ササクレヒトヨタケ


ササクレヒトヨタケ (ハラタケ目ヒトヨタケ科ヒトヨタケ属)
Coprinus comatus (Muller:Fr.)Pers.
(ささくれ一夜茸)
春から秋にかけて、道端や草原、堆肥置き場など、地中に有機物が埋もれていると思われる場所に発生する。

地面からぎっしりと束になって発生し、時に高さ30センチぐらいに巨大化するものもある。

若いときはこけしのように整った形で、まっすぐな軸に縦長楕円形のボンボンさんが付いている感じ。傘にはささくれがある。ボンボンさんの傘は徐々に開き弾頭型になりさらに開いていくが、同時に端のほうから黒ずんで、液化して溶けて行く。

図鑑では黒インク状になると良く表現されているが、実際にインクの代用に利用されたこともあるという。立派なきのこが一夜でとろけてしまうから一夜茸と呼ばれる仲間である。ささくれのないヒトヨタケとささくれのあるササクレヒトヨタケがこの仲間ではまずまず有名だと思う。黒くとろけてしまう特徴と、人目につく場所での発生、ヒトヨタケは食べられるのだが、お酒を飲むと悪酔いするということで有名。ササクレヒトヨはそんなことはなく、食用となる。
ササクレヒトヨタケは歯ごたえ良好、香り味とも温和でおいしく、間違えることもなく大量に採れるので優秀な食菌と思う。栽培もされている。お酒を飲まなければヒトヨタケも食べられるが、禁酒をしてまで食べる熱意はないので、ささくれがあると嬉しい。

写真は海岸の砂浜に発生していたもの。
ささくれ一夜茸:ささくれのある一夜で溶けるキノコ
但馬では珍しいキノコではないと思う。