ムキタケ


ムキタケ (ヒダナシタケ目キシメジ科ワサビタケ属)
Panellus serotinus(Pers.:Fr.)Kuhn.
(剥茸)

 晩秋、深山のブナ倒木枯れ木に群生する。柄は偏心生で、群生する様はヒラタケや毒菌のツキヨタケによく似ている。

ナメコと混在することも多い。また、毒菌のツキヨタケとも同時期に発生することもあるので注意が必要である。色は汚黄色、黄褐色、緑や紫色っぽいものなど多様である。
もっとも特徴的なのは、名前の由来であるように皮が剥きやすいということである。傘の表面は少しビロード状に微毛が生えていて、その皮が剥きやすいのである。皮の下にゼラチン質の層があるかららしい。

 優秀な食菌である。大量に収穫でき、倒木から数年間毎年収穫できる。ボリュームもあり、味は穏やか、程よいキノコ臭、少し土臭い香りが気になる向きもあるが、深山の香りである。表面は多少ぬめりもあるが、ごみは掃除しやすい。付け根近くにコケや小さな木の皮が一体的に付着している場合があるが、大量収穫できるのでざっくり除去すればよい。

 水分を多く含んでいる場合が多いので、手で水分を絞ってから鍋に入れると出汁を良く吸って美味。皮の部分に苦味があるので、剥いてから食すべきと書かれているものも多いが、私は剥かなくても気にならない。鍋で食べるときは、熱い汁が口中で噴出しやけどすることがあるので、ノドヤケとかノドヤキとかの地方名もある。

 晩秋深山の優良食菌としてナメコと並ぶ賞賛が与えられているようであるが、但馬ではナメコが優先され、やや評価は低いようである。
 
 写真は兎和野高原。汚黄色と紫の強いものと2つのタイプが判ると思う。どちらもムキタケ。