国内では局所的で、近年生息地は減少していると言われている。だが、但馬の場合は耕作放棄地が拡大し、彼らの生息適地もそこそこ新たにできているかもしれない。
ハッチョウという名前は、江戸時代の学者の記録に、今の名古屋付近の矢田鉄砲場八丁目でしか見られないトンボであるとしてつけられたとのこと。

この小さなトンボ、写真ではなかなか小ささがわからない。この写真はかなり後ろにハラビロトンボが写っているので、小ささが分かるでしょうか。


田んぼの学校 11月

里山で落ち葉集め、焼き芋
参加者35名
のんびりした楽しい会でした。落ち葉を拾って、シイの実をさがして帰ってきました。芋を洗って焼き芋。その間にカキの実を採りに行く子が数名。
今日の鍋は、魚のつくねとカニ、たくさんの野菜。美味しかった。
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落ち葉拾いの間に、生き物発見。
ニホンアカガエル、ムカデ、コバネイナゴなど。
 


ウチワヤンマ


ウチワヤンマ (不均翅亜目 サナエトンボ科 ウチワヤンマ属)
 ヤンマと名がついているが、サナエトンボの仲間。でも体長7センチほどもあるのでギンヤンマと変わらない堂々たる体格だ。しっぽが尾翼のように広がっているのが特徴。黄色が黒で縁取られている。足が黄色いというのも特徴だそうです。

 7月、コウノトリの郷公園の前を流れている釜谷川で飛んでいた。しっかりした枯れ草の先などに止まっていて、他のウチワヤンマやオオシオカラトンボなどが近づいてくると緊急出動して追い払う。

 ヤゴは水深3mとかの水深の深い池に多く、採集しにくいらしいのだが、この辺りに深い池など無いと思う。交尾しながら飛翔しているやつもいます。
 近縁のタイワンウチワヤンマは尾翼の部分が黄色くないので区別できます。


ハラビロトンボ


豊岡市日高町のある谷の一番奥、ほ場整備田であるが、5,6年前から休耕田になっている。
回りは全部シカ対策のための電気柵が張られている。水を引いているわけではないが、上流法面から水が入っていていて、程よい湿地になっている。6月になると、モリアオガエルの卵がいっぱいぶら下がっている。
この湿地、たくさんのトンボが発生していて、春先から、アジアイトトンボ、クロイトトンボ、キイトトンボ、シオヤトンボ、シオカラトンボ、オオシオカラトンボ、ギンヤンマ、ショウジョウトンボ、ハッチョウトンボ、、、、いろんなトンボが観察できます。

今回紹介するのはハラビロトンボ。
名前のとおり、おなかの部分が太く広がっている。

メスは黄色と黒のトラ模様の腹部が大きく広がっていて、なかなか派手なトンボです。

一方オスは、濃い青で、少し白っぽい粉を吹いたような感じもあり、シオカラトンボに近い仲間を感じさせます。

オスは未熟のときは、黄色の地に褐色の斑紋があるが、やがて黒っぽい色から青灰色の粉を帯びるようになる。
これはたぶん未熟なオスだと思う。
飛び方はおとなしく、草に止まっていることが多く、湿地の草の間やすぐ上を飛んでいることが多いと思う。
幅の広い腹部と、特徴的な色で簡単に見分けられます。
この湿地では、5月ごろから出始めて、6月から7月が一番多く見おられます。


ミヤマアカネ


ようやく秋らしくなってきました。
アカトンボの季節ですね。
アキアカネ、ナツアカネ、ノシメトンボ、リスアカネ、、アカトンボにもいろいろな種類がいます。
このアカトンボはミヤマアカネといいます。
ミヤマアカネには特徴があって、ほかのアカトンボと簡単に見分けが付きます。
それは、羽にバンド状に模様が入っていることです。
ミヤマ(深山)というぐらいですから、山奥にいるトンボのようですが、里でも見ることができます。
この写真は氷ノ山のふもとで撮りました。
羽にある長方形の模様まで真っ赤でとてもきれいでした。


動物の糞??

コウノトリ郷公園の前の田んぼのあぜ道を、イナゴを見ながら歩いていると、なにやら黒い物体がかたまって落ちていた。動物の糞のようで、あまり気にせず通り過ぎようとして、「糞」が動いているのに気が付いた。

よく見ると、黒い甲虫だ。仰向けで足を動かしているものや、ごそごそ這っているものもいる。形の特徴からカドマルエンマコガネという糞虫のようだが、いったいどうして集団でいるのかわからない。ざっと数えると数十匹の塊が2箇所隣り合っている。
 
カドマルエンマコガネは平地に多くいろいろな獣糞に来る。甲虫にの中では小さいが、形はとてもユニークだ。前足や頭は糞の中にもぐったり固めたりするのに都合よくできているらしい。


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